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写真提供:フォート・キシモト、アジャンシー・ショット、陸上競技マガジン

ルール解説

100m

スタートは緊張の瞬間です。選手が全神経を集中し号砲が鳴る瞬間を待ちます。スタンドで応援の皆さんも、息を凝らしてその瞬間に注目してください。この静寂はトラック種目の醍醐味です。 スタートの合図は、400mまでの種目では、「位置について」「用意」の後、号砲が鳴ります。800m以上の種目では、「位置について」の後に号砲です。 400mまではスターティングブロックを使い両手がグラウンドに触れる“クラウチング”スタートが義務付けられており、一方、800m以上のレースで選手は手をグランドに触れてはいけません。 混成競技を除くトラック種目では、不正スタート(通称:フライング)は各レースで1回しか許されません。2回目以降にフライングをした選手は、たとえ彼(彼女)にとって最初であっても失格となります。 ゴールと表現されることがありますが、英語ではfinish(フィニッシュ)ですから、海外の競技会でgoal(ゴール)と言っても理解してもらえません。 選手の“胴体”が5cm幅のフィニッシュライン手前端に到達したときを“フィニッシュ”と定義します。この“胴体”は厳密にいえば“トルソー”と呼ばれる部分で、頭、首、腕、脚、手、足を除いた部分を指します。日本選手権では、記録の計測と順位の判定に写真判定システムが使用されます。このシステムには、選手がフィニッシュラインを通過する瞬間だけが撮影できる時計内蔵の特殊なカメラ“スリットカメラ”が使われています。 こうして撮影された選手のフィニッシュ写真には100分の1秒ごとに時間を示す縦線が刻まれており、画像に写っているトルソーがどこにあるかを読み取ることで、選手の順位と記録が判定されます。この判定をする審判員を“写真判定員”といいます。記録は1000分の1秒まで読み取れますが、発表は100分の1秒に切り上げられます。これが同記録でも異なる順位となる理由です。一方で、まったくの差が読み取れず同着ということもありえます。 100mで横一線でフィニッシュしたレースのときに「写真判定で順位が決定した」と記事が踊ることがありますが正しい表現とはいえません。微妙な判定のときだけ写真判定を使って順位を決めているのではなく、どのレースでも写真判定で記録と順位を決めているのですから。

200m

200mまでの短距離走と跳躍の走幅跳と三段跳は、風の影響で記録が変わるので、追い風が2.1m以上と表示された記録は参考となり公認の対象とはなりません。記録表や表示板などでは、追い風を「+」、向かい風を「-」で表記します。追い風が1m違えば記録も0.1秒ほどの違いがあるというデータもあります。 100mと100mハードル、110mハードルは直線を使用するのでスタートラインは横一線ですが、レーンを使ってスタートする200m、400m、800m、400mハードルでは、階段式スタートとなります。選手が平等に同じ距離を走るためには当然のことです。 この各レーンの距離ですが、第1レーンではフィールドとの境界にある縁石からの30cm、第2レーンより外は、内側にある5cmの白線の外側から20cmの場所で計測されています。 レーンの幅は広島ビッグアーチでは1m25となっていますが、走る方向に向かって左側のラインの外側から右側の外側までが自分のものです。特にカーブを走るレースでは気をつけなくてはなりませんが、内側の白線を踏むと隣のレーンに侵入したこととなり失格の対象となります。外側の白線は自分のレーンの一部ですから踏んでもかまいませんが、好んでそうする選手はいませんね。 200mや400mの選手にとってはいかに上手にカーブを駆け抜けるかも技の見せどころです。 以前、陸上競技ルールでは、コースという言い方をしていましたが、今ではレーンです。これも英語では、laneであり、courseと言っても海外では通用しません。

