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2016年 4月29日 (金・祝) 

広島(広域公園)

大会詳細情報

お知らせ

・リザルトと大会結果レポートを掲載しました。
・ポール輸送に関する情報を掲載しました。

大会結果レポート

2016年日本グランプリシリーズ第2戦となる織田記念陸上が4月29日、リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねて、広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)において開催されました。  広島県出身の織田幹雄氏が、1928年アムステルダム五輪男子三段跳で日本人初の金メダルを獲得した功績を称えて、1967年に創設された本大会。第50回記念大会となった今年は、快晴に恵まれたものの気温がやや低く、強風が吹くコンディション下での開催となりました。

■男子三段跳で長谷川選手が五輪標準記録を突破!
風に好記録を阻まれる種目が多かったなか、レベルの高い結果となったのが男子三段跳。長谷川大悟選手(日立ICT)が2回目に日本歴代4位タイとなる16m88(+0.2)のビッグジャンプを披露。昨年マークした自己記録を一気に39cm更新しただけでなく、リオデジャネイロ五輪参加標準記録16m85も上回って優勝を果たしました。
「1本目はファウルだったが、その感覚がすごくよかったので、冷静に自分の跳躍をすれば記録は出てくるのかなというのは感じていた」という長谷川選手。「オリンピックの年ということで標準記録は常に意識してやってきたが、超えた瞬間は嬉しいというよりはびっくりする気持ちのほうが強かった。跳んだ瞬間に記録が出たという感覚があり、(公認記録になるかどうかで)風だけが心配だった」と振り返りました。
この冬は、「筋力だったり走力だったりジャンプ力だったり、すべてのものを伸ばすために、テーマを1つに絞らずフィジカルを全部強めよう」という意識で臨み、砂浜でさまざまなトレーニングを行うことを導入。これによって「一番良くなったところは跳躍の安定感。足を着いた瞬間に安定する感覚が去年とは違う」と実感するほどの成果を得たといいます。一方で、「まだまだ修正点はある」と言い、「日本選手権でも(今回のようなレベルの)高い記録で勝負できれば、オリンピックに出たときにもつながると思う。ここで満足しないようにしたい」と先を見据えました。
 5回目に16m77(+1.4)をマークして2位に食い込んだのは、ベテランの石川和義選手(長野吉田AC)。この試技のほかにも2回目に16m75(+3.2)、4回目に16m64(+1.6)、最終跳躍で16m58(+0.5)を跳び、安定感の高さを印象づけました。筑波大学時代の2004年にマークした16m98の自己記録は日本歴代3位で、今も学生記録として残る好記録。低迷した時期もありましたが、長野吉田高校の教員になった2014年に日本選手権を6年ぶりに制すると、昨年も連覇を果たし復活の兆しを見せていました。今季は「技術や身体の動かし方など、自分の思ったような感じができるようになってきた。気持ちと条件が合えば跳べる」という確信をもってシーズンインしたそうです。「(今日は)“行ける”と思いすぎてしまった」と反省しつつも、「日本選手権で狙っていきたい。17m台をマークしたい」と力強く言い切りました。

■海老原選手は58m40でシーズンイン
 女子やり投には、昨年5月のゴールデングランプリ川崎で派遣設定記録(63m34)を上回る63m80の日本記録を樹立した海老原有希選手(スズキ浜松AC)が出場。前半の試技は、昨年の世界ユース選手権金メダリストで、今春日本大学へ進んだ北口榛花選手らにリードされ3位で折り返しましたが、4回目で58m36を投げて逆転、5回目に58m40と記録を伸ばして優勝しました。
シーズンインに際して、「日本選手権までにもう一度62m00という(五輪)標準記録を確実に越えておきたいなという思いで臨んでいた」という海老原選手は、「久しぶりの大会で、前半3投は試合勘を取り戻すような試技になってしまった。1・3投目はラストクロスのところで風に煽られてバランスをとるのが難しく、2投目は投げ切れたが、やりの飛び方が悪くて見事に風に落とされてきたなというのが見えたので、そのへんの修正を含めて4~6回目を投げた。多少修正はできたかなと思うが、6回目はちょっと欲張ってしまったので、あの記録(56m60)になってしまった」と振り返りました。次戦はゴールデングランプリ。大会に向けての課題として、「助走から振り切るまでのタイミング。ほんの一瞬のところなのだが、間ができてしまうことがあるので、そこをしっかり直したい。あとはやり先を自分から離さずに、しっかり正面に向かってやり先を投げ出せるようにしたい」を挙げ、「日本記録は常に目指している。あとは海外勢に勝ちたい。去年は日本新を投げたけれど4位だったので、勝ちにこだわっていきたい」と抱負を語りました。

