100th JAPAN NATIONAL CHAMPIONSHIPS

News

トップページNews > 【日本選手権混成】 中村が自己記録大幅更新し、リオ五輪内定! ヘンプヒル、日本歴代2位で2連覇。

NEWS 2016.06.13

【日本選手権混成】 中村が自己記録大幅更新し、リオ五輪内定! ヘンプヒル、日本歴代2位で2連覇。

 
 リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねて、長野市営陸上競技場において開催されていた第100回日本選手権混成競技は、6月12日、第2日の競技が行われました。

 

■中村選手、8180点で初優勝!トラック&フィールド種目のリオ五輪代表内定第1号に
 男子十種競技は、初日で十種競技前半5種目の日本最高となる4278点を獲得していた中村明彦選手(スズキ浜松AC)が、110mHで14秒12(+2.1)の記録で種目別優勝を果たすと、円盤投で35m58、棒高跳で4m90、やり投で54m18をそれぞれマークして、最終種目の1500mを4分16秒30で走り切り、8180点を獲得。日本歴代2位でもある自己記録の8043点を大幅に更新して日本選手権初優勝を果たすとともに、リオデジャネイロ五輪参加標準記録の8100点を突破。リオデジャネイロ五輪代表に内定しました。

 

■ヘンプヒル選手、日本歴代2位の5882点で2連覇
 女子七種競技は、首位で折り返したヘンプヒル恵選手(中央大)が走幅跳(5m95、+0.5)で2番手の桐山智衣選手(モンテローザ、6m06、+1.4)に8点差まで迫られたものの、6種目めのやり投で47m84を投げて差を広げました。2分10秒96をマークすれば日本新記録(5963点)という状況のなか行われた800mは、序盤から積極的に飛ばし、2分16秒63でフィニッシュ。日本記録更新はなりませんでしたが、日本歴代2位、日本学生新記録となる5882点をマークして、2連覇を達成しました。
5597点で2位となった桐山選手も自己新記録。また、高校2年生の大野優衣選手(白梅学園高)が高校歴代6位、高2最高記録となる5261点で6位に食い込む健闘をみせました。
 このほか、6種目めのやり投では、西村莉子選手(武庫川女子大)が、七種でのやり投日本最高を更新する54m47の好記録をマークしています(5460点で4位)

 

■日本ジュニア選手権は久家選手とシュレスタ選手が制す
 日本ジュニア選手権男子十種競技は、初日を2位で折り返した八種競技高校記録保持者(6093点、2015年)の田上駿選手(順天堂大)が110mHで久家俊希選手(筑波大)を逆転、円盤投では種目別優勝となる37m15をマークしていましたが、棒高跳で記録なしとなってしまいました(田上選手は、やり投以降を途中棄権)。一方、110mHを14秒59(+1.0)、円盤投で30m00、棒高跳も4m00と着実に得点を重ねていた久家選手は、再びそこで首位に立ち、1500mを4分44秒08でフィニッシュ。7056点で優勝しました。

konsei-Jrm

 

 女子七種競技は、初日でリードを奪ったシュレスタまや選手(東大阪大敬愛高、前半3171点)を、54点差で続いた上田紗弥花選手(敦賀気比高)が追い上げていく展開となりました。上田選手は、5種目め・6種目めの走幅跳とやり投で種目別優勝となる5m42(-0.8)と41m63をマークし、シュレスタ選手に43点差まで迫りましたが、800mを2分19秒91で走ったシュレスタ選手が上田選手(2分21秒29)を突き放し、前年に続き選手権を獲得しました。シュレスタ選手の優勝記録5361点は高校歴代3位、上田選手の5299点も高校歴代4位となる好記録。U20世界選手権の参加標準記録5300点も上回りました。

konsei-Jrw

 
 

