2017.04.17(月)大会

荒井選手代表内定! 第101回日本選手権50km競歩大会レポート



第101回日本選手権50km競歩が4月16日、石川県輪島市で、8月に開催されるロンドン世界選手権代表選考会を兼ねて行われました。レースは、昨年のリオデジャネイロオリンピック銅メダリストの荒井広宙選手(自衛隊体育学校)が3時間47分18秒で2年ぶり2回目の優勝を達成。すでに派遣設定記録(3時間44分38秒)を突破しているため、世界選手権の代表にも即時内定しました。

■荒井選手、着実なレース運びで代表切符を獲得

レースは、午前7時30分にスタート。3mを超える強い風が回るように吹き、1周2kmの周回コースの大半が向かい風となる条件下となったため、序盤は、いくつかの大きな集団が形成されて、レースが進んでいきました。



先頭グループは、最初の2kmを、富士通の髙橋英輝選手と森岡紘一朗選手が先頭に立ち、その後ろに9名が縦長に続く形となって9分08秒で通過。次の周回で、ラップが8分52秒に上がったことで、集団が2つに分かれ、トップグループは、髙橋選手、森岡選手、谷井孝行選手(自衛隊体育学校)、荒井選手、丸尾知司選手(愛知製鋼)、山﨑勇喜選手(自衛隊体育学校)の6名となりました。そこからは、すでに20kmでロンドン世界選手権に内定しており、今回初の50km挑戦となる髙橋選手がペースをつくって8分55秒前後のラップで周回を重ねていく展開で、5kmを22分27秒、10kmを44分46秒で通過します。8㎞あたりからやや遅れがちだった山﨑選手が11㎞過ぎで歩型違反のため失格となり先頭は5名に。15kmは髙橋選手と森岡選手がともに1時間07分01秒で通過し、荒井選手、丸尾選手、谷井選手が各1秒遅れで続きました。
しかし、このあたりからやや谷井選手が遅れがちとなり、16~18kmの周回でいったんは追いついたものの、森岡選手が1時間29分24秒で通過した20kmでは、髙橋・荒井・丸尾選手が1時間29分25秒で続いたのに対して、谷井選手は1時間29分30秒と明らかな開きができてしまいました。

さらに、森岡選手と髙橋選手もペースダウン。22~24㎞の周回で荒井選手がトップに立つと、丸尾選手がこれにぴたりとつく展開となりました。その後、谷井選手が32kmを通過したところで、森岡選手が34km手前で、それぞれ途中棄権し、3番手で歩いていた髙橋選手も36kmを過ぎたところ競技を終えたため、優勝争いは荒井選手と丸尾選手に絞られました。

2人は、25kmを1時間51秒50秒、30kmを2時間14分20秒、35kmを3時間37分03秒と、ペースを徐々に落としながらも周回を重ねていきましたが、36~38kmの周回で丸尾選手が遅れ始めると、その差は40km通過時には18秒差まで開きました。荒井選手は、40kmを2時間59分56秒、45kmを3時間23分22秒で通過して3時間47分18秒でフィニッシュ。2年ぶり2回目の優勝を飾るとともに、ロンドン世界選手権の代表切符を手に入れました。
レース後、「昨日の会見でも、タイムより勝負重視でということを宣言したので、勝負に徹してレースを進めて優勝することができて本当によかった」と笑顔を見せた荒井選手ですが、「風がかなり強くて、コンディションは良くなかったけれど、そのなかでも、もうちょっとタイムを出したかった」と振り返り、後半のペースが落ちてしまった点を反省していました。
荒井選手に続いて2位となった丸尾選手は、日本歴代7位となる3時間49分17秒でフィニッシュしました。関係者から50kmへの適性を示唆されて、昨年秋の全日本競歩高畠大会から50kmに参戦したばかり。2度目の挑戦で、高畠大会でマークした自己記録4時間02分36秒を大幅に更新しました。「3時間45~50分をターゲットにしていたので、最低限目標は達成できたが、後半のペースの落ちが激しかったので、まだまだ力不足」と振り返る一方で、「(初レースの高畠大会は)何もわからない状態でスタートラインに立ったが、今回に関しては35km付近までは余裕を持って歩けた。また新しい課題が見えてきたかなと思う」と手応えがあった様子を窺わせました。
前回に続いて再び3位となった勝木隼人選手(自衛隊体育学校)は、35km以降の各5kmを22分41秒、22分48秒、22分27秒と、前半よりも早いペースで追い上げ、日本歴代9位となる3時間49分49秒でフィニッシュ。自身初の3時間50分切りを果たしました。



この種目でのロンドン世界選手権代表は最大で3枠。内定している小林快選手(ビックカメラ)、荒井選手に続く最後の1人は、4月20日に発表されます。

■全日本競歩男女高校5km、男子高校1・2年3kmで大会新

併催の第56回全日本競歩輪島大会では、男女高校5km競歩、男女高校1・2年3kmが行われ、3種目で6つの大会記録が誕生しました。
男子高校5km競歩は、住所大翔選手(飾磨工業高校・兵庫)が20分54秒の大会新記録で優勝。U18世界選手権代表選考種目として行われた女子高校5km競歩は、藤井菜々子選手(北九州市立高校・福岡)が22分50秒で制したほか、2位の田牧明花音選手(逗子高校・神奈川、23分00秒)、3位の吉田優海選手(遊学館高校・石川、23分20秒)までが大会記録を更新しました。

男子高校1・2年3km競歩も2位までが大会記録を更新。大島涼賀選手(一宮高校・愛知)が13分03秒で制し、片岡龍也選手(滋賀学園高校・滋賀)が13分09秒で続きました。女子高校1・2年3km競歩は三反田ありさ選手(済美高校・岐阜)が15分37秒で優勝しています。


【日本選手権獲得者コメント】
■日本選手権男子50km競歩

荒井広宙(自衛隊体育学校)3時間47分18秒

「風が強く、気温もやや高めで、思った以上に身体にくる、粘りのレースだった。今回は、代表権を獲得することが一番の目標だったので、勝負に徹してレースを進めた。優勝することができて、ほっとしている。本当は、(この気象状況のなかでも)後半にペースを切り替え、もうちょっと上げていければよかったのだが、まだ、自分の体調や体力レベルが、それができるまで上がりきっていないという面もある。本当の意味での本番は、8月の世界陸上。しっかりと準備を進め、ここからさらに上げていきたい。ロンドンでの開催なので、おそらく気候は涼しく、高速レースになると思う。スピードに対応できるトレーニングを行い、メダル獲得を目標に頑張っていきたい。メダルを取った者として恥ずかしくない結果を残していきたいと思っている」

※本文中、各周回(2km)のラップは筆者計測による記録。5kmごとのスプリットおよびラップは公式発表の記録である。

文/児玉育美(JAAFメディアチーム)

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