2023.07.11(火)選手

【アジア選手権】展望女子編~女子ハードル寺田&青木、メダル獲得と標準突破なるか/走幅跳・秦、1500m・田中に好パフォーマンスの予感~



第25回アジア陸上競技選手権大会が、7月12~16日の日程に、タイの首都、バンコクにあるスパチャラサイ国立競技場において開催される。この大会は、原則として隔年開催で実施されてきたが、2021年5月に中国・杭州で予定されていた第24回大会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて中止を余儀なくされた。このため、2019年4月にカタール・ドーハで行われた第23回大会以来、4年ぶりの開催となる。

※7月10日、男子棒高跳に出場予定だった山本聖途(トヨタ自動車)が怪我のため辞退となったため、代表選手は全76名(男子38、女子38)となった。
今回、日本は、全77名(男子39、女子38)が代表選手としてエントリー。8月に開催されるブダペスト世界選手権、さらには来年のパリオリンピックに向けても強い影響を及ぼす「大一番」に挑む。本稿執筆段階(7月7日)で大会のエントリーリスト自体がまだ発表されていないため、他国の出場状況は不明だが、ここでは期待も込めつつ日本代表選手の見どころを紹介していこう。

※エントリー状況のほか、記録・競技結果、ワールドランキング等の情報は7月7日時点で判明している情報により構成。同日以降に変動が生じている場合もある。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ、フォート・キシモト


女子日本選手編

今年8月に開催されるブダペスト世界選手権の出場資格は、ワールドアスレティックス(WA)が設定した参加標準記録の突破者と、各種目のターゲットナンバー(出場枠)を満たすまでのWAワールドランキング上位者に与えられる。エリアチャンピオンシップスであるアジア選手権は、実は、このWAワールドランキングにおいて、世界大会(オリンピック、世界選手権)やダイヤモンドリーグに次ぐ水準の大会カテゴリーに位置するハイグレードの競技会。その結果には、高い順位スコア(Placing Score)が加算されるため、ワールドランキングの順位を大きく押し上げることが可能となる。また、エリアチャンピオン(優勝者)は参加標準記録を満たしたとみなされ、同じエリア内から当該優勝者より高いワールドランキングに位置する競技者のエントリーがない場合は、世界選手権の参加資格が与えられることにもなっている。

さらに7月1日からは、来年8月に行われるパリオリンピックの参加資格獲得有効期間も全個人種目においてスタート。大きなポイント獲得に直結するアジア選手権での好成績は、「パリに向けた戦い」という視点でも、非常に大きなアドバンテージとなる。パリオリンピックの参加標準記録は、高くなったことでクリアが難しくなっている今年のブダペスト世界選手権を、さらに上回る記録が設定されているだけに、少しでも有利となる結果を狙って、この大会に挑んでくるはずだ。

女子は、昨年のオレゴン世界選手権に出場した9名を含めた38名がエントリー。どの選手も、まだブタペスト世界選手権への出場が確定していないなかでの戦いとなる。


◎女子短距離

個人&リレーでフル回転。良い波に乗れるか!?



女子短距離は、100mに君嶋愛梨沙(土木管理総合)と御家瀬緑(住友電工)、200mに君嶋と鶴田玲美(南九州ファミリーマート)、400mに久保山晴菜(如水会今村病院)と松本奈菜子(東邦銀行)がエントリーした。各種目のブダペスト世界選手権参加標準記録は、100m11秒08、200m22秒60、400m51秒00と、どれも日本記録を大きく上回っており、WAワールドランキングで見ても、ターゲットナンバー「48」内にはかなり遠い状況だ。9~10月には杭州アジア大会も控えているだけに、まずはアジアでの足場をしっかりと築くことが第一歩となる。今季アジアリストを見る限りでは、100m・200mでは表彰台を狙って、400mでは決勝に進んでいかに上位へ食い込むかを目指しての戦いとなりそうだ。パリオリンピックの参加標準記録が、100m11秒07、200m22秒57、400m50秒95と、さらに高くなることを考えると、高い順位スコアの得られるこの大会で、少しでも多くポイントを獲得しておきたい。

また、女子は、このアジア選手権で、男女混合4×400mリレーのほか、4×100mリレー、4×400mリレーにも出場して、記録を狙っていく。君嶋・御家瀬・鶴田は、100mハードル代表の青木益未(七十七銀行)、リレーで選出の藏重みう(甲南大学)、青野朱李(NDソフト)とともに4×100mリレーで、鶴田・久保山・松本は、400mハードル代表の山本亜美(立命館大学)、宇都宮絵莉(長谷川体育施設)、リレー選出の青野とともに4×400mリレーで、さらに久保山・松本・青野は男女混合4×400mリレーにも名前を連ねている。会期が5日間あるとはいえ、男女混合4×400mリレー以外は現段階で予選・決勝の2ラウンドが予定されており、個人種目もショートスプリントは予選・準決勝・決勝の3ラウンドが予定されている。個人種目の日程を考慮しながらのオーダーとなるだろうが、暑さを考えるとかなりハードになることは必至。短距離ではこの大会最初の決勝種目となる初日の4×100mリレーで好発進し、個人・リレーともに良い流れをつくりたい。


◎中・長距離

田中、ブダペストへ準備着々。次の一手は?