【優勝者コメント】
男子十種競技
中村明彦(スズキ浜松AC) 8180点=リオデジャネイロ五輪参加標準記録突破

「この3カ月くらい本当に苦しい時期だったが、こうして無事に標準記録を突破して、この場で内定をいただけて、本当によかったなと思っている。10種目を通して悪いところが本当に少なくて、ベストこそ少ないが、ベストに近いところで、少しずつこつこつと積み重ねる自分のスタイルの十種競技を、この大事な舞台ですることができた。
ここまで、国際試合に出場したり、出場(権を獲得したり)するに当たって、“あと1歩記録が届かなくてメダルが獲れなかった”“あと1歩で世界選手権に出られたのに”“あと少しで標準記録に届いたのに”ということが本当に多かったので、こうして(日本選手権という)一番の舞台で、目標にしていた記録を突破して、オリンピック出場につなげることができたというのは、少しは成長したということなのかなと思う。
国際舞台での8000点というのが、自分の一つの目標でもあるので、次は、リオデジャネイロオリンピックで8000点を取ること、また、海外の試合で、十種競技の内訳で少しでもベストが出せるようにすることを目指したい。そして、去年の世界選手権では1500mで1つ見せ場がつくれたので、リオでももちろんそこで見せ場をつくることと、ほかに何かもう1つ見せ場をつくって、世界の十種競技の選手やファンの皆さんに、“日本にはこんな十種競技の選手がいるんだぞ”というのを見てもらいたいなと思う。」

 

女子七種競技
ヘンプヒル恵(中央大) 5882点=日本学生新記録

「優勝は確実にしなければいけないと思っていたので、連覇を達成できたことはすごく嬉しい。後半の3種目は調子がよかったので、(目標とする6000点や日本記録更新に向けて)できる範囲で追い上げていったのだが(達成できず)、6000点とか日本記録というのはそんなに簡単に出せるものではないなということを実感した。
今回の反省点は、1日目で出だし(100mH)がよかったのに、2種目め、3種目めとだんだん下がっていってしまったこと。特に200mは最近走れていたので最低でも24秒5台は出したいと思っていたのだが、アップ不足であったのと、天候の変化に耐えられなかった。そういう力がなかったことが、この結果につながったのかなと思う。逆に、混成のなかで、自分の得意種目である100mHで自己ベストを出せたことは評価していいと思う。
今回は、前半の4種目でボロが出たところがあったので、そういうミスをしないで確実に1つ1つつないでいくのが大切なのだなというのをすごく感じた。今後は、まずはそこをなくすことが1つ。あとは、そこからどれだけ自己ベストを出していけるか。そこが6000点に向けての課題だと思う。」

 

ジュニア十種競技
久家俊希(筑波大) 7056点

「目標は7200点で、世界ジュニアの標準を突破することを考えていた。結果としては届かなかったが、内容も悪くなかったし、10種目終えて(試合を)楽しめたので後悔はない。目標に届かなかった要因はスプリント練習が足りなかったこと。大学に入って(八種競技にはなかった)円盤投や棒高跳の練習を優先したので、不足してしまった。得意の走高跳も練習不足。まだまだ行けると思う。将来は右代(啓祐)さんのようなパワー系で得点していける選手になりたい。次に目指すのは、シニア(規格)での7000点越え。シニアでも今日の記録以上が出せるように、また、一から頑張りたい。」

 

ジュニア七種競技
シュレスタまや(東大阪大敬愛高) 5361点

「5300点(U20世界選手権の参加標準記録)を突破したいと思っていたので、上回れたことは素直に嬉しい。100mHは自己ベスト。アップでいい感じだったのと風がよかったので出せるかなと思っていた。このほかではやり投が七種でのベストだった。やり投は今季に入って伸びてきていた、今まで混成ではずっと37mくらいだったのだが、40(m)飛ぶようになって、変わってきたなと思う。また、短い距離も走れるようになっていて、スピードが戻ってきた感覚がある。
(6種目終えた段階で)800mを2分17秒02で走れば5400点に届くことがわかり、自己ベスト(2分17秒51)を更新すれば、5400点台に行けるかもと考えていたが、600m付近で力んでしまいラストは脚が動かなかった。インターハイでは高校記録を出せるよう頑張りたい。」

 

(文:児玉育美/JAAFメディアチーム)

 

**********
第100回日本陸上競技選手権大会は6月24日~26日の3日間、名古屋市パロマ瑞穂スタジアムで開催。

リオデジャネイロ五輪代表選手選考競技会を兼ねた本大会をぜひスタジアムでご覧ください!

 

<第100回日本陸上競技選手権大会チケット情報>  #100日本陸上

http://www.jaaf.or.jp/jch/100/ticket.html

 

 

 

写真提供:フォート・キシモト