【第103回日本選手権】総括会見
4日間の日程で行われた第103回日本選手権は、6月30日に無事に閉幕しました。日本陸連は、大会終了後に、尾縣貢専務理事および麻場一徳強化委員長による大会の総括会見を行いました。
会見の要旨は下記の通りです。
尾縣貢専務理事
この4日間、なかなかお日様にも恵まれず、本当に蒸し暑い日が続いた。今回は特に、この競技場に足を運んでくださった観客の皆さんに感謝したい。本当に、いい雰囲気をつくっていただいた。なかでも印象に残っているのは、男子100m決勝の前の大声援、そして、スタート前の静寂、そしてレースが始まってからの大声援。陸上競技の醍醐味である“静と動”を、観客に皆さんがつくり上げてくださった。そういった雰囲気のなか、選手たちは、しっかりと競技をしてくれた。
(「ナンバーワンしかいらない」という大会キャッチフレーズにもあるように)「1番しかいらない」にということで、日本選手権はトップを狙う大会であり、今回はドーハ世界選手権での予選会でもある。そして、もう1つは、来年の夏に迫った東京オリンピックに向けて、本当に大切なステージといえる。もうあと1年しかないが、競技力を最大化する上で、いろいろなチェックが行われ、そして現状が把握され、課題点が明確にされたと思う。今後、強化委員会を中心に、1年間で今の競技力を最大化する取り組みをしていってくれるものと思っている。詳細については、麻場強化委員長から申し上げる。
麻場一徳強化委員長
天気が悪くて残念であったが、そのなかでも観客の皆さんには、本当にたくさん集まっていただいた。私としては、それが非常に感慨深い出来事だった。また、東京オリンピックを1年後に控えるなか、ここへ来て選手たちのパフォーマンスが上がっていることを、この日本選手権で見てとることができた。それは大きな収穫だったと思う。
2019年は、東京オリンピックが行われる来年に向けて、とても大切なシーズンとなる。そのなかでも一番大きな大会が、9月末から10月にかけて行われるドーハでの世界選手権。今回、世界選手権の内定を決めたのは9種目で8名(100m・200m:サニブラウン・アブデルハキーム、110mH:高山峻野、400mH:安部孝駿、走高跳:戸邉直人、走幅跳:橋岡優輝、5000m:木村友香、100mH:木村文子、やり投:北口榛花)となった。この大会に先立ち、別に行われた10000mと混成競技で鍋島莉奈選手と右代啓祐選手が内定しているので、トラック&フィールド種目としては内定者10名。これに、マラソンが男子3名、女子3名、20km競歩が男子3名、女子2名、50km競歩は男子3名、女子1名がすでに内定しており、合計で25名となる。
このほか、参加標準記録を突破しながら内定に至らなかった選手が15名ほどいて、日本代表のマックスが1種目3名、これにリレー種目の代表を含めると、最終的には50名近い選手団になるのではないかと思う。
(4月にドーハで開催された)アジア選手権のとき、女子は長距離種目以外は元気がないという総括もしたが、今回、やり投で素晴らしいパフォーマンスを見せた北口榛花選手(日本大)や、100mHで世界選手権代表に内定した木村文子選手(エディオン)といったように、女子選手もだんだん元気が出てきている。特に、この大会では、高校生など若い力も台頭してきて、少しずつではあるが、来年に向けていい兆しが出ているのではないかと感じた。
いずれにしても、9月までにしっかり準備して、世界選手権をいい形で戦って、来年につなげられるようにしたい。
日本陸連では、日本選手権終了時点でドーハ世界選手権代表に内定した競技者の記者会見を、7月1日に行います。当日は、午前13時から、会見の模様をライブ配信する予定。これらに関する詳細は、日本陸連公式サイトをご参照ください。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)