400m

400mはスタートからフィニッシュまで決められた自分のレーンを走らなくてはなりません。2箇所の大きなカーブを走るために、スタート地点は第1レーンと第8レーンとではとても大きな差になります。そのため選手にピストルの号砲が同じタイミングで届くよう工夫がされています。スターターは全選手が見渡せる場所に立つことは大事なことですし、声が同時に届くようスピーカーが用意されたり、さらにピストルと連動し同時にスタートの号砲が鳴る“信号器”が設置されています。 トラック種目の予選では、「3-2+2」といった表記をみかけます。これは次のラウンドへの進出基準を示しています。3組あって、各組2着までにはいった計6人は、自動的に次のラウンドに進出が決まり、さらに3着以下の全選手の記録を比較して上位2人もまた次ラウンドに進出できるという意味になります。 これを場内アナウンスでは「予選は3着あり、各組2着までと、3着以下記録の上位2名が決勝進出となります」と紹介されることになりますが、陸上通の間では「3組2着プラス2」で意味が通じます。 なお公式記録には、着順で次ラウンド進出の選手は“Q”、プラスで進出は“q”と区別して表示されます。Qやqは“QUALIFIED(資格を得た)”の頭文字でオリンピックや世界陸上でも使われます。 この“プラス”ですが、予選にはありますが、決勝の前に準決勝が2組でおこなわれるときにはありません。「2-4」つまり2組4着が決勝進出となり順位が優先となり、2つのレース間での記録の良し悪しは加味されません。100mのように風の影響を顕著に受ける種目の場合、組によって記録にも大きな差がでることがありますから組ごとの順位を重視するのです。 予選を終えた準決勝の組み分けの決め方も順位優先の考え方です。「4-3+4」のレースのときは、各組1着の選手の記録順でA、B、C、Dと序列が決まり、2着の記録順にE、F、G、H、3着でもI、J、K、Lそしてプラスの4名の記録でM、N、O、Pと序列が決められます。そのうえで2つの組のレベルが均等になるようにつぎのパターンで組み分けされます。

ひとつの組    A D E H I L M P
もうひとつの組  B C F G J K N O

レーンの決め方にもルールがあります。広島ビッグアーチのように8レーンのトラックでは、上位4人(チーム)は中央4つのレーン(第3~6レーン)、それに続く中位の2人(チーム)は外側の2レーン(第7~8レーン)、下位の2人(チーム)は内側の2レーン(第1~2レーン)に割り振られそれぞれ抽選によりレーンが決まります。 先の組み分けの解説の2つの組を例にとると、3~6レーンにはいれるのは、ADEHとBCFG、7、8レーンにはI、LとJ、K、1,2レーンにはM、PとN、Oとなります。
昨年までは、3~6レーンが上位グループ、それ以外のレーンが下位グループと定められていましたが、内側と外側とではカーブに有利不利があるため中央、外側、内側の3グループに分けられることになりました。

800m

800mはスタートでは決められた自分のレーンで走り始めますが、バックストレートの直線に入ったところでレーンを離れることができます。そのためスタートラインのレーンごとの間隔は400mよりも狭くなります。 選手がレーンを離れオープンになる地点に引かれる5cmの白い曲線をブレイクラインといいます。このブレイクラインを選手が認識しやすくするためにコーンが置かれます。これまでこのラインを示す旗が設置されましたがルール改正により今年から必要なくなりました。 この地点では、選手がラインの手前でレーンを離れてしまうこともあるので、監察員が配置されています。 選手が走るトラックの舗装材の色ですが、広島ビッグアーチをはじめ世界の多くの競技場では、茶色です。舗装材が開発される以前は、土でしたから、その名残りといえるでしょう。トラックの色については、ルールに決まりはありません。今夏のベルリン世界陸上ではブルーが採用されていますし、国内にもブルーなど茶色以外のトラックが存在します。 ブルー・トラックは集中できるという選手もいるようですが、感じ方は人それぞれです。また800mのスタートラインを示すペイントにはブルーが使われていますので茶色に比べ見づらいかもしれません。米国などでは、海辺の競技場で海鳥が水面と間違えて激突する悲劇が複数報告されているそうです。

1500m

スタートラインとフィニッシュラインは、幅5cmの白いラインで示されます。走る方向に向かってスタートラインの手前から、フィニッシュラインの手前までが、それぞれの種目の“距離”となります。従って「位置について」の合図があったとき選手はスタートラインに触れてはいけません。 スタートの合図をするのは、審判員の一部署である「スターター」です。選手が静止した瞬間にピストルを撃つタイミングには絶妙なものがあります。選手と息の合った号砲を撃つには経験が必要となります。このピストルですが、日本では雷管を使用した火薬銃が使われますが、海外では本物のピストルが使われ空砲を撃つことが多いので、初めて海外レースを経験する日本の選手はびっくりします。海外のスターターは、拳銃を扱うことができる警察官など“本業”の人を多くみかけます。

