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この日の能登地方は、前線の通過に伴い、朝から強い風雨に見舞われるコンディション。暴風・波浪警報も発令されるなか、選手たちは午前7時30分に、輪島市ふらっと訪夢前を発着点として、北陸銀行前で折り返し、輪島高校から輪島市文化会館を回る2kmの周回コースへと飛びだしていきました。
スタートしてすぐに谷井選手が前に出て、これに吉田琢哉選手(盛岡市役所)、荒井広宙選手(自衛隊体育学校)が続き、少し離れて山﨑勇喜選手(自衛隊体育学校)が追う展開。谷井選手は、最初の2kmで後続に4秒の差をつける8分52秒で入ると、その後は8分50秒前後のラップを刻み、8分55~58秒のペースで進む吉田・荒井両選手との差を広げていきました。その差は10km地点(谷井選手は44分16秒で通過)で32秒となり、15km(谷井選手:1時間06分24秒)で45秒、20km(谷井選手:1時間28分26秒)では1分11秒。25km(谷井選手:1時間50分31秒)では1分20秒まで広がり、完全な“独り旅”に。
一方、後続では、荒井選手と2位集団をつくっていた吉田選手が14~16kmの周回で失格となり、6~8kmでいったん6位に後退していた山﨑選手が、14~16kmの周回で荒井選手に追いつき2位争いを繰り広げます。しかし、20kmを過ぎたところで山﨑選手が遅れ始め、22~24kmの周回で大幅にペースダウン。「序盤からきつかったが諦めたくなかった。10kmでいったん身体が楽になったので、このまま40kmくらいまで荒井と一緒に行けたらと思ったのだが、20kmから足が動かなくなってしまった」(山﨑選手)と32kmまで粘ったもののレースを棄権。荒井選手が単独で谷井選手を追う展開となりました。
先頭の谷井選手が28kmを過ぎたあたりで雨はやみましたが、晴れ間が見えるようになってくると、日差しの影響で気温が上がり、今度は暑さを感じるように。それとともに風がどんどん強まってきます。「思っていた以上に風の影響が大きくて、非常に体力を使ってしまった」とレース後も振り返った谷井選手は、35kmを過ぎたところで「最後で荒井選手よりも速い、もしくは同じようなペースを刻んで差を縮められないようにすれば勝てると思い」(谷井選手)、いったんペースを落として調子を整えることを選択。36~38kmを9分02秒、以降を9分05秒、9分17秒、9分27秒、9分24秒とペースを落としました。この間、9分05~06秒のラップで追った荒井選手が35秒差まで詰め寄りましたが、残り4kmを谷井選手が9分18秒、9分07秒に引き上げて戦略通りの展開に持ち込み、3時間44分12秒で先着。2位の荒井選手は35秒差となる3時間44分47秒でフィニッシュしました。
レース終盤は立っているのもつらいような強風が吹き荒れる状態のなか勝負を制した谷井選手は、「最後の2kmで10秒くらい上げられた。そこは意地というか、前半に自分が前に行って稼いだものをうまく使えたと思う」と勝因を挙げながらも、「(この天候でも)3時間41~42分では歩きたかった。本当なら自分のペースで押しきって行って、ゴールしたいという気持ちがあったのだが、最後の最後でタイムよりも勝負にこだわってしまった。そこが悔しい」と振り返りました。
残り1枠となっていた五輪代表を手に入れるために、「とにかく自分のレースをしようと思って歩いた」という荒井選手は、派遣設定記録(3時間45秒02)を再び上回っての2位に、「前半は余力をもってレースを進め、25km過ぎからちょっとずつペースを上げ、チャンスがあれば抜いていくという展開を考えていた。ラスト1周は派遣設定記録を切れるかどうかという状態で、(ゴールまでの最後の)ストレートは、歩いていてタイマーが見えるまでは本当に恐かった」と振り返り、記者陣から谷井選手を35秒差まで詰めたときの心境を問われると、「でも、そこで落ちてこないところが谷井さん。そこが世界3位と4位の差かな」と笑顔を見せました。優勝を逃したためにこの大会での即時内定はなりませんでしたが、レース後には「かなりリオ(行き)は濃厚になったと思う。リオでいい結果を出せるように準備していきたい」と力強いコメントを残しました。
天候に恵まれれば、3時間40分を切る38分を目指したかったが、朝の時点で(天候を考慮して)8分50秒で余裕を持って押していき、後半でペースを上げて行ければと考えていた。ただ、思っていたよりも天候の影響で体力が消耗し、特に後半になるにつれて風が強くなってきつかった。荒井選手が後半上げてくることはわかっていたので、荒井選手とのタイム差を有効に使っていこうと考え、残りの距離も考えながら、いっぺんペースを落として(力を)ため、後半でもう1回しっかり上げられるように態勢を整えた。落ちきってからペースを上げていけたので、そこで勝敗を分けたと思う。
