2022.06.02(木)
【記録と数字で楽しむ第106回日本選手権】男子110mハードル:世界を凌ぐレベルの高さで力が拮抗!
6月9日~12日に大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる「第106回日本選手権」の見どころや楽しみ方を『記録と数字』の視点から紹介する。
・第106回日本選手権 エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1652-4.pdf
・第106回日本選手権 TV&ライブ配信情報
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/tv-live/
・オレゴン 2022 世界選手権 トラック&フィールド種目日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
・準決/6月11日 15:32 2組3着+2
・決勝/6月12日 16:50
世界記録と日本記録の差0.26秒は、男子100mのその差0.37秒(9秒58と9秒95)より小さく、短距離種目では、男子110mHが最も世界に近いレベルにある。
オレゴン世界選手権参加標準記録突破者は泉谷駿介(住友電工)1人だが、今の日本のレベルからすると他に複数名が突破してきてもおかしくはない。
なお、村竹ラシッド(順天堂大)は昨年6月26日に13秒28で走っているが、世界選手権参加標準記録の有効期間が6月28日からだったため、突破に至っていない。
2019年は2位の泉谷も日本タイだったため、過去4大会で延べ4人が日本新または日本タイをマークしていることになる。
過去10年間で高山が3回優勝しているが、連覇した選手は誰もいない。男子100m同様、男子110mHもトップレベルが拮抗している証拠である。
10番目の高橋を除き、記録は全て2021年のもの。2021年の日本のレベルは凄まじく、13秒49以内で走った人数は、引退した金井大旺(ミズノ)を含め8人。
各国別人数では、18人のアメリカに次いで2番目で、ジャマイカ(7人)やフランス、英国(5人)などのスプリント大国を上回った。
今季リストトップは5月8日のセイコーGGPで13秒34(+0.1)を出した村竹。オレゴン世界選手権参加標準記録にあと0.02秒に迫り、今季アジア最高記録でもある。
ここ数年は、泉谷、高山、金井の『三つ巴』が続いていたが、金井が引退し、3年連続表彰台の泉谷と5年連続表彰台の高山との一騎打ちとなるか。
2年連続4位の野本は、3月の世界室内選手権男子60mHで決勝進出者と同タイム(抽選で準決落ち)で走るなど好調。
一昨年まで4年連続で入賞を果たしていた石川は、昨年の決勝でフライング失格。同じくフライング失格した村竹とともに、雪辱を果たすレースとなるか。
1~6位までが昨年のもの。昨年は2名が失格だったため、7・8位の記録が残っていないが、走っていれば、間違いなく7・8位の記録も塗り替えられていたと思われる。今年は決勝の8位全員が13秒6台あるいは5台というレースが見られるかもしれない。
近年の記録の伸びの凄さを述べてきたが、2018年以降の日本記録の変遷をまとめると上図のようになる。
2018年の日本選手権で金井が14年ぶりに日本記録を更新すると、堰を切ったかのように、金井・高山・泉谷による日本記録更新が続いた。泉谷が昨年出した13秒06は2021年世界リスト5位。金井の前日本記録・13秒16は2021年世界リスト13位。
次に日本記録が更新される時は、世界トップスリーレベルに近いかあるいはそれ以上のレベルになるはずである。
JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
日本選手権で実施されるハードル競走は4種目あります。男子は110mと400m、女子は100mと400mです。いずれも10台のハードルを飛び越えますが、高さと間隔が異なります。 高さは男子110m:1m067、400m:914mm、女子100m:838mm、400m:762mmです。このように高さが中途半端なのは、陸上競技の発祥地がイギリスであることの名残です。男子の高さは3フィート6インチですがJR在来線のレール幅と同じです。日本最初の鉄道はイギリスの技術を導入して開業しましたがその時のレール幅が1m067だったのです。 ハードルを設置する位置にはトラック上に青、黄緑、黄と色違いの5cmのマークがペイントされています。
■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/
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・第106回日本選手権 エントリーリスト
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・第106回日本選手権 TV&ライブ配信情報
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/tv-live/
・オレゴン 2022 世界選手権 トラック&フィールド種目日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
【男子110mハードル】
・予選/6月11日 12:05 4組3着+4・準決/6月11日 15:32 2組3着+2
・決勝/6月12日 16:50
過去10年間、連覇なし。世界を凌ぐレベルの高さで力が拮抗!
