2025.07.07(月)
【第109回日本選手権】ハイライトDAY3:田中が2種目で代表内定!参加標準突破済みの鵜澤、井之上も内定を決める

第109回日本陸上競技選手権大会が7月4日から3日間、東京・国立競技場で行われました。大会最終日は、9月に開催される東京2025世界陸上競技選手権大会の日本代表に3名が内定。3日間で6種目6名の世界選手権日本代表が内定し、女子800mでは日本記録も誕生しました。

大会初日に5000mで世界選手権の代表に内定した田中希実(New Balance)が、女子1500mも4分04秒16で制して2冠を獲得。大会史上初めての6連覇を達成しました。すでに世界選手権の参加標準記録(4分01秒50)を突破していたので、2種目めの代表内定が決まり、自身4度目となる世界選手権に挑みます。
2位には木村友香(積水化学)が自己記録に迫る4分09秒88で入りました。木村はワールドランキングのターゲットナンバー(56)での世界選手権出場を狙います。

男子200mは、参加標準記録(20秒16)をすでに突破している鵜澤飛羽(JAL)が20秒16(0.0)で3連覇を達成し、2大会連続の世界選手権代表に内定しました。西裕大(MINT TOKYO)が2位、ベテランの飯塚翔太(ミズノ)も3位に入りました。飯塚はターゲットナンバー(48)圏内に位置しており、5大会連続6度目の世界選手権出場を狙います。

男子400mハードルは、すでに参加標準記録(48秒50)を突破している井之上駿太(富士通)が前半から積極的なレースでリードを奪う展開。ホームストレートに入ってから猛追したのが、パリオリンピック代表の小川大輝(東洋大)でした。小川が48秒61で2年ぶりに日本選手権覇者となり、東京オリンピック代表の山内大夢(東邦銀行)が2位、井之上は3位となりました。この結果、参加標準記録を突破している井之上が日本代表に内定。小川は参加標準記録に届きませんでしたが、ワールドランキングではターゲットナンバー(40)圏内に位置しているため、こちらの要件での代表内定に近づきました。

息をのむ大接戦のレースが繰り広げられたのは、トラック最終種目の女子100mハードルでした。日本記録(12秒69)保持者の福部真子(日本建設工業)を筆頭に、自己記録12秒81の田中佑美(富士通)、元日本記録保持者の寺田明日香(ジャパン クリエイト)など“12秒台”の選手が顔をそろえた決勝。
好スタートの田中を中島ひとみ(長谷川体育施設)がとらえて、ほぼ同時にフィニッシュ。順位確定までに時間がかかり、死力を尽くした選手たちがトラックに残って健闘をたたえ合う姿も見られました。
結果は、田中が12秒86(-0.4)で初優勝。1000分の3秒差で中島が2着となり、福部が12秒93で3位となりました。
ワールドランキングでは田中がターゲットナンバー(40)圏内に位置しています。

男子走幅跳には、東京オリンピック6位の橋岡優輝(富士通)らが出場。3回目に8m14(+0.3)を跳んだ山浦渓斗(勝浦ゴルフ倶楽部)が初優勝を決めました。最終試技で8m11(+0.1)をマークした伊藤陸(スズキ)が2位、高校記録保持者の藤原孝輝(東洋大)が3位に入り、橋岡は4位となりました。
ワールドランキングには山浦、橋岡と今大会5位の津波響樹(大塚製薬)がターゲットナンバー(36)圏内に入っています。

男子1500mは、飯澤千翔(住友電工)が大会新記録の3分36秒81で2年連続3度目の優勝となりました。積極的なレースを繰り広げた山口智規(早稲田大)が3分38秒16で2位に入りました。

女子200mは、井戸アビゲイル風果(東邦銀行)が100mに続いて2冠を獲得。日本歴代5位に入る23秒18(+0.2)をマークし、存在感を示しました。髙橋亜珠(筑波大)が2位、壱岐あいこ(大阪ガス)が3位となりました。

男子400mは、3連覇に挑んだ中島佑気ジョセフ(富士通)を抑え、今泉堅貴(内田洋行AC)が45秒29で初優勝を飾りました。今泉と同タイムでフィニッシュした佐藤風雅(ミズノ)は、曲走路でラインの内側を走行したため失格となってしまいました。参加標準記録(44秒85)の突破者は出ませんでしたが、佐藤はターゲットナンバー(48)で圏内に留まっています。

男子5000mは、圧倒的なスパートで振り切った井川龍人(旭化成)が13分37秒59で初優勝を飾りました。5月のアジア選手権で銅メダルを獲得した森凪也(Honda)が13分38秒56で2位、遠藤日向(住友電工)が3位となりました。

女子走高跳は、1m87に2人がトライ。4連覇を懸けて挑んだ髙橋渚(センコー)、日本選手権室内を制した津田シェリアイ(築地銀だこ)が共に失敗して、試技数差で津田の優勝が決まりました。2位となった髙橋は、ターゲットナンバー(36)圏内に位置しています。

女子3000m障害物は、西山未奈美(三井住友海上)が9分43秒22で初優勝となりました。アジア選手権で日本歴代2位となる9分38秒16をマークして4位入賞した齋藤みう(パナソニック)は2着となりました。

女子砲丸投は、坂ちはる(大阪体育大)が1投目からU20日本歴代4位となる15m76をマークし、初優勝を飾りました。日本インカレ覇者の奥山琴未(岡山商大)が15m54で2位となりました。

男子砲丸投は、日本記録(19m09)保持者の奥村仁志(センコー)を抑え、18m19で森下大地(KAGOTANI)が初優勝しました。
熱戦が繰り広げられた第109回日本陸上競技選手権大会が閉幕。この大会で東京世界選手権の代表内定を決めた6選手、すでに代表内定している選手のほか、これから出場権を獲得する日本代表選手を、9月の国立競技場でも応援しましょう! #国立満員

文:新甫條利子
写真提供:フォート・キシモト
#ナンバーワンの頂上決戦