5000m

トラック種目では、選手がレース中に違反をしないよう見守る審判員がいます。特定の選手に有利になることなく誰もが同じ条件で記録と順位を競うためには必要です。カーブを走るレースでは、特にショートカットしてしまわないよう注意が必要です。この審判員を監察員といいます。英語ではumpire(アンパイア)といいます。 審判で使われる旗には4つの色があります。白と赤は「有効」と「無効や失格」を表すので分かりやすいですが、黄色と緑の旗も使われます。監察員が、違反があったと判断したときは赤ではなく黄色い旗を掲げます。最終的に失格という判断を下すのは審判長だからです。またスタートで1回目のフライングのときは全選手に黄色い旗かカードが、2回目で失格となった選手には赤い旗かカードがそれぞれ示されます。 スタートのやり直しが、選手に原因がなくピストルなどの不具合によって起こったときには、“ノーカウント”を意味する緑色の旗が挙げられます。

10000m

1500m以上のレースのスタートラインは、曲線となっています。スタート後、決められたレーンを走る必要なくオープンになるので、外側の選手が不利にならないためです。 1000mを超えるレースで出場選手が多い場合には、転倒などを防止する目的で、2つのグループにわかれた2段階スタートが認められています。約65%を第1グループ、残りを第2グループとし、第1グループは通常のスタートラインから、第2グループはトラックの外側に別に用意されたスタートラインからそれぞれスタートし、最初の曲線が終わった地点で合流します。 中長距離種目では選手の接触が多いので、押された選手がフィールド内に入り込んでしまうこともあります。レース中にトラックを離れると失格の対象となりうるので選手は注意が必要です。

110mハードル

日本選手権で実施されるハードル競走は4種目あります。男子は110mと400m、女子は100mと400mです。いずれも10台のハードルを飛び越えますが、高さと間隔が異なります。 高さは男子110mが1m067、400mが91.4cm、女子100mが84cm、400mが76.2cmです。このように高さが中途半端なのは、陸上競技の発祥地がイギリスであることの名残です。男子の高さは3フィート6インチですがJR在来線のレール幅と同じです。日本最初の鉄道はイギリスの技術を導入して開業しましたがその時のレース幅が1m067だったのです。 ハードルを設置する位置にはトラック上に色違いの5cmのマークがペイントされています。観客席からも識別できることでしょう。110mハードルは青、100mハードルは黄緑、400mハードルは黄色です。

400mハードル

ハードルでもっとも大事なのは、選手が自分のハードルを越えることです。故意にハードルを倒したと審判長が判断した場合には失格となります。隣のレーンの選手への妨害をしていなければ、足または脚がハードルの外側に出てもかまいませんが、バーの高さより低い位置を通ってはいけません。400mハードルではカーブを走りながらハードルを越えるために、後から越える“抜き足”が左脚だった場合、バーより低い位置を通ってしまうことがあります。この違反により過去、日本選手権で、トップでフィニッシュしながら失格した選手がいました。 監察員も他のトラック種目に比べ多い人数が配置されます。

3000m障害

3000mを走るうちに障害物を28回、水濠を7回越えなくてはありません。スタート後、フィニッシュラインを初めて通過してから各周に5個の障害物があり、その4番目が水濠であることがルールです。 広島ビッグアーチをはじめ日本の競技場では、水濠はトラックの外側に設けられていますが、ベルリン世界陸上の会場をはじめ世界の主流は内側です。水濠が外でも内でも、先のルールに合致していれば問題ありません。広島ビッグアーチではスタートはホームストレートの中央付近、ベルリンではバックストレートとなります。 水濠以外の4つの障害物は移動式ですが、たいへん丈夫な作りになっています。男子の高さは91.4cm、女子は76.2cmです。障害物に手をかけて越えてもかまいませんが、外側を通ったりくぐったりしてはいけません。