日本の大エースとして君臨する田中希実(New Balance)は、今回は3分59秒19の自己記録(日本記録、2021年)を持つ1500mに出場する。この種目のブダペスト世界選手権参加標準記録は4分03秒50で、アジアでは、今季このタイムを上回っている選手はまだ出ていない。3分59秒台を2回マークし、1500mの日本歴代パフォーマンス上位記録を独占している田中であっても、競り合う選手が不在となる国内レースで簡単に出せる記録ではなく、6月の段階では日本選手権決勝でマークした4分08秒29がシーズンベストだった。しかし、日本選手権後、ケニアで高地トレーニングを積み、その後は、国内外を問わずレースに出場。7月5日にはフィンランドで4分07秒05の今季日本最高をマーク。7月8日に5000mを走って、バンコクに入るスケジュールを組んでいる。ターゲットナンバーが「56」のこの種目において、上記の4分07秒05が反映されない現段階でも36位と、世界選手権出場はほぼ確実といえるが、今季4分6秒台をマークしているKM DEEKSHA(インド)、Winfred Mutile YAVI(バーレーン)らと優勝争いをすることで、ブダペスト本番に向けた臨戦態勢を高めていくことになるだろう。1500mには、昨年までチームメイトであった後藤夢(ユニクロ)もエントリー。今季は4分13秒95がシーズンベストの後藤も、ワールドランキングでの出場が見込める位置(44位)にいるが、昨年マークした4分09秒41の自己記録を塗り替えるようなレースができれば、上位争いに加われる可能性も。ブダペストはもちろん、来年のパリも見据えながらのレースとなりそうだ。

800mに出場する池崎愛里(ダイソー)は、日本選手権決勝で、高校3年の2016年以来となる自己新記録の2分03秒08をマークして初優勝と波に乗る。アジア選手権は大学1年時の2017年ブバネシュワール大会(インド)に続く2回目の出場。前回の順位(5位)と自己記録を上回っていきたい。ターゲットナンバー56のこの種目で、日本人最上位にいるのは塩見綾乃(岩谷産業)だ。56位の選手との差は、わずか6ポイント。銀メダルを獲得した2月のアジア室内のような結果を残すことができれば、出場圏内への再浮上も夢ではない。

長距離種目は、5000mが渡邊菜々美(パナソニック)と山本有真(積水化学)、10000mは小海遥(第一生命グループ)と川口桃佳(ユニクロ)と、どちらもフレッシュな布陣となった。暑さのなかでのレースとなるが、両種目ともメダル争いに絡むことができれば、高いポイントを獲得することができる。2月のアジア室内3000mで銅メダルを獲得した山本のワールドランキングは、現段階でターゲットナンバー(42)内の36位で、日本勢トップの田中(23位)に続いている。ここでブダペスト行きを確実にする結果を出したいところだろう。渡邊は2018年アジアクロスカントリー(シニア団体優勝)以来、川口は3月の世界クロスカントリーに続いての日本代表入り。ともにトラックレースでどんな走りを見せるか。今季著しい進境を見せている小海は、これが初の代表選出。山本(5000m)と同様に、すでに杭州アジア大会でも10000mの代表に内定している。パリオリンピックの出場権を競ううえで、貴重な一戦となりそうだ。

3000m障害物に出場する吉村玲美(Cramer Japan TC)と森智香子(積水化学)は、ともに大東文化大学の出身。ベテランの森は、1500mからハーフマラソンまでこなし、駅伝でも活躍する選手。日本代表としてのレースは2018年アジア室内(3000m)以来となる。今年から社会人となった吉村は、この種目で2019年ドーハ・2022年オレゴンと2大会連続で世界選手権出場を果たしている。今回はワールドランキングのターゲットナンバー内(36)に入るのはかなり厳しい状況となっているが、来年のパリオリンピックを目指すためにも、ここで少しでも好成績を得ておきたい。


