English

2011年 8月27日 〜 4日

テグ(韓国)

関連大会情報

前回大会情報

大会ハイライト

大会TOP

テグ世界選手権 Day7 9月2日(金) (メディアチーム:児玉育美)

髙平・齋藤,準決勝進出

高平_佐藤  大会7日目のモーニングセッションには,男子200m予選に髙平慎士(富士通),齋藤仁志(サンメッセ),小林雄一(法政大)の3選手と,女子ハンマー投予選に綾真澄(丸善工業)が出場した。
 男子200mの準決勝進出条件は7組3着+3。予選3組目に出場した小林は21秒27(-1.1m)で7着に終わったが,4組目を走った髙平(20秒87,-1.1m)が2着で,5組目に入った齋藤(20秒80,-0.8m)は3着でそれぞれ通過。ともに同日夜に行われる準決勝への進出を果たした。髙平は3大会連続の初戦突破となるが,これまで二次予選が実施されていたため,準決勝進出は今回が初めて。前回初出場で予選敗退に終わった齋藤も初の予選突破となった。世界選手権男子200mで日本選手2人が準決勝に進むのは,2001年エドモントン大会での末續慎吾・藤本俊之以来,2回目である。
 A・B2つのグループに分かれて行われた女子ハンマー投予選のグループBに出場した綾は,1回目に60m14をマークし,2回目には64m09と記録を伸ばすが,3回目はネットに当ててファウル。グループ15位,トータル27位にとどまった。
選手コメント
■小林雄一(法政大)
「前半の走りは悪いものではなかったが,普段いないところ(自分の前)に選手がいたので硬くなってしまった。タイムで考えると,ベストを出していたら1着で通過できたわけだが,そんなに簡単なものではないということを痛感した。序盤は“この位置なら着取りで行けるんじゃないか”という希望もあったのだが,ラストは体力的にきつかった」
■髙平慎士(富士通)
「ファイナルを目標にしてやってきたので,ここ(準決勝進出)まで来たのは遅いくらい。(通過して)よっしゃという感じはない。走り自体には余裕があった。本当は,予選では日本選手権(のとき)みたいな感じで,後半まくる(追い上げる)というレースを考えていた。強豪にまみれたなかで,どれだけ自分の力を信じられるかということをやりたかったのだが,(レース全体のスピードが)予想外に遅かった。準決勝は行くしかないなと思っている。少し緊張していたので,それが解けてよかった」
■齋藤仁志(サンメッセ)
「ゴールしたときは(通るか落ちるかの)ライン上かなと思ったが,(観客席で)江里口(匡史)がはしゃいでいたので“通ったんだな”と。コーナーで(他選手に)前に出られると思ったので,ラストの100mを力まないように意識した。いつか世界の決勝という舞台も考えているので,準決勝でどう戦えるか。今の自分の世界での位置も見えると思うので,おろそかにしないよう,楽しんできたい」
■綾真澄(丸善工業)
「(ファウルした)3回目は入りのタイミングがずれ,方向性がずれてしまった。2回目でターンのスピードが上がっていたし,感覚としては65~66mくらいは行きそうな感じだった。いい状態に仕上げることはできていたが,調子がよくて身体が動いてくれるぶん,それをコントロールすることが難しかった。それでも世界大会での自己最高記録を上回れたので,そこは進歩していると思う」