走高跳

走高跳と棒高跳では3回続けて失敗したら競技は終了です。同じ高さには最大3回挑戦できるものの、必ずしも同じ高さに3回挑戦する必要はありません。例えば、1m80に3回挑戦できますし、1m80を1回目に挑戦して失敗、1m85を2回目に挑戦して失敗、3回目に1m90に挑戦ということもありえます。 バーの上げ方は競技注意事項で発表されていますが、どの高さから跳び始めるかは選手が決めることができます。その高さをパスすることも可能なので、観戦に慣れるまでは、つぎに誰が挑戦するのかわかりづらいかもしれません。 最も高く跳んだ選手が優勝となりますが、同じ高さを跳んだ選手が複数いた場合は、その高さの失敗が少ない選手の順位が上になります。それでも順位が決まらない場合は、その高さまでの全体で失敗試技の少ない選手が勝者となります。それでも決まらない場合は、第1位を決めるには優勝決定戦が行われ、それ以外は同順位となります。

棒高跳

棒高跳の順位の決め方は、走高跳と一緒です。 選手が使うポールの材質、長さ、太さには制約がありません。日本が戦前にこの種目で活躍していた頃には、竹が使われていたこともありますが、現在ではグラスファイバー製が主流です。 選手は自身の身長や体重、筋力などに合わせて自己所有のポールを持ち込んで競技します。 跳ぶときのポールの曲がり方はそれぞれ異なり、その反発力により選手が空中で描くアーチの頂点も異なることから、ポールをさすボックスから着地マットの方向へ最大80cmの範囲でバーの位置を移動することが認められています。 例え選手がバーを越えても倒れてきたポールがバーを落としてしまった場合は無効試技となるため、跳び終えたときポールをいかに上手に助走路側に押し戻すかも大事な技術となります。ところが、この日本選手権にはポールの長さよりも高いバーを跳び越える選手が数多く出場しているので、その人たちにとってはポールがどちらに倒れてもバーを落とす心配はありません。凄いですね。

走幅跳

走幅跳と三段跳の決勝では、すべての選手は3回の試技ができます。さらに上位8名によりもう3回の試技が許されます。最も遠くまで跳んだ選手が優勝ですが、もし同記録だった場合には、2番目に良い記録、それでも決まらない場合には3番目、4番目というように比較して決まります。 記録は砂場に残された痕跡の踏切板に最も近い場所から踏切板までの距離が測られますが、踏切板を踏み越してしまった場合には無効試技として赤旗が上がります。跳び終えた後、砂場を逆に戻ってはいけませんので、審判員はたとえ選手の踏み切りが有効であっても、砂場を出る動作を確認するまでは白旗は挙げません。 選手の跳躍順番は、4回目以降に変更になります。3回目までの記録が低かった選手から始まり、最後に最もよい記録の選手が跳躍するよう決められていますから、観戦するのにわかりやすいルールです。

三段跳

三段跳の順位の決め方や跳躍順などのルールは走幅跳と同じです。 三段跳は、ホップ、ステップ、ジャンプの順で成り立っています。選手はホップで踏み切ったのと同じ足で最初に着地し、ステップでは反対の足で着地し、つづいてジャンプを行います。 踏切板の先には、走幅跳と同じく、つま先が踏みでたかどうかの判定をしやすくする目的で、45度の角度の粘土層が塗りつけられています。無効試技の度に、審判員が“粘土板”を取り換えているのは、痕跡のついていないものと交換しているのです。

砲丸投

投てき種目の試技順のルールは走幅跳と三段跳と同じで、4回目以降は、3回目までに最もよい記録を投げた選手が最後に投げるので、観戦が容易になります。 投てきは4種目ありますが、砲丸投、円盤投、ハンマー投は、円形のサークル内から、やり投は助走路から投げだします。 サークルの直径は、砲丸投とハンマー投が2m135、円盤投は2m500です。やりの助走路は幅が4mです。 砲丸投は、日本語では“投げ”と表現しますが、英語では、投てき4種目のなかで唯一throwではありません。Shot Putと言います。砲丸投では、砲丸(shot)をオーバーハンドで“投げる”行為は禁止されており、押し出す(put)ようにとルールで定められています。選手が肩を痛めないようにとの配慮です。 砲丸とハンマーの重さは、男子用が7.26kg、女子用は4kgですが、材質となる金属の密度が違うので直径は異なります。