◎ハードル

寺田と青木、12秒7台での優勝争いに挑む



今年に入って新たに2選手が13秒台を切り、毎回、5人の12秒台ハードラーが大接戦を繰り広げる状況となっている100mハードルは、そのなかで日本選手権を同タイムの12秒95(着差あり)で1・2位を占めた寺田明日香(ジャパンクリエイト、元日本記録保持者)と青木益未(七十七銀行、前日本記録保持者)の「東京オリンピック代表コンビ」が出場する。自己記録はどちらも12秒86で、ブダペスト世界選手権参加標準記録(12秒78)は突破できていないが、ともに12秒6~7台をターゲットとして取り組んでおり、アジア選手権では条件が整えば、パリオリンピック参加標準記録(12秒77)もクリアするレベルで、優勝争いを繰り広げてくれる可能性がある。この大会の100mハードルでは、木村文子(エディオン)が優勝して、青木が3位となった前回ドーハ大会を含めて、日本勢の1・3位は過去に3回あるが、今回は史上初となるワン・ツーフィニッシュが見られるかもしれない。ターゲットナンバーが40のこの種目で、ワールドランキングでは、昨年に12秒73の日本記録を樹立して参加標準記録突破済みの福部真子(日本建設工業、日本選手権4位)が18位でトップに立つが、2番手以降は田中佑美(富士通、日本選手権3位)と青木が1ポイント差で27位・28位、寺田は青木に1ポイント差で日本勢4番手に位置する。トラブルなくレースが終われば、の順位も変わってくるだろう。青木は、昨年のオレゴン世界選手権に続き4×100mリレーでもメンバーに選出されている。初日にリレーの予選・決勝を走ったのちに、2日目のハードルに臨む可能性もありそうだ。

世界選手権参加標準記録(54秒90)が日本記録(55秒34)を上回る400mハードルは、現段階では日本勢が突破を目指すのは難しい種目。ワールドランキングでは、日本選手権で大幅に自己記録を更新(56秒06)して連覇を果たした山本亜美(立命館大学)が39位と、ターゲットナンバー(40)内ぎりぎりのところにいる。近いシーズンベストを持つ選手が各国にいることから決勝は大接戦となりそうだ。持ち味のラストの強さを生かすことができれば、55秒台に突入しての逆転劇が見られるかもしれない。また、400mハードルで2大会連続、七種競技での出場を含めると3大会連続でのアジア選手権出場となる宇都宮絵莉(長谷川体育施設)は、他国の競技会数が増えてきたことで徐々にランキングの順位を下げてしまった。現時点で40位まで8ポイント差の位置にいるが、再浮上は十分に可能だ。日本選手権でマークした56秒65は自己記録に0.15秒と迫るセカンドベスト。自己記録(56秒50)の更新と、前回ドーハ大会の4位を上回る成績を狙いたい。なお、山本・宇都宮はともに、4×400mリレーでもメンバーに名を連ねている。400mハードル決勝を夕方に控える大会4日目の午前に行われる4×400mリレー予選を、うまく走ることもポイントになってくる。


◎跳躍

棒高跳・走幅跳・三段跳で日本記録更新の期待



女子跳躍は、複数種目で日本記録が更新される可能性を秘める。跳躍最初の決勝種目となるのが初日に行われる三段跳には、日本選手権で14m16の日本記録を樹立したばかりの森本麻里子(内田建設AC)と、同じく日本選手権で13m82まで自己記録を伸ばしてきた髙島真織子(九電工)が出場する。どちらも参加標準記録(14m52)には届いていないが、ターゲットナンバー36のこの種目で現在20位にいる森本は、ワールドランキングでのブダペスト出場がほぼ確実といえる位置にいる。2月のアジア室内では銀メダルを獲得したが、バンコクではこれを上回る成績を残し、「アジアチャンピオン」の肩書きを持ってブダペストに臨みたい。また、現段階でターゲットナンバー外となっている髙島は、圏内の選手とはわずか3ポイント差。浮上の可能性は十分にある。アジア選手権での目標として掲げる「14mを跳ぶこと」が実現すれば、メダルとともにブダペスト行きチケットも引き寄せることができるだろう。

棒高跳も、今年、日本記録が塗り替えられている種目。諸田実咲(アットホーム)が 4m41をマークした。世界選手権参加標準記録は4m71と高く、現状ではワールドランキングでの出場も見込めないこの種目では、まずは記録の水準を高めていくことが先決。今季、4m60台を跳んでいる選手を3名有する中国が誰を派遣してくるかにもよるが、メダルを狙って競い合うなかで記録も狙っていきたいところだ。台信愛(日本体育大学)は、今季4m20まで記録を伸ばしてきた選手。確実な跳躍で、上位争いに絡みたい。