海老原,あと一歩の9位

海老原  スタジアムがほぼ満席に近い状況に埋まり,盛り上がりも大きかったこの日のイブニングセッション。日本勢はまず,前日の予選で初の世界大会初戦突破を果たした海老原有希(スズキ浜松AC)が,女子やり投決勝に出場,ベストエイト入りを狙って挑んだ。試技順5番目の海老原は,1回目を59m08でスタートしたが,2回目は58m39と記録を伸ばすことができない。3回目も57m96にとどまり,その段階で8位。あとがない状態で,残りの選手の結果を待つ形となった。最終的に,それまで下位にいたスロベニアの選手が海老原の記録を上回り,海老原は8位とわずか19cmの差で9位。ベストエイト進出を逃した。
 男子200m準決勝は,3組上位2着+2の進出条件で行われ,午前の予選を通過した齋藤と髙平は,それぞれ2組目,3組目に登場した。世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)と同じ組となった齋藤は,向かい風1.0mのなか21秒17で6着。3組8レーンに入った髙平も20秒90(-0.7m)で6着にとどまり,2003年パリ大会の末續慎吾(銅メダルを獲得)に続く,日本勢2人目の決勝進出はならなかった。
 女子5000m決勝には,大会4日目(8月30日)の予選を通過した新谷仁美(佐倉アスリート倶楽部)が出場した。新谷は,スタート直後は先頭でレースを引っ張る場面もあったが,すぐに後続に吸収されたのち,2800m以降は遅れる展開に。最終的に15分41秒67,13位でフィニッシュした。
選手コメント
■海老原有希(スズキ浜松AC)
「59mではダメ。それを予選でも決勝でも痛感させられた。どこにいっても60mという壁が存在するので、いち早く超えて、またこういう舞台に立ちたい。決勝では日本記録(61m56=自身が昨年のアジア大会で樹立)近くの61m50は投げなければベストエイトには残れないと考えていたので、59mではどうしようもないと思っていた。
(決勝記録となった)1回目も投げとしてはよかったわけではない。59mを投げたところで2投目をもっと行こうと思った気持ちが焦りにつながった。初めて決勝の舞台に立てたことはうれしいが,やっぱりもうひとつ先,初の入賞に届きたかった。。
「(9位だったが)世界で9番目と言える結果ではない。決勝の舞台に立てたことを今後のよい経験にしたい」。
■齋藤仁志(サンメッセ)
「すさまじい。スピードが違った。外側(のレーンの選手)に行かれるはと思っていたので,“自分のレースを”と思っていたのだが,どうしても(ボルトが)視界に入ってくるので硬くなってしまった。ただ,ここで走って,自分と彼との差を再確認できた。まだまだ力を抜いていてこの差,このままじゃいけないと思ったし,次につなげていかなければならないと思った。予選に比べると,コンディションは格段と悪かったので,タイムももう一つだったが,それでも海外の選手はあんなタイムで行ってしまう。力の差を感じたし,どんなコンディションでもA標準を突破していかないと戦えないということを改めて感じた」
■髙平慎士(富士通)
「もう一言,“悔しい”だけ。組み合わせは,どこに入っても同じだと思っていた。1着はどの組も確定しているといえる状態。つまり“1着+2”で考えなきゃいけないなかで3~4人が20秒5台で(決勝に)残っているので,(自分がそこに入ることは)可能な範囲内であるだけに,すごく悔しい。ただ,こういうなかで,底力を見せられるかどうかが,(決勝に進める)8人の力なのかもしれない。100分の1秒でも1000分の1秒でも負けは負け。これからやり直さなければいけないと思うが,準決勝から決勝に行くためには,準決勝でシードレーンをとっていなければならない。そういう意味では予選でトップをとるつもりでいかないと8人には入れないと痛感した。
 今回は,藤本(俊之)さんと末續(慎吾)さんが残って以来の世界選手権での準決勝2人進出。シドニー(オリンピック)でも末續さんと伊東浩司さんが残っている。名前負けするかもしれないが,複数でスプリントの準決勝に残れると証明できたことは,次につながると思うし,リレーにとってもすごくいい方向だと思う」
■新谷仁美(佐倉アスリート倶楽部)
「スタートしてスローペースになったのがわかったので,1周でも日本の国旗が見せられるようにしようと,後半のことやペースを考えずに前に出た。終わってみれば,中盤以降はもっと粘れたんじゃないかという反省もあるが,結果はどうあれ,前半を自分のペースで引っ張っていくという形をとれたので満足している」

男子マラソン会見行われる

男子マラソン  この日の午後には,最終日に行われる男子マラソンの日本代表事前会見が,テグ市内で行われた。会見には,レースに出場する北岡幸浩(NTN),川内優輝(埼玉県庁),堀端宏行(旭化成),尾田賢典(トヨタ自動車),中本健太郎(安川電機)の5選手のほか,河野匡日本代表選手団ヘッドコーチ,坂口泰男子マラソンヘッドコーチが登壇。今大会の目標や展望,レースに向けての仕上がり状況などについてをコメントした。  男子マラソンは,大会最終日の9月4日午前9時から,テグ市内の周回コースを用いて行われる。
写真提供:フォート・キシモト