GUIDE知る・楽しむ

年表

  • 2003

    写真提供:深川市
    第1回
    記録にチャレンジできる競技会をシリーズで実施することで、選手のたくましさや調整能力を高め、世界で戦うことのできるランナーの発掘と育成を目的として新設。気象条件のよい北海道を舞台に、6月18日~7月2日の期間に、釧路・網走・深川・士別・札幌の5会場で行われた。

    最終戦の札幌大会は、2002年から始めていたミドルディスタンスチャレンジの最終戦(第5戦)も兼ねての実施となった。

    主要競技会:パリ世界選手権
  • 2004
    第2回
    2003年にスタートさせた「ロングディスンタンスチャレンジ」と、2002年から行っていた「ミドルディスタンスチャレンジ」を一本化し、規模をグレードアップ。6月16日の釧路大会を皮切りに、7月7日の札幌大会まで北海道で5大会を開催したほか、中距離種目のみ尼崎(兵庫)で1大会を実施した。

    アテネ五輪代表選考競技会としての開催で、代表に内定していた選手や参加標準記録突破を目指す選手らが多数参加。そのなかで、男子10000mで代表に選出されていた19歳の大野龍二(旭化成)が、士別大会3000mでジュニア日本新記録を樹立したのを筆頭に、出場3レースすべてを制して注目を集めた。中距離でも、女子800mで40年ぶりの五輪出場を決めた杉森美保(京セラ)が出場したほか、札幌大会1500mで小林史和(NTN)が日本歴代3位の好タイムをマークした。

    主要競技会:アテネオリンピック
  • 2005
    第3回
    6月15日~7月6日に釧路・網走・士別・深川・札幌の5会場で開催。深川大会10000mで、三津谷祐(トヨタ九州)が日本歴代3位・国内日本人最高の好記録で参加標準記録Aを突破し、参考過程の不備でいったん取り消されたヘルシンキ世界選手権代表の座を取り戻したことが大きな話題となった。

    また、網走大会男子1000mで小林史和(NTN)が2分19秒65の日本新記録を樹立、女子1500mでは札幌大会で小林祐梨子(須磨学園高)が同時点でのユース世界最高、ジュニア日本歴代2位の高校新記録の快走を見せたほか、3000mSCの早狩実紀(京都光華AC)、マラソンの尾方剛(中国電力)・原裕美子(京セラ)ら、世界選手権代表も多数出場し、ファンを喜ばせた。

    主要競技会:ヘルシンキ世界選手権
  • 2006
    第4回
    日本選手権の会期変更に伴い、日本選手権前の6月3日~17日で実施する短期間の日程に変更。札幌・深川・士別・網走・釧路と開催順も変更して行われた。男子で活躍が目立ったのはカネボウ勢。士別大会3000mで中村悠希、瀨戸智弘、野田道胤が表彰台を独占したほか、シリーズ全体の獲得ポイントでも、この3選手が上位を占めた。

    女子では、その後の日本選手権1500mで初優勝を遂げて注目されることになる吉川美香(パナソニック)が1500m2戦、5000m、3000mと転戦し、日本選手権での躍進に繋げる好走を披露した。

    主要競技会:ドーハアジア大会
  • 2007

    写真提供:陸上競技マガジン
    第5回
    北見大会が新たに加わり、シリーズは全6大会となる。大阪世界選手権代表選考会を兼ねて行われた日本選手権を間に挟む日程で、6月3~17日までに釧路・網走・北見・士別の4大会が、7月11日・15日に深川・札幌の2大会が行われた。6月の各大会では日本選手権に向けて各選手が調子を上げていく様子が、7月の2大会では世界選手権日本代表に内定した選手たちが実戦で鍛えていく場面が散見された。

    深川大会10000mには日本選手権5000m・10000mで2冠を達成しながら、参加標準記録Bを突破していなかったために代表内定が保留となっていた松宮隆行(コニカミノルタ)が出場。この大会での標準記録突破はならなかったが、その後の欧州転戦で果たした5000m日本新(13分13秒20、参加標準記録A突破)に繋げる走りを披露した。また、札幌大会では、女子400m日本記録保持者の丹野麻美(福島大)が800mに出場。この種目を専門とする選手を押さえて優勝して話題となった。