また、(この大会が)第100回大会であることは頭に入っていた。昨年、荒井選手に負けて連覇も途絶えていたので今日は勝ちたいな、と。記録も狙いつつ、勝つこともしっかり頭に入れながら、レースを進めていきたいなと考えていた。 風のこともあったので、(3時間)40分切りは難しいかなと思っていたが、そのなかでも41~42分の記録は頭に描いていた。後半ペースを落としても(1km)4分半くらいまでと思っていて、それで刻んでいければ十分に達成できたのだが、そこが4分40秒くらいまで落ちてしまったことが反省点。
3時間44分12秒という結果に納得はできていないが、天候を考えればもう少し行けたという自信もあるし、3時間40分を切るところで歩けるための身体はできていると思っている。(ここに来るまで)いい練習ができていたし、自分なりに手応えもあった。リオに向けては、この数カ月いい流れできている。これからもう一度足づくりをしながら、さらに実戦的な練習に入っていく。調整力であったりその練習に合った動きをつくっていったりと、総合的なことを詰めていきたい。
文/児玉育美(JAAFメディアチーム)
第100回日本選手権50km競歩大会を4月17日、8月に開催されるリオデジャネイロオリンピック代表選考会を兼ねて、石川県輪島市において開催しました。
発達中の低気圧の影響で大荒れの気象状況となったなか、第100回大会となる今年の日本選手権獲得者となったのは、昨年の北京世界選手権で日本の競歩史上初となる銅メダルを獲得し、すでにリオ五輪代表に内定している谷井孝行選手(自衛隊体育学校)。一度も先頭を譲ることなく3時間44分12秒でフィニッシュし、圧倒的な力を見せつけました。
2位には、昨年の世界選手権4位の荒井広宙選手(自衛隊体育学校)が続き、派遣設定記録(3時間45秒00秒)を再び上回る3時間44分47秒をマーク。日本陸連が定める条件(派遣設定記録の突破、本大会での日本人1位)には満たなかったため、即時の内定には至りませんでしたが、初の五輪代表入りに向けて大きく前進する結果を残しました。
併催していた第55回全日本競歩輪島大会では、男女高校5km競歩、男女高校1・2年3kmが行われ、男子高校5km競歩では、前日のジュニア10kmの覇者である川野将虎選手が(御殿場南高校・静岡)21分09秒をマークして2冠を達成、女子高校5km競歩は則本菜々子選手(岡山東商業高校・岡山)が23分35秒で優勝しました。
また、男子高校1・2年3km競歩を制した北脇惇之介選手(滋賀学園高校・滋賀)は13分34秒の大会新記録を樹立、女子高校1・2年3km競歩は土井未歩選手(大阪成蹊女子高校・大阪)が15分46秒で優勝しました。
4月17日に開催される第100回日本選手権50km競歩の前日会見が16日夕刻、石川県輪島市文化会館で行われ、日本陸連が定めるこの種目の派遣設定記録(3時間45分02秒)を突破している谷井孝行選手、荒井広宙選手、山﨑勇喜選手(以上、自衛隊体育学校)、吉田琢哉選手(盛岡市役所)の4名が登壇しました。
昨年の北京世界選手権で銅メダルを獲得し、すでにオリンピック代表に内定している谷井選手は、11月以降はリオに向けた長期プランでトレーニングを進めてきたことを明かし、「この大会に向けては、3時間38分という記録を求めながら準備してきた。ただ、日本のチャンピオンを決める大会でもあるし、第100回という節目の大会でもあるので、“日本選手権に勝つ”ということも大切だと思う。また、明日は天候が崩れる予報も出ているので、タイムにはこだわりすぎずに、しっかりと荒れた天候のなかでも(3時間)38分の価値のあるような記録で、優勝を目指したい」と話しました。
「昨年11月から身体づくりと筋力トレーニングに取り組み、日本選手権20kmで自己ベストを出して、いい流れできている。3月に(体調不良で)練習できない時期もあったが、そのなかでも(体調を)しっかりと戻して、順調に仕上げている。今持っている力を十分に発揮できたら…」と語ったのが、昨年の北京世界選手権で谷井選手に続き4位入賞を果たしている荒井選手。「4年前のロンドンオリンピックには出られず悔しい思いをした。その悔しさをバネにやってきたという思いがあるので、オリンピックに対する思いというのは山﨑さんや吉田選手のなかでも負けない。出たいと思う気持ちは一番強いと思っている」と言い切りました。
2008年北京オリンピック50km競歩で、競歩種目日本人初の入賞(7位)を果たすなど数々の実績を持つ山﨑選手は、「2月29日~4月6日に中国の昆明で高地トレーニングをやってきた。昆明を選んだのは、気候が温暖であることや自分が高地トレーニングを得意としているからであるのとともに、4年前も昆明で合宿してロンドンオリンピックの切符を手にしたので、いい印象があったから」と話し、「“オリンピックの代表”というのを頭に入れてレースを進めていきたい。それが第一。あとは後悔のないようにベストを尽くしたい」とコメント。