■山縣選手、向かい風のなか圧勝し、復調を印象づける
向かい風2.5mのなか行われた男子100m決勝では、広島県出身の山縣亮太選手(セイコーホールディングス)がスタート直後からリードを奪うと、中盤でさらに加速に乗り、その勢いのまま10秒27でフィニッシュ。2位のケンブリッジ飛鳥選手(ドーム)に0.08秒の差をつけて快勝しました。
「風が向かっていたが、(決勝は)中盤の加速が風に負けないくらいしっかりできた。それがとてもいい感触だった。追い風が吹いていたら、自己ベスト(10秒07)くらいは行けたんじゃないかという思いはある」を振り返りました。  予選は向かい風2.2mのなか10秒40。「スタートから安全に走ることを心がけた。また、終盤は少し硬くなってしまったので、そのあたりの修正ができれば、(決勝は)同じ風のなかでも(10秒)2台は行くかなという手応えがあった」と、想定に近い状況だったことを明かしました。
 昨シーズンは腰痛に苦しみ、まずは治療を優先させる1年を過ごしました。「2016年を見据えての治療だったので、その決断に後悔はしていないし、そういう思いがあったからこそ足元を見ながら競技ができたような気がしているので、心が折れるようなことはなかった」と山縣選手。「苦しい時期があったおかげで自分を見つめ直すことができた。苦しかったぶん喜びも大きい。でも、まだまだオリンピック標準(10秒16)を切ったわけでもないし、日本一になったわけでもないので、1歩1歩着実に頑張っていきたい」と語り、「世界で戦うにはもうちょっと中盤で抜け出さないといけないかなと思う。トップスピードをもっと高めていかないと…」と今後の課題も挙げました。  ベスト記録では背中を追うことになるライバルの桐生祥秀選手(東洋大)とは、5月8日のセイコーゴールデングランプリで対戦します。「今日、織田記念で勝つことができて、強風の中でタイムもまあまあだったので、“桐生とちゃんと勝負できるぞ”と自分のなかで思えるような状態になってきた」と手応えを感じつつも、「でも、ちょっと気を抜くと悪い状態に戻ってしまう不安もある。1日1日を大事にしながらやっていけないと思っている」と表情を引き締めました。

■男子やり投は村上選手が若手を抑える
男子やり投を制したのは、ベルリン世界選手権銅メダリストのベテラン、村上幸史選手(スズキ浜松AC)。2回目に79m93をマークしてトップに立ち、そのまま逃げ切りました。この日、4・5回目をパスして全部で4回の試技を行った村上選手は、「4本も投げるつもりはなかったのだが…」と苦笑しつつ、「トライアルの段階では行けるかなという感じだったが、1投目の入りが悪く、2投目ももうちょっとしっくりこないところがあった。一番良かったのは6回目―僕にとっての4本目の試技。あれでやり(の穂先)が(自分から)離れていなければ…」と悔しがりました。
村上選手に続き2位となったのは、2012年ロンドン五輪代表のディーン元気選手(ミズノ)。しかし、「この3~4年間、脇腹などを痛めている間にいろいろな改良を重ねて今に至った。今日は投げられる確信があって、自信満々で来ていた」というだけに、決勝記録が1回目にマークした79m59にとどまったことには不満が残ったようで、「コメントが思いつかないくらい自分に残念な結果に終わってしまった。まだまだ自分の完成度が低かった部分があることを受け止めて、必ずゴールデングランプリで標準記録を投げるということを誓って、今日の反省としたい」と話しました。
また、日本歴代2位となる86m83の自己記録を持ち、昨年84m66を投げて、この種目でただひとり派遣設定記録(84m32)を突破している新井涼平選手(スズキ浜松AC)は、6回目で78m07まで記録を伸ばしたものの6位という結果にとどまりました。「今季初戦だったので、しっかり投げたかったけれど、うまく合わせることができず練習通りの失敗をしてしまった。1週間後(のゴールデングランプリ)に合わせたい」と反省しきりでした。

