<日本代表>
女子5000m 鍋島莉奈、鈴木亜由子
予選 8月10日(木)18時30分(日本時間11日(金)2時30分)
決勝 8月13日(日)19時35分(日本時間14日(月)3時35分)
女子10000m 鈴木亜由子、松田瑞生、上原美幸
決勝 8月5日(土)20時10分(日本時間6日(日)4時10分)
女子5000m 鍋島莉奈、鈴木亜由子
予選 8月10日(木)18時30分(日本時間11日(金)2時30分)
決勝 8月13日(日)19時35分(日本時間14日(月)3時35分)
女子10000m 鈴木亜由子、松田瑞生、上原美幸
決勝 8月5日(土)20時10分(日本時間6日(日)4時10分)
8月4日から13日までの10日間、ロンドンを舞台に16回目となる世界選手権が行われる。
ここでは、過去の記録やデータをもとにその見どころや楽しみ方を紹介する。
女子10000mが8月5日20時10分(日本時間6日4時10分)。女子5000mが予選10日18時30分(同11日2時30分)、決勝が最終日の13日19時35分(同14日3時35分)のスタート。
<女子10000m>
これまでの「世界選手権」と「五輪」での入賞者は、以下の通り。1995年 8位 鈴木 博美(リクルート)
1996年 五輪 5位 千葉 真子(旭化成)
〃 五輪 7位 川上 優子(沖電気宮崎)
1997年 3位 千葉 真子(旭化成)
1999年 4位 弘山 晴美(資生堂)
〃 5位 高橋千恵美(日本ケミコン)
2009年 7位 中村友梨香(天満屋)
2013年 5位 新谷 仁美(ユニバーサルエンターテイメント)
過去の「優勝記録・8位の記録」などのデータは、以下の通りだ。
・「前半」は、5000mを先頭で通過した選手のタイムで、優勝者のものとは限らない。
・「前後半差」の「△」は、後半の方が速かったことを示す。
年 優勝記録( 前半 + 後半 /前後半差) 8位記録 差
1987年 31.05.85(15.21.51+15.44.34/▼22.83) 31.48.88 43.03
1991年 31.14.31(15.34.15+15.40.16/▼ 6.01) 32.16.55 62.24
1993年 30.49.30(15.43.38+15.05.92/△37.46) 31.37.26 47.96
1995年 31.04.99(15.46.89+15.21.90/△24.99) 31.54.01 49.02
1997年 31.32.92(16.12.81+15.20.11/△52.70) 32.03.81 30.89
1999年 30.24.56(15.25.24+14.59.32/△25.92) 31.43.80 79.24
2001年 31.48.81(16.28.89+15.19.92/△68.97) 32.09.21 20.40
2003年 30.04.18(15.06.53+14.57.65/△ 8.88) 30.37.68 33.50
2005年 30.24.02(15.16.29+15.07.73/△ 8.56) 30.33.75 9.73
2007年 31.55.41(16.29.24+15.26.17/△63.07) 32.30.74 35.33
2009年 30.51.24(15.45.19+15.06.05/△39.14) 31.21.42 30.18
2011年 30.48.98(15.47.04+15.01.94/△45.10) 31.37.03 48.05
2013年 30.43.35(15.30.38+15.13.03/△17.35) 31.34.83 51.48
2015年 31.41.31(16.11.99+15.29.32/△42.67) 31.51.35 10.04
参考までに五輪(1988年から実施)は、
年 優勝記録( 前半 + 後半 /前後半差) 8位記録 差
1988年 31.05.21(15.37.9 +15.37.3 /△ 0.6 ) 31.50.51 45.30
1992年 31.06.02(15.39.91+15.26.11/△13.80) 31.38.04 32.02
1996年 31.01.63(15.35.85+15.25.78/△ 9.74) 31.26.46 24.83
2000年 30.17.49(15.05.70+15.11.79/▼ 6.09) 31.14.70 57.21
2004年 30.24.36(15.34.56+14.49.80/△44.76) 31.04.62 40.26
2008年 29.54.66(15.09.98+14.44.68/△25.30) 30.40.27 45.61
2012年 30.20.75(15.32.06+14.48.69/△43.37) 30.55.63 34.88
2016年 29.17.45(14.46.81+14.30.64/△16.17) 30.26.66 69.21
優勝記録にはばらつきがあるが、「前半+後半/前後半差」をみると、優勝者は前半よりも後半の方が30秒以上も速く走っているレースが多い。