吉田選手は、「昨年の夏ごろから身体つくりとフォームの見直しを続けてきた。昨年10月の(全日本競歩)高畠大会には間に合わなかったが、ここ最近の練習ではそのフォームも安定して成果が出てきている」と自身の手応えを明かし、「小さいころからテレビとかで見てきたオリンピックという存在が、こういった形で近くになってきているというのはすごいことと自分でも思うし、“見る者”から“出る者”に変わるとどういう感情になるのかまだ経験したことがないので、そういった意味も含めてオリンピックに出場したい、経験したいと強く思っている」と、初めて挑むオリンピック代表への思いを語りました。
レースは、4月17日午前7時30分にスタート。輪島市ふらっと訪夢前を発着とし、北陸銀行前折り返し-輪島高校-輪島市文化会館を周回する1周2kmの公認コースで行われます。昨年6月に決定した競歩代表選手選考要項に則り、優勝者がレース終了時点で派遣設定記録(3時間45分02秒)を満たしていた場合は、その場でリオデジャネイロオリンピック代表に内定します。 文/児玉育美(JAAFメディアチーム)
第100回日本選手権大会50km競歩/第55回全日本競歩輪島大会が、4月16日、石川県輪島市の輪島市文化会館周回コース(2.0km)において開幕。初日の16日は、全日本競歩輪島大会男女10kmとジュニア男女10kmの部が行われました。
男子10kmでは、20kmでリオデジャネイロオリンピック代表に内定している高橋英輝選手(富士通)が38分03秒の日本新記録でフィニッシュし、鈴木雄介(富士通)が昨年マークした38分06秒を塗り替えて優勝。
「3週間後にワールドカップ競歩(世界競歩チーム選手権)があるので、そこでしっかりと結果を出すために」という位置づけでこのレースに臨んだ高橋選手は、スタート直後から飛びだし、最初の2㎞を7分18秒で入り、その段階で独歩態勢を築きましたが、これが「ちょっと速すぎた」(高橋選手)と、2~4kmは7分36秒、4~6kmは7分43秒、6~8kmは7分48秒までペースダウンする展開に。ラスト2kmは7分38秒に引き上げ、日本新でフィニッシュしたものの、レース後は「動きががたがたになってしまい、全然立て直せなかった」「まだこれは最低限というところ。課題は本当に多いので、まずこれを1つの練習と考えて(リオ五輪に向けて)やっていきたい」と反省することしきりでした。5月7~8日にローマで開催される世界競歩チーム選手権に向けては、「個人で最後まで先頭集団のなかでレースを進めて5位以内には入り、団体でも1つでもいい順位を目指したい」と抱負を語りました。
スタート直後から五藤怜奈選手(中部学院大)が飛び出し、それに淺田千安芸選手(DNP西日本)がぴたりとつく展開となった女子は、6kmを通過したところで淺田選手が前に出て、その後、五藤選手との差を徐々に広げて45分34秒で優勝。レース後、淺田選手は「前半は抑え気味でラストを“ドン”と行けるようにというレース展開を考えていた。自分のイメージしていた通りのレースができた。タイムは44分台が出せたら…と思っていたが、前半が遅かったので、ボチボチだと思う」と振り返りました。
また、7月にビトゴシチ(ポーランド)で行われるU20世界選手権(世界ジュニア選手権が本年より名称変更)と、6月にホーチミン(ベトナム)で開催される第17回アジアジュニア選手権の代表選手選考会を兼ねて行われたジュニア10kmの部は、男子は川野将虎選手(御殿場南高・静岡)が41分04秒で、女子は溝口友己歩選手(早稲田大)が46分54秒で、それぞれ制しました。
リオデジャネイロオリンピック代表選考レースを兼ねて行われる第100回日本選手権50km競歩は、明日(4月17日)、午前7時30分にスタートします。
文/児玉育美(JAAFメディアチーム)
2015 年 1 月 1 日より、世界アンチ・ドーピング規程、国際基準、及び日本アンチ・ドーピング規程が改定され、 未成年(20 歳未満)競技者が競技会に参加する際、親権者からドーピング検査に関する同意書を取得する事が必要となりました。
①本大会に参加する未成年者は、同意書を熟読し、署名、捺印の上、同意書の原本を大会に持参し、携帯する必要があります。
同意書はhttp://www.jaaf.or.jp/pdf/doisho.pdfからダウンロード出来ます。
② 未成年競技者はドーピング検査に指名された時に、原本をドーピング検査室にて NFR(大会医事代表)に提出する必要があります。
提出は未成年時に1回のみで、同意書の提出後に再びドーピング検査に指名された場合は、すでに原本を提出済みである事を NFR に申し出て下さい。
会場において、原本の提出がなくとも、検査は行われますが、検査後 7 日以内に日本陸連事務局に原本を提出する必要があります。
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