    主要競技会:大阪世界選手権
  • 2008

    写真提供:陸上競技マガジン
    第6回
    6月末に北京五輪代表選考会として行われた日本選手権を挟んで、6月に札幌・士別・深川の3大会が、7月に網走・北見・釧路の3大会が実施された。深川大会女子10000mでは福士加代子(ワコール)が北京五輪参加標準記録Aを突破。マラソン挑戦や故障の影響による出遅れを払拭し、日本選手権での五輪代表内定へと弾みをつけた。

    また、日本選手権で5000m・10000mでともに2位となり、10000mで代表権を手に入れていた赤羽有紀子(ホクレン)が、北見大会5000mで日本歴代3位の好走を見せ、参加標準記録Aを突破。2種目での五輪出場を確定させた。なお、この年からは、競歩のトラックレースも新設。士別大会女子10000m競歩では川﨑真裕美(海老沢製作所)が、22分11秒11の日本新記録を樹立している。

    主要競技会:北京オリンピック
  • 2009
    第7回
    前年同様に、世界選手権代表選考会となる日本選手権を挟む2部構成。6月に札幌・深川・士別で、7月に釧路・北見・網走で、全6大会が行われた。札幌大会の男女5000m競歩には、すでに世界選手権代表に内定済みの山﨑勇喜(長谷川体育施設)と渕瀬真寿美(大塚製薬)が出場。

    深川大会では、女子10000mですでに世界選手権参加標準記録Aを突破済みの松岡範子(スズキ)が、男子10000mでは参加標準記録Bを突破済みの中尾勇生(トヨタ紡織)と岩井勇輝(旭化成)が、標準記録Bを上回るタイムをマーク。代表入りがかかる日本選手権への順調な仕上がりを印象づけた。後半では、北見大会男女5000mに世界選手権代表の上野裕一郎(エスビー食品、5000m)と藤永佳子(資生堂、マラソン)が出場。藤永は最終戦の網走大会10000mにも参戦した。

    主要競技会:ベルリン世界選手権
  • 2010
    第8回
    札幌・深川・士別・釧路・北見・網走の6会場で、6月14~20日、7月10~17日の2部構成で開催した。士別大会で雷雨に見舞われたほか、釧路大会では風速が14mに達する暴風雨になるなど、大会ごとで気象条件に差が出るシリーズとなった。深川大会女子10000mでは世界ハーフマラソン選手権代表の宮内宏子(京セラ)が優勝し、順調な仕上がりぶりを披露。

    網走大会10000mでは、広州アジア大会女子5000mの初代表を決めていた木﨑良子(ダイハツ)が2位に1分以上の差をつける圧巻の走りで31分38秒71をマーク。翌2011年ベルリン世界選手権参加標準記録Aを突破した。競歩勢は、釧路大会に5月のワールドカップ競歩男子20kmで団体9位の成績の上げた森岡紘一朗(富士通)、藤澤勇(綜合警備保障)、鈴木雄介(富士通)の3選手が出場。藤澤が悪天候下のレースを制したほか、網走大会10000m競歩には、ワールドカップ競歩50kmで日本人過去最高順位の6位入賞を果たしていた山﨑勇喜(長谷川体育施設)と森岡がマッチレースを展開。1秒差で森岡が山﨑を抑えている。

    主要競技会:広州アジア大会
  • 2011

    写真提供:陸上競技マガジン
    第9回
    6月に日本選手権、7月に日本開催(神戸市)のアジア選手権、8月にテグ世界選手権と続くカレンダーとなった影響で、日本選手権翌週の6月19日~29日までの10日間で、北見・網走・深川・士別と4大会を実施する日程が組まれた。網走大会女子10000mでは、日本選手権5000mを世界選手権参加標準記録Aを突破して優勝していた絹川愛(ミズノ)が好調を維持。

    日本歴代4位となる31分10秒02の快走で、この種目でも参加標準記録Aを突破した。また、士別大会女子5000mでは、日本人トップとなる2位でフィニッシュした新谷仁美(ユニバーサルエンターテインメント)が、日本歴代10位で、世界選手権参加標準記録Aをクリアする15分13秒12をマークした。競歩勢は、男女ともに世界選手権代表全選手が参戦。北見大会5000m競歩・網走大会10000m競歩ともに、男子は鈴木雄介、女子は大利久美の富士通コンビが優勝した。