■男子棒高跳の澤野選手、復調告げるV
男子棒高跳は、日本記録保持者(5m83)の澤野大地選手(富士通)が、5m60を3回目にクリアして優勝を決めたあと、リオデジャネイロ五輪派遣設定記録で参加標準記録でもある5m70に挑戦しましたが、「織田の試合で、こんなに難しい風になったのは初めて」と澤野選手も振り返ったように、強い横風に阻まれクリアならず。しかし、すでに派遣設定記録をクリアしている山本聖途選手(トヨタ自動車)、荻田大樹選手(ミズノ)を抑えての勝利は、昨年5月末に右アキレス腱を痛め、ほぼ1年ぶりの実戦出場となった澤野選手の復活を印象づける結果となりました。
この日、「ここ1カ月くらい、かなり順調に練習が積めていたので、ある程度自信はあった。まずは(派遣設定記録の5m)70を跳ばないと話にならない。私もしっかり跳んで3人でオリンピックに行きたいと思っていたので」という澤野選手は、5m40から跳び始めてこれを1回でクリアすると、5m50をパスして、5m60に挑みました。
5m70の跳躍については、「60のときに柔らかいと感じたのでポールを変えたが、70になってから横風が吹いてしまったため、助走で力を使って最後の6歩が駆け込めなかった。また、2回目、3回目はラストの6歩がきつかったという思いがある」と振り返り、「もう少し助走の精度を上げて,ラストの6歩をしっかり駆け込めれば、全く問題なく(5m)70、80、90と行けるのではないかなと思っている」と、2005年にマークした日本記録を上回る数字をさらりと口にしました。さらに、「(ケガから復帰するにあたって)試行錯誤を重ねながら身体をつくっていく段階でいろいろな気づきがあり、棒高跳がさらにうまくなった感覚を得ている。“頑張りすぎずとも跳べる”というような、今、すごくいい状態」と話し、「日本新は絶対に狙っていきたいと思っている」ときっぱり。4年前に代表入りを逃した悔しさをバネに、8年ぶり3回目となる五輪代表入りに向けても強い意欲を示しました。
今年1月に5m77の室内日本新記録をマークしている山本選手は5m50で2位。「5m30、5m50と一発でクリアできたことはよかったのだが、その後の60で力みが出てしまった」と反省し、「難しい条件でもリラックスして臨めれば60、70を狙えると思うし、世界で戦うにはどんな状況であろうと70以上を越えていかなければならないので、今後の課題としていきたい」とコメントしました。

■女子100mの福島選手は棄権、日本人トップは世古選手
向かい風1.8mのなか行われた女子100mは、メリッサ・ブリーン選手(オーストラリア)が11秒59で圧勝。日本人トップの世古和選手(CRANE)が11秒80をマークして2位に食い込み、3位には倉敷中央高校(岡山)2年生の齋藤愛美選手が0秒08差でフィニッシュしました。注目の福島千里選手(北海道ハイテクAC)は、予選に出場しましたが、レース直前のスタート練習で右ふくらはぎにケイレンが起きるアクシデント。予選はそのまま11秒93で走りましたが、決勝は大事をとって棄権しました。
 このほか、男子走幅跳は嶺村鴻汰選手(モンテローザ)が7m88(+1.3)で優勝。男子110mHは矢澤航選手(デサント)が終盤で逆転して13秒78(-0.5)で制しました。また、韓国の鄭蕙林選手が13秒20で優勝した女子100mH(+1.1.)では紫村仁美選手(東邦銀行)が木村文子選手(エディオン)に0.03秒先着する13秒24をマークして日本人トップとなる2位でフィニッシュ。3選手が4m00をクリアした女子棒高跳は、我孫子智美選手(滋賀レイクスターズ)が試技内容で優勝しました。
男女5000mはポール・カマイシ選手(中国電力)とローズメリー・ワンジル・モニカ選手(スターツ)が、13分24秒04と15分15秒14で優勝。日本人トップは、男子が大六野秀畝選手(旭化成)で13分31秒56(5位)、女子は安藤友香選手(スズキ浜松AC)が15分37秒21(5位)という結果でした。

文/児玉育美(JAAFメディアチーム)

棒高跳用ポール輸送について

ポール輸送を希望される方は必ず下記をご確認ください。
※申込みの締切は4月19日(火)で、それ以降のお申込みは一切受け付ける事が出来ません。
※尚、エントリーリスト公開は4月18日(月)を予定していますが、エントリーされ、利用を予定される方は早めにお申し込み下さい。
(エントリーが認められなかった場合は、申込みを取り消しする事が出来ます。その際にはご自身で、西濃運輸に必ずご連絡下さい。)

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