円盤投

投てき物の有効着地位置はやり投が約29度、その他は34.92度の角度をなす幅5cmの白線の内側です。白線は着地位置に含まれませんので、ライン上に落下した場合は無効試技として赤旗が挙がります。 角度が“約”29度とか小数点以下で表示されているのは、角度線の引き方に理由があります。やり投では助走路の中心から20mの地点で10mの間隔にしたときの角度が約29度、その他はサークルの中心から20mの地点で12mの間隔にしたとき34.92度となるのです。 円盤投をはじめサークルから投げだす種目では、痕跡のサークルに最も近いところからサークルの中心を結ぶ線上のサークル内側までを測ります。 円盤の重さは男子用が2kg、女子用は1kgです。 円盤投とハンマー投では、危険防止のため囲いを設置します。その高さや強度、間口の幅など細かく定められています。円盤投では、向かい風が吹いたほうが記録が出ると言われますが、この大きな囲いがあるために、風向きにあわせてサークルの位置を変更するわけにはいきません。今日の等々力競技場の風はどっち向きでしょうか?フィールド競技では風の影響を受ける種目には、選手が風の向きや強さを知ることができるように“吹き流し”が用意されますが、すべての跳躍種目だけでなく、円盤投とやり投にも用意されるのはこのような理由からです。スタンドから観戦しながら選手がどんな風のときに投げ始めるかを見るのも興味深いでしょう。

ハンマー投

ハンマーは、金属製の頭部(ヘッド)、接続線(ワイヤー)、ハンドルの3つの部分から構成されています。 ハンマー投は遠心力を利用してより遠くにハンマーを投げる競技ですのでヘッドからハンドル内側までの長さがルールで決められています。これが長ければ長いほど物理の法則の理論ではより遠くに飛ぶはずです。ですから、どの選手も同じ条件で競技できるように男子は1m175~1m215、女子は1m160~1m195と定められています。 ハンマー投だけでなくサークルを使う種目では、投てきを終えた後、サークルの中央延長上に引かれた75cmの白線より後方から外に出なくてはなりません。満足いかない投てきだったとき、記録を残したくない選手が、投てき後サークルの前半分から外に出て赤い旗があがるケースを見かけます。このように、投てき物が、角度線内に落下しても、赤旗があがり記録が計測されないケースがありますから、選手の動きには最後まで注目です。

やり投

やりの重さは、男子用が800g、女子用が600gですが、選手が同じ条件で記録を競うことができるように、長さに加え、重心の位置や柄の直径など細かい規定があります。 距離は先端が最初の落下した痕跡から助走路の終点となる円弧“スターティングライン”の中心をつなぐ線上のスターティングラインの内側までを測ります。 やり投の世界記録は1984年には104mに達し、競技場の芝生を使って競技ができないという危機に直面しました。そのため1986年には規則が改定され重心を前に移した飛ばない“やり”が使用されるようになりましたが、今の世界記録は98m48。100mまであとわずかです。記録の更新が陸上競技の魅力なのですが、やり投は、飛び過ぎると困るという悩みを抱えているのです。

混成競技

十種競技は「キング・オブ・アスリート」と賞賛される種目です。女子は七種競技です。2日間にわっておこない記録に応じて換算されるポイントの合計で勝者が決まります。 混成競技には独自のルールがあります。トラック種目のスタートでは、単独種目と異なり同じ選手が2度のフライングをした場合に競技から除外されます。 混成競技では、風を計測する種目それぞれの風速が4mを超えないか、個々の種目の風速を合計してその種目数で割った平均が2mを超えなければ総合得点は公認されます。超えれば“追い風参考”の得点となります。 十種競技を例にとると、100mで+8m、走り幅跳びで0m、110mハードルで-2mなら、(8+0-2)÷3=2となるので、100m単独では+8mの追い風参考でも、10種目の合計得点は公認となります。 得点表があると選手たちの順位の変動が手元で計算できるので楽しさが何倍にもなりますが、日本選手権では、得点表がなくても楽しめるように、各種目を終えるごとの得点トップの選手は“1”のナンバーカードを胸につけることになっています。さらに最後の種目となる十種の1500mと七種の800mでは、得点争いの上位選手は、胸に順位を示すナンバーをつけますので大きな声援をお願いします。

特別協賛

住友信託銀行株式会社

協賛

株式会社アシックス 株式会社ナイキジャパン 大塚製薬株式会社 日本航空 株式会社ニシ・スポーツ 株式会社セレスポ

特別協力

富士通株式会社

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