■主な記録一覧(2022年5月31日現在)
・世界記録 | 12秒80 |
---|---|
・アジア記録 | 12秒88 |
・日本記録 | 13秒06 |
・U20日本記録 | 13秒19 |
・学生記録 | 13秒06 |
・大会記録 | 13秒06 |
・今季世界最高 | 13秒07 |
・今季アジア最高 | 13秒34 |
・今季日本最高 | 13秒34 |
・オレゴン世界選手権参加標準記録 | 13秒32 |
オレゴン世界選手権参加標準記録突破者は泉谷駿介(住友電工)1人だが、今の日本のレベルからすると他に複数名が突破してきてもおかしくはない。
なお、村竹ラシッド(順天堂大)は昨年6月26日に13秒28で走っているが、世界選手権参加標準記録の有効期間が6月28日からだったため、突破に至っていない。
■過去10年の優勝者(所属は当時のもの) ★は日本新または日本タイ
年 | 記録 | 選手 | 所属 | 優勝回数 |
---|---|---|---|---|
2012年 | 13秒72(-0.6) | 八幡賢司 | モンテローザ | 初 |
2013年 | 13秒59(+1.3) | 矢澤航 | 法政大 | 2回目 |
2014年 | 13秒58(+0.4) | 増野元太 | 国際武道大 | 初 |
2015年 | 13秒81(-1.4) | 高山峻野 | 明治大 | 初 |
2016年 | 13秒48(+2.4) | 矢澤航 | デサント | 3回目 |
2017年 | 13秒45(-0.2) | 高山峻野 | ゼンリン | 2回目 |
2018年 | 13秒36(+0.7)★ | 金井大旺 | 福井県スポ協 | 初 |
2019年 | 13秒36(-0.6)★ | 高山峻野 | ゼンリン | 3回目 |
2020年 | 13秒36(-0.1) | 金井大旺 | ミズノ | 2回目 |
2021年 | 13秒06(+1.2)★ | 泉谷駿介 | 順天堂大 | 初 |
過去10年間で高山が3回優勝しているが、連覇した選手は誰もいない。男子100m同様、男子110mHもトップレベルが拮抗している証拠である。
■資格記録順(資格記録有効期間2021年1月1日~2022年5月22日)
資格記録 | 選手 | 所属 | 自己記録 | |
---|---|---|---|---|
1 | 13秒06 | 泉谷駿介 | 住友電工 | 13秒06 |
2 | 13秒28 | 村竹ラシッド | 順天堂大 | 13秒28 |
3 | 13秒37 | 高山峻野 | ゼンリン | 13秒25 |
4 | 13秒37 | 石川周平 | 富士通 | 13秒37 |
5 | 13秒38 | 野本周成 | 愛媛陸協 | 13秒38 |
6 | 13秒41 | 藤井亮汰 | 三重県スポ協 | 13秒41 |
7 | 13秒45 | 横地大雅 | 法政大 | 13秒45 |
8 | 13秒55 | 徳岡凌 | KAGOTANI | 13秒55 |
9 | 13秒63 | 樋口陸人 | スズキ | 13秒63 |
10 | 13秒65 | 髙橋佑輔 | ハイテクAC | 13秒60 |
各国別人数では、18人のアメリカに次いで2番目で、ジャマイカ(7人)やフランス、英国(5人)などのスプリント大国を上回った。
■2022年記録順(2022年5月31日現在)
資格記録 | 選手 | 所属 |
---|---|---|
13秒34 | 村竹ラシッド | 順天堂大 |
13秒58 | 石川周平 | 富士通 |
13秒59 | 藤井亮汰 | 三重県スポ協 |
13秒60 | 徳岡凌 | KAGOTANI |
13秒63 | 横地大雅 | 法政大 |
■資格記録上位選手の日本選手権110mH入賞歴
選手 | ‘12 | ‘13 | ‘14 | ‘15 | ‘16 | ‘17 | ‘18 | ‘19 | ‘20 | ‘21 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
泉谷駿介 | 2 | 3 | 1 | |||||||
