■髙橋、常にレースを主導して、初のオリンピック代表内定に
前日の悪天候から一転、穏やかな快晴となったこの日、男子20kmは、気温8.5℃、湿度52%、西の風0.1m(午前10時の気象状況)と、絶好のコンディションのなかスタートした。世界記録保持者(1時間16分36秒)の鈴木雄介(富士通)は、故障からの回復が遅れて欠場したが、髙橋と松永大介(東洋大学)がスタート直後から交互に前へ出て、そこへ藤澤勇(ALSOK)がぴたりとつきハイペースを刻んでいく。これによって先頭は大集団になることなく縦長になった。
5kmはこの3人が19分31秒で通過、19分33秒で西塔拓己(愛知製鋼)、19分34秒で丸尾知司(和歌山県教育庁)が続いたが、その後、先頭3人と後続との距離はじりじりと開いていく。先頭3人が38分51秒で通過した10kmでは、4番手の西塔との差は27秒に広がった。トップ集団の1kmごとのラップには3秒前後の変動があることから、3選手が微妙な駆け引きをしながらレースを展開している様子がうかがえる。西風が少し出てきた11km手前あたりで藤澤がいったん遅れたが、13kmで再び追いつき、その後も3人のマッチレースが続いた。
2回の警告が出た松永が16㎞あたりでペースダウンを余儀なくされたことで、優勝争いは髙橋と藤澤の2人に絞られたが、16㎞から17㎞の1㎞でレースが動いた。一時は4分台に落ちていたラップを髙橋が3分52秒に引き上げて藤澤を突き放すと、そのまま逃げ切って1時間18分26秒でフィニッシュ。昨年のこの大会でマークした自己記録(1時間18分03秒=当時日本新)の更新はならなかったが、オリンピック内定を手に入れた。2位の藤澤も最後までよく粘り、初めて1時間18分台に突入する1時間18分45秒でフィニッシュした。続いて3位に食い込んだのは50㎞で代表入りを目指す荒井広宙(自衛隊体育学校、北京世界選手権50km競歩4位)。自身初の1時間20分切りとなる1時間19分54秒の自己新をマークし、20kmでの派遣設定記録も突破した。
このレースには50㎞ですでに代表に内定している谷井孝行(自衛隊体育学校、北京世界選手権男子50km競歩銅メダリスト)と森岡紘一朗(富士通、)も出場、谷井は1時間21分23秒で6位、森岡は1時間24分18秒で13位の成績を収めた。
■岡田、自己新で2連覇ながら派遣設定記録にはわずかに届かず
女子20kmは、男子とは対照的な展開となった。この大会で1時間29分15秒の派遣設定記録突破と優勝を目指す岡田がスタートから飛び出し、1㎞の段階で独歩態勢を築くと、5kmを22分08秒、10kmを44分25秒で通過と、1時間28分台も狙えるペースでラップを刻んでいく。15㎞は1時間06分54秒で通過したが、そのあたりから風が強まったことも災いして、徐々にペースダウンしてしまった。派遣設定記録突破はならなかったものの懸命に粘って自己記録を6秒更新する1時間29分40秒でフィニッシュし、2位の道口愛(自衛隊体育学校)に2分50秒の差をつけて圧勝した。
■ジュニア選抜競歩は石川と則本が初優勝
同時開催された第27回ジュニア選抜競歩大会では、ジュニア男子10kmとジュニア女子5kmが行われた。レース序盤から川野将虎(御殿場南高)、山本龍太郎(富山商高)、石川昌弥(横浜高)の3人によるトップ争いとなった男子は、3年生の石川が抜けだし、41分01秒の大会新記録で優勝。残り500mまで6人の集団が優勝争いを繰り広げた女子は、2年生の則本菜々子(岡山東商高)がラスト勝負を制し、22分51秒で全国大会初優勝を果たした。
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文/児玉育美(JAAFメディアチーム)
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