EVENT REPORT

イベントレポート”新たなフェーズの夜明けや革命をもたらすような大会にしたい” サニブラウン選手の想いを体現する大会「DAWN GAMES」東日本予選

「日本の短距離の層を厚くしたい、そして陸上の人気を増やしたいと思った時に、まずは陸上人口を増やさないといけない。そのためには子供たちの力が必要だと感じました。小中高にもっといろいろな機会、チャンスを作りたいという思いで大会をやろうと考えたのです」

男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム選手(東レ)がそんな思いを持って企画し、創設した大会が「DAWN GAMES (ドーンゲームス)」です。大会名の「DAWN」は夜明け、黎明という意味で、「新しい時代や出発の始まりを象徴」「新たなフェーズの夜明けや革命をもたらすような大会にしたい」という思いが込められています。

大会は、6月9日に大阪・ヤンマースタジアム長居で西日本地区(近畿・中国・四国・九州・沖縄)、6月29日に東京・大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森陸上競技場で東日本地区(北海道・東北・関東・中部)の予選会を実施。種目は100mのみで、小学校4~6年生、中学生、高校生男女(同地区に居住または在学が対象)の各カテゴリー上位4人が、10月開催予定の決勝大会への出場権を獲得できます。

「あこがれのサニブラウン選手が開いた大会なので出てみたいと思いました」「サニブラウン選手が好きなので、出場を決めました」「サニブラウン選手の考えにすごく共感しました」といった声が聞かれたように、現役トップアスリートが企画したそのインパクトは絶大。両予選ともに約400名が参加し、大盛況となりました。

東日本予選の高校男子100mを10秒90(-2.6)で制した松丸孝之選手(目黒学院3東京)は「父がネットニュースで見つけて参加することを決めました」と話します。実際に参加してみて、「陸上はマイナーというわけじゃないけど、もっと盛り上げられると思います。このような大会が開催されるのはすごくいいことだと感じました」と振り返っていました。

チーム全員で参加したという東京・目黒七中は、昨年は2年生1人だった部員が、この春に1年生が多数入部。そこで、顧問の三條篤先生は、「陸上の楽しさを知ってほしい」と部員全員で参加したそうです。

ただ1人の3年生で、キャプテンの土岐貫太選手は「いい経験になりました」と満足そう。1人で部活を続けた昨年を振り返り、「陸上は1人での競技だけど、仲間と支え合ってともに高め合っていく競技。だから、これからも続けたいと思っています」と笑顔で話しました。

参加者全員にサニブラウン選手のサインが贈られており、三條先生は「トップ選手とのこういったつながりは、子供たちの励みになりますね」と目を細めていました。

新潟から家族で東日本予選を訪れた平原怜衣選手(小学5年)は、決勝に進めず「6年生と一緒に走ったのですが、やっぱり速かったです」と悔しそう。しかし、「決勝大会に進めなかったのは残念だけど、サニブラウン選手に会いたいので、来年も開催されるならまた出てみたいです」と力強く話しました。

また、参加した選手の家族からも、サニブラウン選手の活動に賛同する声が。新潟から参加した平原選手の父・康人さん、母・希さんも「地方から来るのは簡単でないですが、それでも来たいと思える大会。強い選手と走れる良い機会にもなりました」と笑顔で会場を後にしました。

高校1年生と小学5年生の子供が2人とも陸上に取り組んでいる萩原みや子さんは、「現役のトップ選手が自分ががんばるだけではなく、子供たちに何かを伝えるという取り組みをしてくださるのはなかなかないこと。子供たちはサニブラウン選手にあこがれを持ってやっているので、本当にありがたいです」と話していました。

競技の合間には、カテゴリーごとに栄養セミナーと、トレーニングのクリニックも行われました。管理栄養士の吉村俊亮氏(株式会社AND-U)は1日の必要エネルギー量を把握し、それを確保することの重要性を説明。名和大輔トレーナーは不安定の中で軸を作る意識や、股関節周辺との連動の大切さを伝えた。

さらに、サニブラウン選手と同じマネジメント会社契約アスリートで友人でもあるバドミントンの桃田賢斗選手が、小学生向けのスポーツプログラム「スポーツキッズトレーニングbyハナスポ」を実施。1~3年生、4~6年生の2部に別れ、遊びの中から素早く動く姿勢を伝えたり、スポーツチャンバラで動き回ったりと、子供たちと汗を流しました。

陸上に限らずどのスポーツでも、実際に体験することで感じられる魅力、素晴らしさがあります。

そういった場、機会が増やしていくためにも、RIKUJO JAPANではさまざまな発信をし、応援していきます。

現役トップアスリート自らがこのようなイベントを企画することの意味は非常に大きく、今大会をきっかけにさらにこうした想いやアクションの輪が広がっていくことを願っています。

文・写真:月刊陸上競技編集部

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