第100回日本選手権 前日会見(山縣亮太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥、福島千里)
リオデジャネイロオリンピック代表選考会を兼ねて開催される第100回日本選手権の前日会見が6月23日夕刻、大会会場となるパロマ瑞穂スタジアム(愛知県名古屋市)で行われました。会見には男子100mに出場する山縣亮太選手(セイコー)、桐生祥秀選手(東洋大)、ケンブリッジ飛鳥選手(ドーム)と、女子100m・200mに出場する福島千里選手(北海道ハイテクAC)が出席。大会を翌日に控えての心境や体調、レースに向けての抱負を語りました。
大会は、6月24日~26日の3日間で行われ、7種目の決勝が実施される初日の24日は、14時20時より競技が開始されます。山縣選手、桐生選手、ケンブリッジ選手が出場する男子100mの決勝は2日目に行われますが、初日に準決勝まで行われ、16時15分から予選が、20時28分から準決勝がスタート。2種目にエントリーしている福島選手は、大会初日は19時23分から始まる女子100mに出場します。
【各選手コメント(記載は登壇順)】
■ケンブリッジ飛鳥選手(ドーム)
大事な大会なので、優勝してリオの切符を手に入れたい。
この大会に向けては、(10秒10をマークした)東日本実業団以降も、流れはこれまでと変えていない。課題のスタートだけでなく、後半もしっかり走れるようにするために、上体に力が入るクセをなくし、できるだけリラックスした状態でトップスピードに乗れるようにすることを意識したトレーニングをやってきた。体調はいいので、明日から楽しみ。
9秒台を出して優勝するというのが最大の目標ではあるが、今回は、タイムは意識せず、勝ちにこだわっていきたい。同世代の桐生選手や山縣選手は、目標する、勝ちたいと思う選手だった。これまでなかなか勝てなかったので、今回はちゃんと勝てればいいなと思う。前半がすごく苦手だが、しっかり(前半を)出て、自分の持ち味である後半(の走り)を生かすことができれば、チャンスはあると思っている。
■福島千里選手(北海道ハイテクAC)
6月初めにヨーロッパへ行き、無事にレースを走ることができた。春先、出場しようと思っていた試合にすべて出ることができなかったが、今は、その不安や違和感も解消できている。また、春先(のレースに)出られなかったからといって、冬季練習でやってきたこと全てが失われたわけではない。長い間、準備してきたものがあるので、しっかり日本選手権に臨みたいと思う。
今シーズンに入ってからは、冬季練習だけでなく昨シーズンの試合や昨年の冬季練習なども含めて、オリンピックに向けて準備してきたこれまでの成果を出せないことに対して不安もあったし、大丈夫かなと思うこともあった。しかし、それと同じくらいに、自分自身の身体や、(自分がやってきた)トレーニングも信頼していた。また、私を支えてくれている方々が、(春先の状況に)誰一人として焦っていなかったことにも助けられた。そういう人たちと一緒だったから、ここまで持ってこられたのかなと思っている。
日本選手権の目標は、まずはオリンピックの代表になれるよう頑張ること。納得のいくレースができたらいいな…、いえ、できるようにします。
■桐生祥秀選手(東洋大)
(ここまで)試合が続いているが、いい感じで来ていると思う。日本選手権はここぞという勝負のとき。もちろん優勝を狙って走りたい。これまで自分の持ち味は中盤のところだったが、それに加えて(10秒01が出た)日本学生個人選手権では、後半のイメージをよくするような走りを初めて試して、それがけっこううまくいった。明日は中盤から後半にかけて、しっかりと自分のレースをしたい。
今のところ、いつもと同じで、あまり感じはわからないが、(レースのある)明日、明後日になれば、オリンピックがかかっているとなると気持ちが入ると思う。それを緊張とかじゃなく、自分の気持ちを高めていく方向に持っていきたい。
レースの想像はあまりしていない。いつもだとスタートがどうとか、ごちゃごちゃ考えていたが、日本選手権はそんな考えている大会じゃない。自分の持っている力をどれだけ発揮できるかという大会なので、何も考えないで思いきり走って、それに自分の走りが出てきたらいいなという感じでいる。
――今季、山縣選手に2大会で先着されているが?
日本で走っていて、最後に競り負けるということはあまりなかったが、初めて鳥取(布勢スプリント)で、中盤から(山縣選手が)並んだのに気づいて硬くなってしまった。でも、それがあったから日本学生個人選手権までに自分の走りを見直すことができた。しかも、夏に向けて調子も上がってきているので、いいと思う。
――ライバルたちをどう思うか?
一番最初にゴールした人が1番。中間(が速い)とか後半(が速い)とかあると思うが、1番にゴールを駆け抜けるのが自分だったらいいなと思っていて、それを自分にしようと考えている。みんな調子がいいにしても、僕も調子はいい。みんなが調子のいいなかで明日のレースを迎えたい。
■山縣亮太選手(セイコー)
ケガもなく、自己ベストを出して臨める初めての日本選手権。そういう意味では独特の緊張感もあるし、ワクワクしている、期待をしている部分もある。(自己ベストの10秒08を出した)布勢スプリントのあとは、スタートを安定させることと、手応えをつかんでいた中盤の加速力にさらに磨きをかけるような質の高いトレーニングを積んで調整してきた。
100回目の記念すべき日本選手権に、調子がいい状態で臨めることをすごく嬉しく思う。これだけの条件や雰囲気は、望んでも手に入らないものだと思うので、そのチャンスを生かして自分のなかでいい試合にしたいし、優勝してリオ五輪の代表になりたいという思いが強い。オリンピックは出られたら2回目になるが、心も身体もひと回り成長していると考えている。まずは五輪の出場権を獲得して、リオ五輪では4年前よりもいい結果を出すことを達成したい。
――桐生選手が10秒01をマークしたとき、どう感じたか?
わあ、すごいなと思った。9秒台が注目されているなかでの10秒01。僕自身もすごく刺激を受けたし、その記録を日本選手権で超えていきたいなと強く思った。
――「打倒、桐生」のイメージは?
桐生選手はしっかり走ってくると思うが、僕ができるのは、ありきたりだが自分の走りに集中すること。身体と精神面の両方でコンディショニングして、自分のレースが最後までできれば、おのずと結果はついてくると考えている。
(文:児玉育美/JAAFメディアチーム)
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第100回日本陸上競技選手権大会は6月24日~26日の3日間、名古屋市パロマ瑞穂スタジアムで開催。
リオデジャネイロ五輪代表選手選考競技会を兼ねた本大会をぜひスタジアムでご覧ください!
<第100回日本陸上競技選手権大会チケット情報> #100日本陸上
http://www.jaaf.or.jp/jch/100/ticket.html