    主要競技会:テグ世界選手権
  • 2012

    写真提供:陸上競技マガジン
    第10回
    6月末(士別・深川)~7月上旬(北見・網走)にかけて各2戦実施する日程で開催。8月に行われるロンドン五輪の参加標準記録突破の対象にはならなかったものの、強化および本番に向けての調整を兼ねて多くの代表選手が出場した。

    士別大会には、ロンドン五輪男子マラソン代表の藤原新(ミキハウス)が10000mBレース、10000mAレースと続けて出場して、29分08秒00、29分00秒58秒でカバー。4日後の深川大会では、自身7年ぶりとなる5000mに出場して13秒54秒83でレースを終えた。また、士別大会で行われた男女10000m競歩には、ロンドン五輪男子20km代表の西塔拓己(東洋大学)、50km代表の森岡紘一朗(富士通)、女子20km代表の川﨑真裕美(富士通)の3選手が参戦。男子は西塔が、女子は川﨑が優勝し、調整が順調に進んでいることをうかがわせた。五輪代表以外では、日本選手権男子10000mを僅差で優勝を逃し、代表の座を逃していた大迫傑(早稲田大)が網走大会5000mに出場して、自己記録に迫る13秒33秒84で制し、注目を集めた。

    主要競技会:ロンドンオリンピック
  • 2013

    写真提供:陸上競技マガジン
    第11回
    6月末(士別・深川)と7月上旬(網走・北見)に、どちらも中3日空けて行う全4戦で開催された。8月に開催されるモスクワ世界選手権の代表選手も多数参加。本番に向けての状況を確認するレースとなった。深川大会では、その後、モスクワで女子マラソン銅メダルを獲得することになる福士加代子(ワコール)が10000mに出場し、日本人2位、全体4位の32分42秒56でフィニッシュしている。

    また、この大会では、ともに10000mで代表に選出された、大迫傑(早稲田大)が1500mと5000m(途中棄権)に、宇賀地強(コニカミノルタ)が5000mに、それぞれ参戦した。北見大会では、尾西美咲(積水化学)が1500mと3000mに出場して、2種目で自己記録を更新した。

    主要競技会:モスクワ世界選手権
  • 2014

    第12回
    この年も6月末に2戦(深川・士別)、7月上旬に2戦(北見・網走)の全4大会で開催。国内のトップ選手や実業団所属選手、さらには2003年より実施されている日韓競技力向上スポーツ交流(JOC助成事業)に併せて来日する韓国トップ選手に加えて、駅伝強化の一環と位置づける学生選手の参加が年々増えてきたなかで、この年の参加者(延べ人数)が過去最高の1282人となった。秋に開催された仁川アジア大会の代表選手も多数参加。

    トレーニングの進み具合を確認した。大迫傑(日清食品グループ)は士別大会5000mに出場して、日本人トップでフィニッシュ。その後の欧州転戦へと繋げた。北見大会では、女子5000mでアジア大会10000m代表の萩原歩美(ユニクロ)が15分33秒71の自己ベストで優勝したほか、女子3000mでも、5000m代表の尾西美咲・松﨑璃子の積水化学コンビがともに自己新をマークして日本人1・2位(全体2・3位)でフィニッシュ。このほか、北見大会では男子800mで日本記録保持者となった川元奨(日本大)が1500mのペースメーカーを務めたことも話題となった。

    主要競技会:仁川アジア大会
  • 2015

    写真提供:陸上競技マガジン
    第13回
    7月5日の士別大会から、深川・北見・網走大会と7月16日までの11日間で4戦行う日程で行われた。日本選手権翌週からスタートしたこのシリーズでは、北見大会女子5000mで、日本選手権2位の成績を上げていた鷲見梓沙(ユニバーサルエンターテインメント)がジュニア日本歴代3位となる15分17秒62で優勝。北京世界選手権と翌年に控えるリオデジャネイロ五輪の参加標準記録を突破。また、網走大会女子10000mでは、日本選手権3位の小原怜(天満屋)が参加標準記録を突破する31分48秒31をマークして3位でフィニッシュし、選考条件をクリアして世界選手権代表の座を射止めた。