高山峻野 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | ||||
石川周平 | 7 | 6 | 3 | 7 | ||||||
野本周成 | 4 | 4 | ||||||||
藤井亮汰 | 6 | 6 | ||||||||
横地大雅 | 8 | 5 |
2年連続4位の野本は、3月の世界室内選手権男子60mHで決勝進出者と同タイム(抽選で準決落ち)で走るなど好調。
一昨年まで4年連続で入賞を果たしていた石川は、昨年の決勝でフライング失格。同じくフライング失格した村竹とともに、雪辱を果たすレースとなるか。
■日本選手権決勝における「着順別最高記録」※追風参考除く
順位 | 記録 | 年 |
---|---|---|
1位 | 13秒06 | 2021年 |
2位 | 13秒22 | 2021年 |
3位 | 13秒37 | 2021年 |
4位 | 13秒38 | 2021年 |
5位 | 13秒47 | 2021年 |
6位 | 13秒54 | 2021年 |
7位 | 13秒71 | 2020年 |
8位 | 13秒72 | 2020年 |
■2018年以降の日本記録変遷
日付 | 大会 | 記録 | 選手 | 所属 |
---|---|---|---|---|
2018/6/24 | 日本選手権 | 13秒36(+0.7) | 金井大旺 | 福井県スポ協 |
2019/6/2 | 布勢スプリント | 13秒36(+1.9) | 高山峻野 | ゼンリン |
2019/6/30 | 日本選手権 | 13秒36(-0.6) | 高山峻野 | ゼンリン |
2019/6/30 | 日本選手権 | 13秒36(-0.6) | 泉谷駿介 | 順天堂大 |
2019/7/27 | 実学対抗 | 13秒30(+1.9) | 高山峻野 | ゼンリン |
2019/8/17 | ナイトGin福井 | 13秒25(+1.1) | 高山峻野 | ゼンリン |
2021/4/29 | 織田記念 | 13秒16(+1.7) | 金井大旺 | ミズノ |
2021/6/27 | 日本選手権 | 13秒06(+1.2) | 泉谷駿介 | 順天堂大 |
2018年の日本選手権で金井が14年ぶりに日本記録を更新すると、堰を切ったかのように、金井・高山・泉谷による日本記録更新が続いた。泉谷が昨年出した13秒06は2021年世界リスト5位。金井の前日本記録・13秒16は2021年世界リスト13位。
次に日本記録が更新される時は、世界トップスリーレベルに近いかあるいはそれ以上のレベルになるはずである。
JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
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日本選手権で実施されるハードル競走は4種目あります。男子は110mと400m、女子は100mと400mです。いずれも10台のハードルを飛び越えますが、高さと間隔が異なります。 高さは男子110m:1m067、400m:914mm、女子100m:838mm、400m:762mmです。このように高さが中途半端なのは、陸上競技の発祥地がイギリスであることの名残です。男子の高さは3フィート6インチですがJR在来線のレール幅と同じです。日本最初の鉄道はイギリスの技術を導入して開業しましたがその時のレール幅が1m067だったのです。 ハードルを設置する位置にはトラック上に青、黄緑、黄と色違いの5cmのマークがペイントされています。
■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト
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■日本選手権を楽しむポイント~大会展望や会場で体験できるイベントなど紹介~
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