走幅跳には、今季6m75まで自己記録を更新してきた秦澄美鈴(シバタ工業)と、今春から社会人となった髙良彩花(JAL)がエントリー。秦には、2013年プーネ大会(インド)から遠ざかっている日本勢の金メダル獲得と、6m86の日本記録(池田久美子、2006年)更新の期待がかかる。世界選手権参加標準記録は6m85。日本記録の更新とセットと考えてもよいだろう。ワールドランキングではターゲットナンバー(36)内の22位で、世界選手権行きは確実といえるところにいる。2月のアジア室内に続き、屋外でもアジアチャンピオンの肩書きを手に入れて、ブダペストに挑みたい。昨年、6m50を跳んで4年ぶりに自己記録を更新した髙良は、今季は6m46のセカンドベストをマークしている。アジア選手権は、銀メダルを獲得した前回のドーハ大会に続いて2回目の出場。2018年U20世界選手権(銀メダル)、2018年アジアジュニア(金メダル)等、これまで国際大会で実績を残してきた。パリオリンピックを目指していく上で、弾みとなる結果を残せるか。

走高跳には、今季、1m85を跳ぶなど着実な足どりを見せている髙橋渚(メイスンワーク)が代表入り。シニアの大会では、初めて日本代表のユニフォームをまとうことになる。棒高跳と同様に、世界選手権参加標準記録(1m97)、ワールドランキングでの出場ともに、実現が厳しい状態にある種目だが、国内では1m83前後で単独での展開となってしまう高橋にとっては、アジア選手権は1m85以上の高さを複数で競っていける貴重な機会。このチャンスをしっかり生かしたい。アジアリストを見ると、1m94を跳んでいるNadezhda DUBOVITSKAYA(カザフスタン)が頭一つ抜けているが、続く選手は1m86~87が3人。メダル争いを懸けての自己記録への挑戦が可能な状況にある。


◎投てき

強豪居並ぶ中国勢と、どう戦うか!?



女子投てきでは、今回、オレゴン世界選手権やり投銅メダリストの北口榛花(JAL)は出場しないが、見どころはたっぷりある。まずは、大会最初の決勝種目(十種競技を除く)としてスタートする1日目のやり投に出場する斉藤真理菜(スズキ)と上田百寧(ゼンリン)の投てきだ。62m37の自己記録を持ち、世界選手権には2017年ロンドン大会に出場している斉藤は、ケガなどの影響で苦しむ時期が長かったが、今季は62m07のセカンドベストを筆頭に各大会で安定して投てきを披露。日本選手権では、北口の試技が乱れたなか、後半できっちり記録を伸ばし61m14で優勝した。参加標準記録(63m80)は突破していないが、ワールドランキングでは17位に収まっていて、ブダペスト行きはほぼ確実の状況にある。斉藤自身は、参加標準記録を上回る投てきへの自信を見せており、アジア選手権では、20cm厳しくなったパリオリンピックの参加標準記録(64m00)も含めてのクリアを狙っていくことになるだろう。この種目には、中国にLYU Huihui(アジア記録保持者67m98)、LIU Shiying(自己記録67m29、東京オリンピック金メダリスト)と、世界大会で何度もメダルを獲得している偉大なツートップが存在するが、今季はどちらも62m台がシーズンベスト。斉藤が「アジア女王」の座に収まる可能性は十分にある。上田は、昨年、オレゴン世界選手権出場を果たしたものの、直前に左膝を痛めて本番は悔し涙を流す結果となった。帰国後の手術、リハビリを経て、今春から復帰。5月のセイコーゴールデングランプリでは60m54をマーク。日本選手権では、きっちり3位を確保した。ワールドランキングでは、ターゲットナンバー(36)内の27位で日本人3番目に収まる長麻尋(国士舘クラブ)に9ポイント差で4番手。このアジア選手権の結果で、世界選手権2大会連続出場が見えてくる。

同じく、参加標準記録の突破はできていないものの、複数での世界選手権出場が狙える状況にあるのが円盤投だ。現在日本のツートップとなっている齋藤真希(東海大学大学院、自己記録57m43)と郡菜々佳(新潟アルビレックスRC、日本記録保持者59m03)が、春先はともにターゲットナンバー(36)圏内に近い位置にいたが、他国の競技界が本格化した6月中旬あたりから徐々に順位を落とし、現在は36番目の選手に、齋藤が15ポイント差、郡が34ポイント差で追う状況となっている。この種目も、オレゴン世界選手権覇者のFENG Bin(中国)を筆頭に、中国、タイに強豪選手が存在するだけに戦いは厳しくなりそうだが、順位スコアでの大量加算を狙うためにも、記録・順位ともに少しでも上を目指したい。郡は、前回のドーハ大会に続き、円盤投と砲丸投の2種目で代表に選出された。近年は円盤投にシフトしたなかで取り組んでいるが、今年も16m19を投げている。メインの円盤投を3日目に終え、無欲で臨める最終日の砲丸投でも、好記録が飛び出すかもしれない。