    このレースでは、優勝した松﨑璃子(積水化学)を筆頭に上位4名が世界選手権参加標準記録を、さらには上位8名までがリオ五輪の参加標準記録を上回る好結果となった。網走大会では男子10000mでも、小野裕幸(日清食品グループ)と横手健(明治大)がリオ五輪参加標準記録を突破。また、深川大会女子10000mにおいても日本人上位を占めた宮﨑悠香(九電工)、田中智美(第一生命)もリオ五輪参加標準記録をクリアした。一方、3年ぶりに実施された競歩種目には、同時期の北海道で合宿中の選手が参戦してハイレベルなレースを展開した。北見大会5000m競歩では、1・2位となった鈴木雄介(18分37秒22)と高橋英輝(18分37秒60)が日本新記録を樹立。鈴木は中3日のインターバルで出場した網走大会10000mでも38分10秒23と、立て続けに日本記録を更新した。

    主要競技会:北京世界選手権
  • 2016

    写真提供:陸上競技マガジン
    第14回
    リオ五輪代表選考会である日本選手権の翌週となる7月3日の士別大会で開幕。深川(7日)、網走(11日)、北見(14日)と転戦する4大会で行われた。深川大会では、リオ五輪男子10000m代表の設楽悠太(Honda)がイーブンで走るレースを展開し、13分38秒47で優勝。設楽は、4日後に行われた網走大会10000mにも出場し、日本人トップの27分48秒04(全体2位)でフィニッシュしている。北見大会では、リオ五輪男子5000m・10000mで代表に内定していた大迫傑(Nike ORPJT)が1500mに出場して1200mまで日本新記録ペースでレースを展開。ラスト300mでペースが落ちたものの、その段階で2016年日本リスト2位となる3分40秒49の自己新で優勝を果たした。

    網走大会で男女5000m、北見大会で男女10000mが実施された競歩種目には、リオ五輪に向けて北海道で調整合宿中の競歩ブロックの選手が参加。北見大会10000m競歩では、リオ五輪20km競歩代表の高橋英輝(富士通)が39分29秒03で順当に勝利を収めた。このほかで注目を集めたのは、網走大会女子5000m。横江理沙(豊田自動織機)がこの段階での同年日本最高となる15分18秒11をマークして優勝を果たしてる。網走大会では、男子800mと女子3000mSCでリオ五輪参加標準記録突破を狙うレースが行われ、すでに代表に内定している川元奨(スズキ浜松AC、800m)と高見澤安珠(松山大、3000mSC)がペースメーカーを務めたが、この2人に続く突破者は出なかった。

    主要競技会:リオオリンピック
  • 2017

    第15回
    近年同様に、7月2日~13日に、全4戦が組まれるスケジュール。今回は、士別・深川・北見・網走の順で開催された。ロンドン世界選手権参加標準記録を突破した場合に認められる指定競技会に位置づけられていたことで、日本選手権で3位内の成績を上げた選手たちが、記録の突破を狙って多数参戦したが、異常気象ともいえる猛暑の影響で、全出場者の自己ベスト・シーズンベストの達成率は14.60%と大きく落ち込み、シリーズ全体としては低調な記録にとどまる形となった。なかでも網走大会では最高気温が36.5℃まで上がる酷暑となった。

    やや気温が下がったなかで行われた男子3000mSCで、日本選手権を制していた潰滝大記(富士通)が8分29秒05の自己新記録をマークして参加標準記録を突破し、ロンドン世界選手権出場を決めたが、女子3000mSCの高見澤安珠(松山大)、男子5000mの松枝博輝(富士通)はクリアならず。2017年シリーズ全体の最終種目として行われた男子10000mは、日本選手権上位3選手が出場。大迫傑(Nike ORPJT)が5000mを13分45秒で通過して日本記録更新も期待させる快走を見せたが、高温多湿に苦しみ終盤でペースダウン。27分46秒64でのフィニッシュとなり、参加標準記録突破まで1秒64という、非常に惜しい結果にとどまった。なお、北見大会では、東京オリンピックを見据えて、日本陸連が重点強化種目と据えた男女3000mを実施。上位3選手が7分55秒を切った男子では、3位に入った遠藤日向(住友電工)が7分54秒79のU20日本新記録を樹立。女子は、松﨑璃子(積水化学)が日本歴代2位の8分49秒61をマークして優勝を果たした。