先頭がどういうペースで前半を刻むかにもよるが、優勝者との差が30~40秒あたりが入賞ラインの目安となりそうだ。
2003年と05年の世界選手権、あるいは2008年と16年の五輪のように日本記録(30.48.89)で走っても入賞できないということもあるが、優勝者に後半で離されても、前半の先頭集団のペースを大崩れすることなく後半も維持できれば、「入賞圏内」にとどまれる可能性がかなり高いといえよう。
<女子5000m>
「世界選手権(1995年から実施。それ以前は3000m)」と「五輪(1996年から実施。84~92年は3000m)」での入賞者は、以下の通り。1996年 五輪 4位 志水見千子(リクルート)
1997年 8位 弘山 晴美(資生堂)
2015年の北京大会で鈴木亜由子(日本郵政グループ)は、8位(15.08.00)と0秒29差の9位。これは、世界選手史上最少の「8位と9位の差」で、何とも惜しくも悔しい9位であった。
以下は、5000mが採用された1995年からの世界選手権での先頭走者の「1000m毎のスプリット」と「優勝記録・8位記録・差」をまとめたものである。
年 ~1000m ~2000m ~3000m ~4000m ~5000m 優勝記録 8位記録 差
1995年 2.51.95 3.01.53 3.04.72 3.02.87 2.45.40 14.46.47 15.08.05 21.58
1997年 3.11.74 2.58.66 2.58.22 3.02.21 2.46.85 14.57.68 15.21.19 23.51
1999年 3.00.43 2.55.47 2.56.83 2.59.68 2.49.41 14.41.82 15.03.47 21.65
2001年 3.10.06 3.03.47 3.03.72 3.04.43 2.41.71 15.03.39 15.19.55 16.16
2003年 3.04.25 3.05.63 2.59.00 2.57.57 2.45.27 14.51.72 14.54.98 3.26
2005年 3.02.53 2.51.32 2.58.77 3.01.78 2.44.19 14.38.59 14.45.14 6.55
2007年 2.59.22 3.05.47 3.07.30 3.01.06 2.44.86 14.57.91 15.03.86 5.95
2009年 3.06.02 3.05.02 3.04.01 3.00.74 2.42.18 14.57.97 15.11.12 13.15
2011年 3.02.10 3.05.00 3.03.87 3.02.63 2.41.76 14.55.36 15.09.35 13.99
2013年 3.10.78 3.03.24 3.04.33 2.50.66 2.40.90 14.50.19 15.14.70 24.51
2015年 3.01.65 3.04.62 2.49.36 2.43.62 2.47.68 14.26.83 15.08.00 41.17
参考までに、「五輪」の優勝記録と入賞ラインは、
年 優勝記録 8位記録 差
1996年 14.59.88 15.17.33 17.45
2000年 14.40.79 14.50.31 9.52
2004年 14.45.65 15.07.23 21.58
2008年 15.41.40 15.49.03 7.63
2012年 15.04.25 15.14.55 10.30
2016年 14.26.17 15.00.69 34.52
である。
「優勝者と8位の差」は、数秒から40秒以上と大会によって開きがあるが、この10年あまりの状況からすると「8位入賞ライン」は、「15分00秒~10秒切りあたり」である。
優勝者はラストの1000mを2分40秒ちょっと、ラスト2000mを5分30~40秒あたりで走っている。1500mの日本記録(4.07.86)に近いスピードだ。また、上記のデータには掲載していないが、ラスト400mは、ほとんどが58秒台、ラスト200mも28秒台がほとんどなので、日本人はなかなか太刀打ちできそうにない。
「優勝」や「メダル」を目指すには、上述のようなラストのスパート力がないことには厳しそうだが、「入賞」は前回の鈴木が示したように十分にチャンスはありそうだ。
どういうペースでレースが展開されるかにもよるが、3000m~4000mまでを3分ちょっとでいってラスト2000mを5分台、ラスト1000mを2分55秒以内あたりでカバーできれば、「入賞ライン」が見えてくるかもしれない。
日本選手権では、鍋島莉奈(日本郵政グループ)がラスト1000mを2分53秒1(ラスト400mは67秒0)、鈴木も2分53秒7でカバーしている。
※記録情報は2017年7月31日判明分
※数か月後や数年後に入賞者のドーピング違反が発覚し失格となって順位が繰り上がったケースもあるが、ここでは当初発表された記録を掲載した
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト