日本陸上競技連盟公式サイト

「ブダペスト2023世界陸上競技選手権大会」開幕を8月19日に控えて、日本陸連は2日前の8月17日に、会場となるブダペスト市内において事前会見を行いました。

2部構成で実施された会見には、第1部は男子100ｍ、4×100ｍリレー代表の坂井隆一郎選手（大阪ガス）、栁田大輝選手（東洋大学）、サニブラウンアブデルハキーム選手（東レ）の3名が登壇。第2部は泉谷駿介選手（住友電工、男子110ｍハードル）、三浦龍司選手（順天堂大学、男子3000ｍ障害物）、田中希実選手（New Balance、女子1500ｍ、5000ｍ）の3名が出席し、ここまでのトレーニングの状況や本番に向けての抱負を、それぞれ語りました。

第2部に登壇した3選手のコメントは、以下の通りです。

■泉谷駿介選手（住友電工：男子110ｍハードル）

試合が近づくにつれて、だんだんと気持ちが入ってきていて、気持ちも上がってきている。その状態を維持しながらしっかりとやっていきたい。

メインの練習は日本でやってきている。ブダペストに入ってからは調整がメイン。1台目へのアプローチやインターバルの刻み、踏み切りの方向などを確認して調整していければと思っている。試合を1本1本重ねるごとに調子がどんどん上がってきているのを感じている。その中でも練習の量も積んで、質も高めて、この大会に向けてピーキングができていると思っている。

決勝進出が第一目標。準決勝からしっかりと気持ちを入れてがんばりたい。決勝に残ったら残り1本、集中して、自分の走りをしたい。試合によって課題が違うので、予選を走って課題を見つけて、それを克服していくことが大事だと思っている。ダイヤモンドリーグを2戦走って、海外のトップ選手たちと競って、いいレースをすることができた。それを再現できればいい。

去年のオレゴン世界選手権の時よりもいい経験ができている。去年とは違うぞ、というところを見せたい。今年で一番大きな大会。決勝に残って、その景色を見て来年のパリ五輪につなげていければと思っている。

■三浦龍司選手（順天堂大学：男子3000ｍ障害物）

ブダペストには5日前に入ったが、やっと生活や雰囲気にも慣れてきた。一昨日、ポイント練習としてペース走を軽く行って、移動の反動などいろいろなことを確認した。残り2日でできることは限られているが、あとはベストのパフォーマンスが発揮できる状態にもっていくだけ。練習内容としてはこれまでと変わりはないが、高地で合宿をするなど環境を少し変えてやってきた。その成果が出ればと思っている。

昨年のオレゴン世界選手権は予選突破をしたいと言っていたが、それが悔しくもできなかった。今年は決勝に行って、世界のトップレベルの人たちと競い合いたいので、まずは予選突破が大きな目標になる。

昨年の経験からすると、おそらく前半、中盤は落ち着いたレース運びになって、最後の1000ｍからのふるい落としになると思っている。そのタイミングで積極的にいけなかったことが昨年の敗因。そこで怖気づくことなく、自信を持って前に出ることが必要、そこが決勝に進むための大きなカギになる。ある程度の手応えを持って、自信を持って予選に臨めるということころが、昨年とは違うところだと思う。

海外遠征では、日常生活から国内と違う環境に身を置くことで、いろいろなストレスがかかってくるが、経験を重ねればそういったことに対応が早くなったり、いい意味での慣れが出てくることが利点。よりフレッシュな状態で大会に臨めるようになりやすくなるという点で、海外で経験を積むことが生かされてくる。

世界選手権は重要な大会で、来年はすごく意識しているパリ五輪がある。そこにつなげたいという思いがこの大会にはある。

■田中希実選手（New Balance：女子1500ｍ、5000ｍ）

ブダペストはきれいな街と聞いていたが本当にすごく好きな雰囲気。練習そのものよりも普段の生活をすごく楽しめている。

国内で重要な練習はほとんど終えてきているので、ブダペストに入ってからは、気負うようなトレーニングというよりは調整に徹するだけ。今日あたりに刺激を入れて、あとは明後日に向けて疲れをとっていく流れになる。一つひとつの練習にこだわり抜いて、1本1本世界を意識しながら練習をこなすということを続けてきた。そこを越えて今、ピーキングの時期に入っている。シンプルだが、そこが今回取り組んできたこと。

まだレース展開、どう走るかは練っている最中。最初から自分が引っ張るか、自信を持っているラスト勝負に徹するか。どちらもしっかりと鍛えてきた。どちらのレースになってもしっかりと対応できればいけるはずと信じたい。とにかく両種目とも決勝に残りさえすれば、あとは楽しむだけ。そこで無心で走れば結果もついてくると思っている。決勝に残るまでのところが勝負。

これまで、国際大会の経験をたくさん積むことができたが、ここまで気負ってしまう世界選手権は初めて。力がついたぶん、逆に今までの「チャレンジャーとしての国際大会」とは違って、「やらなければ」という部分が強く出ているという初めての心境。メンタルをどう整えていくか。今までの経験をどう生かすかというより、新しい世界陸上に対する気持ちを学びたい。

来年のパリ五輪、その先の東京世界選手権に向けて、私はまだ世界的には「東京五輪でたまたま決勝に残れた選手」という位置づけ。世界レベルの選手だ、と各国の選手に認めてもらえるよう、世界の仲間入りをするために重要な大会だと思っている。


※コメントは、記者会見における各競技者の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施しています。

写真：フォート・キシモト
文：JAAFメディアチーム

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「リレフェス」はあの東京五輪の舞台“国立競技場”で開催する、誰でも気軽に参加できるリレーイベントです。
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全16種目のリレーで、スポーツの垣根を越えて、子どもからお年寄りまでみんなが笑顔でつながります。

開催日：2023年10月7日（土）、8日（日）
開催地：国立競技場
大会特設サイト：https://www.jaaf.or.jp/relayfes/
参加申込：https://www.jaaf.or.jp/relayfes/2023/about/unofficial.html