    主要競技会:ロンドン世界選手権
  • 2018

    写真提供:陸上競技マガジン
    第16回
    7月4日~14日の間に組まれた全4大会は、前年と反対に網走・北見・深川・士別の順で開催される日程に。寒さが戻った前半の網走・北見大会とは一変して、後半の深川・士別大会が蒸し暑さに見舞われるなど、短い期間にもかかわらずシリーズとしては不安定なコンディション下で開催された。網走大会では、スピード強化の一環として実施された2000mSCの女子で、藪田裕衣(大塚製薬)が6分30秒68の日本最高をマーク。また、北見大会男子10000m競歩では、松永大介(富士通)が世界記録に約5秒まで迫る世界歴代2位・37分58秒08の日本新記録で優勝。

    2位の池田向希(東洋大)も学生歴代3位の38分40秒04で続き、5月の世界競歩チーム選手権20km競歩金メダル獲得からの好調を印象づけた。深川大会では、6月上旬に現役に復帰した新谷仁美(NIKE TOKYO TC)が女子5000mに出場。15分35秒19をマークして日本人トップの2位でフィニッシュしている。士別大会には、秋のシカゴマラソンに向けたトレーニングに入っていた大迫傑(Nike ORPJT)が2種目に出場。5000mを13分53秒01で走ったあと、約1時間のインターバルで出発した10000mは28分26秒41でフィニッシュして両種目を制し、会場に集まったファンを沸かせた。また、2017年度は実験的に一部大会で行ったライブ配信を、この年から4大会すべてに導入し、各大会で1万回を超える視聴数を得たことで、翌年以降は内容を充実して継続していく方針となった。

    主要競技会:ジャカルタアジア大会
  • 2019

    写真提供:陸上競技マガジン
    第17回
    2011年以降続いていた4大会に、千歳大会が新たに加わって、全5戦での開催が実現。7月6日の千歳大会を初戦として、深川・士別・北見・網走と7月22日までの期間で行われ、5大会制になった影響もあるが、申し込み総数は過去最高の1627人に達した。好記録に沸いたのが北見大会。男女2000mSCで、楠康成(阿見AC、5分31秒82)と藪田裕衣(大塚製薬、6分27秒74)が日本最高記録で優勝。

    藪田は、前年に続く更新となった。また、女子3000mでは田中希実(豊田織機TC)が、日本歴代3位となる8分48秒38の好記録をマークしている。深川大会男子1500mでは日本選手権を制した戸田雅稀(サンベルクス)が日本記録へ挑戦。惜しくも0.48秒届かない3分37秒90でのフィニッシュとなったが会場を大きく盛り上げた。強風のなかで行われた網走大会では、女子5000mで鍋島莉奈(JP日本郵政グループ)が15分24秒10でフィニッシュして、ドーハ世界選手権の参加標準記録突破に成功。また、このシリーズには、大迫傑(Nike)、佐藤悠基(日清食品)、設楽悠太(Honda)、井上大仁(MHPS)などを筆頭に、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナリストが、東京オリンピックマラソン代表の座が懸かる、9月15日の“決戦”に向けたトレーニングの一環として各大会に多数出場。ファンの注目を集めた。IAAF(国際陸連、現ワールドアスレティックス)がワールドランキングポイント制度を導入したことを踏まえ、2019年度からはIAAFポイントを用いての表彰制度を導入。男子は楠康成が、女子は田中希実が、それぞれ初代シリーズチャンピオンに輝いた。

    主要競技会:ドーハ世界選手権
  • 2020

    写真提供:フォート・キシモト
    第18回
    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、東京オリンピックの1年延期、さらには4~6月の国内競技会の中断という異例の事態となったこの年は、このホクレンDCシリーズが、自粛要請期間明け最初の主要競技会として開催された。万全を期した感染拡大防止策をとった上で、士別・深川・網走・千歳での4大会開催が実現、7月4日~18日の期間で行われた。深川大会女子3000mで田中希実(豊田自動織機TC)が8分41秒35の日本新記録を打ち立て、その後の快進撃の第一歩を示したほか、千歳大会男子5000mでは吉居大和(中央大)が13分28秒31のU20日本新記録、石田洸介(東京農大二高)が13分36秒89の高校新記録をマーク。