記録の側面で注目したいのはハンマー投だ。今年4月に69m89の日本記録を樹立しているマッカーサージョイアイリス(NMFA)には、再びの日本記録更新、さらには日本人女子初となる70m台スローが、また、村上来花(九州共立大)には4月にマークした65m33のU20日本記録・学生記録の再更新が、それぞれに期待できるからだ。昨年、日本国籍を取得したマッカーサーも、昨年にU20世界選手権で銅メダルを獲得している村上も、ともに今回は初のシニア日本代表入りとなる。この種目も、アジア記録保持者のWANG Zhenをはじめとして中国勢が圧倒的な強さを誇るが、1カ国2名で考えると、3番手はマッカーサー。上位に迫る戦いは、日本、インド、チャイニーズタイペイあたりで繰り広げられることになりそうだ。マッカーサーは、ワールドランキングの対象となる競技結果が5試合に満たないため、ブダペスト世界選手権に出場するためには参加標準記録(73m60)を突破しなければならず現実的とは言えない。パリオリンピックに向けて、少しでも高いポイントの獲得がターゲットとなるだろう。村上は、8月上旬にワールドユニバーシティゲームズの出場を控えている。自身が今季目指している「63mあたりで記録を安定させて、66m台を狙っていく」投てきをバンコクでもぜひ見たい。


◎競歩・七種競技

6000点台での優勝争い期す七種競技の山﨑&大玉



20km競歩のブダペスト世界選手権代表は、現段階で、藤井菜々子(エディオン、ダイヤモンドアスリート修了生)のみが決定している。今回、代表に選出された内藤未唯(神奈川大学)と梅野倖子(順天堂大学)は、ワールドランキングにおけて、内藤がターゲットナンバー(50)内に位置しながらも日本人5番手、日本人6番手となる梅野は50位の選手に16ポイント差の圏外に位置している。2選手の上にいる日本勢には、すでに35kmで代表に決まっている岡田久美子(富士通)や園田世玲奈(NTN)も含まれており、また、日本人3番手となる柳井綾音(立命館大学)はワールドユニバーシティゲームズの代表に内定していることから、これらの選手が抜けた場合には、内藤・梅野にもチャンスが巡ってくる可能性はある。自己記録が2時間33分台の2人とっては、6時スタートであっても暑さが予想されるバンコクで2時間29分20秒の参加標準記録突破は困難なはず。順位スコアでの加算が期待できる順位を意識しながらレースを進めていくことになりそうだ。中国の層が厚いこの種目では、今季アジアリストを見ただけでも、1時間26分台が3人、1時間27分台が2人、1時間28分台が1人、1時間29分台が3人。このうち誰が出てきたとしても、メダルを懸けた戦いは厳しいものとなるだろう。パリオリンピックに向けてのポイント確保という意味でも、しっかり結果を残しておきたい。

七種競技には、日本記録保持者(5975点)の山﨑有紀(スズキ)と、今季5720点まで記録を伸ばしてきた大玉華鈴(日体大SMG)が出場する。ブダペスト世界選手権に向けては、参加標準記録が6480点と日本勢にとっては非常に厳しいこの種目。ターゲットナンバーもわずか24ということもあり、日本選手には、まずは、自己記録を更新していくこと、アジアでしっかりと結果を残していくことが求められている状況だ。七種競技の場合は、ワールドランキングの順位は2試合の平均で出していくことになるだけに、高い順位スコアを得られるアジア選手権のポイントは、パリオリンピックに向けても大きなアドバンテージになってくる。

大会に向けては、前回覇者で、2月に山﨑が銅メダルを獲得したアジア室内(五種競技)も制しているEkaterina VORONINA(ウズベキスタン、自己記録6346点)が最大のライバルになるとみられていたが、屋外シーズンになって競技会に出ておらず、状況が不明。アジア選手権にも出場しない可能性がある。現時点での今季アジアリストは、山﨑・大玉が1・2位。ともに持ち味を大いに生かした試合内容で、日本人女子初の6000点を上回っていくレベルで優勝争いを繰り広げてほしい。


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