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医事委員会

日本陸上競技連盟 疲労骨折予防10か条
〜疲労骨折に注意!予防しましょう〜

日本陸上競技連盟医事委員会
2014.11.21

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疲労感、体調には十分気をつけましょう。
ロードでもトラックでもフィールドでもたくさん走れば発生します。
運動しすぎは要注意です。
骨密度が低ければ、発症率は高くなります。
つらい減量は疲労骨折のもとです。
生理(月経)がこないようでは骨が減ります。
疲れた筋肉では、骨を守れません。
よい栄養をとりましょう。
ボーイもガールも、疲労骨折はおこります。
運動、ランニング中のしつこい痛みは、すぐ医師へ。

疲労骨折(stress fracture)とは、ごく小さな外力の繰り返しにより、骨に慢性的にストレスが加わり、ついには骨に微細骨折を生じた状態をいいます。
ランニングの繰り返し、走り過ぎなどにより生じ、骨にヒビのような状態を作り、時には完全骨折にいたることもあります。
マラソンなどの長距離ランナーや市民ランナー、中高生でもよくおこります。
脛骨(すねの太い骨)、中足骨(足の甲の骨)によく生じます。
女性では、エネルギー不足、無月経、低い骨密度が関係し、女子アスリートの三徴候とも言われます。
一度、発症すると1〜3ヶ月と長期にわたり、まともに走ることができなくなります。よって本症の予防は大切です。
予防はなかなか難しいことですが、本症には特徴があります。医事委員会疲労骨折予防プロジェクトチームは、疲労骨折予防10か条を作成しました。
指導者、競技者ともに疲労骨折について知り、少しでも予防策に役立ててください。

疲労骨折予防10か条

疲労感、体調には十分気をつけましょう。
ふだんと違う感覚があれば勇気を持って休みましょう。休むこと、これも大切な練習サイクルのひとつです。どうしても走らないと落ち着かなければ、たくさん歩きましょう、痛くなければ。また、プールで歩くことも薦めます。プールでは体重の負荷は、腰の高さで半分になります。
ロードでもトラックでもフィールドでもたくさん走れば発生します。
疲労骨折はロードでも、トラックでも、グラウンドでも、体育館でも、使い過ぎにより生じます。では、どのくらい走れば疲労骨折になりやすいか? これはとても気になることですが、残念ながら、決まりはありません。体力・体格の個人差、環境の問題などいろいろな要素があり、一概には決められません。
運動しすぎは要注意です。
疲労骨折は走り過ぎだけではなく、よくジャンプするスポーツでも生じます。脛骨(すねの太い骨)、中足骨(足の甲の骨)によくみられますが、いろいろな骨、どこにも生じます。骨盤の恥骨・坐骨、大腿骨、腓骨(下腿の細い方の骨)、足の足根骨(踵骨など)などあらゆる骨にみられます。
骨密度が低ければ、発症率は高くなります。
骨の力学的強さをみる目安の一つに骨密度があります。骨密度が低いと、骨は外力・ストレスへの抵抗力が弱くなり、疲労骨折を起こしやすくなります。骨密度は20歳前後でもっとも強く、残念ながら後は徐々に弱くなっていきます。骨密度を高くしたければ、カルシウムをよく取り、日光を浴びて(骨代謝に重要なビタミンDの代謝が亢進)、適度な無理のない力学的負荷(動いたり、歩いたり、無理なく走ったり)を与えてください。
つらい減量は疲労骨折のもとです。
減量のための不適切な食事では、疲労がたまり、体調をくずし、故障を繰り返し、疲労骨折が起きやすくなります。摂食障害、エネルギー不足は疲労骨折を起こしやすくなります。きちんと食事をして、走って、動いて、体重が増えないようにしましょう。
生理(月経)がこないようでは骨が減ります。
無月経を放置すると、骨密度を維持するエストロゲンが不足する結果、骨は弱くなります。摂食障害があり、月経が来ないと若い女性でも骨密度は減ります。また女性では、閉経後しばらくして、エストロゲンの分泌不足に伴い、明らかに骨密度は減ります。気になる方は、一度は骨密度を測定することをお勧めします。
疲れた筋肉では、骨を守れません。
筋肉がきちんと働かないと、走ることによる骨への負担はとても大きくなります。筋力が適度にあると、骨への力学的負担を減らし、繰り返しのストレスを軽減し、疲労骨折を起こしにくくいします。走るだけではなく、適当に筋力訓練もすることをお勧めします。
よい栄養をとりましょう。
ビタミンDやカルシウム、たんぱく質など、バランスのよい食事をとりましょう。骨を形成する重要な要素であるカルシウムはもちろん取る必要はありますが、骨の代謝をよくするためには、ビタミンDの摂取も大切です。栄養、ビタミン系は健康補助食品ではなく、普通の食事で取ることをお勧めします。
ボーイもガールも、疲労骨折はおこります。
女子に多く発症しますが、男子にも生じます。疲労骨折は高校生、大学生・実業団選手によくみられますが、ピークは17歳くらいです。
運動、ランニング中のしつこい痛みは、すぐ医師へ。
早期に疲労骨折が発見され、治療を開始した選手は復帰も早いです。早期治療、早期スポーツ復帰、重要です。痛みが続くときは一人で悩まずにスポーツドクターを受診してください。また疲労骨折はX線画像で変化がみられますが、初期にはまだ陽性所見を呈しないことがありますので注意してください。

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