    また、千歳大会男子3000mSCでは、18歳の三浦龍司(順天堂大)が日本記録に0秒44と迫る歴代2位の8分19秒37の快走を見せ、U20日本記録・学生記録を更新したほか、各種大会の各レースにおいて日本歴代10傑内に浮上する好記録が続出する盛況ぶりとなった。また、各会場は、網走・千歳大会については、北海道在住者に限り200名を最大とする有観客開催が実現したが、前半の士別・深川大会は無観客での実施を余儀なくされた。一方で、すでに2018年から全大会で展開してきたライブ配信を、さらに情報提供や解説に工夫を加えて充実を図って実施したことで、YouTubeチャンネルのアーカイブ視聴総数が45万人を超え、4大会すべてで10万を上回る視聴数を得る結果を得た。

  • 2021

    写真提供:フォート・キシモト
    第19回
    7月3日の士別大会を皮切りに、深川・網走・北見・千歳と、7月17日までの14日間で5大会で開催が実現。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)再拡大の影響で、残念ながら全大会が無観客での開催を余儀なくされたが、前年同様、ターゲットナンバー制を採ったにもかかわらず申し込み総数は1578名(過去2番目)にのぼる盛況ぶり。また、好記録も続出して活況を呈した。網走大会女子3000mでは東京五輪1500m・5000m代表の田中希実(豊田自動織機TC)が8分40秒84をマークして、前年に樹立した日本記録を更新。

    さらに千歳大会では1500mに出場して、自身の持つ日本記録を塗り替える4分04秒08をマークしてオレゴン世界選手権の参加標準記録を突破するとともに、東京五輪への大活躍へと繋げた。このほか、女子では網走大会10000mで小林成美(名城大)が31分22秒34の学生新記録を樹立するとともに、世界選手権参加標準記録突破者に。また、田中が日本新を樹立した千歳大会女子1500mでは、3位でフィニッシュした道下美規(立教大)も4分12秒72の学生新記録をマークしている。一方、男子は千歳大会の中距離種目で活況を呈した。1500mでは日本選手権を制していた河村一輝(トーエネック)が、オレゴン世界選手権参加標準記録まで0秒42と迫る3分35秒42の日本新記録で優勝、2位には高校生の佐藤圭汰(洛南高)が日本歴代3位の3分37秒18で続き、U20日本記録・U18日本記録・高校記録を塗り替えた。また、大接戦が演じられた男子800mでは、急成長を遂げていた源裕貴(環太平洋大)が1分45秒75の日本タイ記録で優勝。2014年にその日本記録を樹立している川元奨(スズキ)がセカンドベストの1分45秒83で続き、3位でフィニッシュした金子魅玖人(中央大)も日本歴代3位となる1分45秒85をマークした。

    主要競技会:東京オリンピック
  • 2022

    写真提供:フォート・キシモト
    第22回
    2003年から続くホクレンDCシリーズも20周年を迎えた。レギュラーシリーズの5大会に20周年記念大会を加えた全6大会を開催。そして、新型コロナウィルス感染症の対策を徹底した上で、2年ぶりの有観客試合を実施することができた。記念大会を含め、本シリーズ内では日本新記録1、日本学生新記録1、T12アジア新記録1が誕生した。記念大会女子1000mでは、田中希実(豊田自動織機)が2分37秒33をマークし日本記録を樹立。田中は2020大会からDCシリーズ3期連続で日本記録更新の快挙を達成した(2020大会3000m/2021大会1500m・3000m)。北見大会女子3000mでは山本有真(名城大)が8分52秒19をマークし学生新記録を樹立。また、T12女子5000mでは東京パラリンピック女子マラソン金メダリストの道下美里(三井住友海上)が18分21秒75をマークしアジア新記録・日本新記録を樹立。

    このほか、記念大会男子1500mでは、ラスト300m地点で荒井七海(Honda)が抜け出し、日本歴代3位となる3分36秒63の自己ベストを更新しての優勝となった。さらに、荒井は北見大会男子3000mにおいても日本歴代5位の7分48秒50で優勝した。北見大会女子3000mでは、日本人トップの後藤夢(豊田自動織機)が日本歴代6位となる8分49秒65をマーク。千歳大会女子600mでは、日本選手権女子800m優勝の塩見綾乃(岩谷産業)が1分28秒06のDCシリーズ新記録で優勝した。また、今シリーズでは、ライブ配信のチャット上で、「PB(自己ベスト)祭り」という言葉が多く飛び交う特徴が見られた。シリーズを通して400人以上の選手がPB更新もしくはシーズンベストを更新する状況となり、シリーズ全体でのPB更新率は2020年大会に次ぐ31.1%となった。

    主要競技会:オレゴン世界選手権

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