2022.02.02(水)選手

【記録と数字で楽しむJMCシリーズ】日本最古のレースとなった「別府大分毎日マラソン」若手の躍進からMGCへ世界へ、誰が飛び出してくるのか!?



・文中敬称略。
・所属は当時のもの。

「別大からMGCへ、そして世界へ」を目指し誰が飛び出してくるか?

2月6日に行われる「第70回別府大分毎日マラソン」が、「JMC(ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ)」の「第1期」の男子第3戦のレースとなる。

本来は21年が「第70回大会」だったが、コロナのため延期され今回が「第70回」となった。なお、当初は4000人以上が参加しての開催予定だったが、コロナ感染者の増大のため、2時間30分以内(232人)と大分県在住者の計543人に規模を縮小して行われる

招待選手と主な一般参加選手は、以下の通りだ。

<招待選手>

No.競技者名年齢所属自己記録
大六野秀畝29旭化成2.07.12. 21びわ湖・6位
市山翼25小森コーポレーション2.07.41. 21びわ湖・13位
細森大輔27YKK2.08.28. 21びわ湖・23位
藤曲寛人24トヨタ自動車九州2.08.30. 21びわ湖・24位
藤川拓也29中国電力2.08.45. 20東京・22位
小山裕太28トーエネック2.08.46. 21びわ湖・26位
橋本崚28GMOインターネットグループ2.09.29. 19別大・5位
北島寿典37安川電機2.09.16. 16びわ湖・2位

<主な一般参加選手>

・マラソン2.15.00.以内、ハーフ概ね63.00.以内、10000m概ね28.30.00.以内。大学生の注目選手。
No.競技者名所属自己記録
102兼実省伍中国電力2.10.17. 21びわ湖・45位
103鈴木忠スズキ2.10.46. 20防府・4位
104ワークナー・デレセひらまつ病院2.10.52. 19福岡・3位
105吉村大輝旭化成2.11.13. 19防府・2位
106奥谷裕一大塚製薬2.11.16. 20別大・18位
107谷川智浩コニカミノルタ2.11.39. 15長野・2位
108藤井祐希トクヤマ2.13.56. 20防府・16位
109岡山春紀コモディイイダ2.14.31. 21びわ湖・93位
110牧野冴希趣味の集い2.14.36. 19ソウル・13位
121木津晶夫カネボウ2.18.21. 18延岡西日本・7位/ハーフ61.45. 19丸亀・5位
207稲田翔威コモディイイダ2.22.50. 17東京・71位/ハーフ62.33 20実業団・58位
327小野知大旭化成1万 28.23.68 21八王子ロングディスタンス・5組9位
251赤﨑暁九電工ハーフ1.01.46.・ 19上尾・2位
252大山憲明コニカミノルタハーフ62.41. 20丸亀・53位
255古賀淳紫安川電機ハーフ60.49. 20実業団・2位
256西山雄介トヨタ自動車ハーフ60.55. 20実業団・6位/1万27.56.78 20年
257馬場祐輔小森コーポレーションハーフ61.02. 20実業団・12位
258相葉直紀中電工ハーフ61.42. 20丸亀・23位/1万27.48.26 21/マラ2.37.08. 18年
259鎧坂哲哉旭化成ハーフ61.57. 20丸亀・33位/1万27.29.74 15/マラ2.24.04. 18年
260中西亮貴トーエネックハーフ62.02. 20大阪・3位
261宮坂大器青学大/3年ハーフ62.26. 20高根沢・4位
262西久保遼青学大/3年ハーフ62.30. 20高根沢・5位
263川田裕也SUBARUハーフ62.38. 21実業団・49位/1万27.59.66 21年
364伊勢翔吾コニカミノルタハーフ62.38. 18箱根予選・11位
265伊東颯汰九電工ハーフ62.47. 19日本学生・9位
266杉保滉太スズキハーフ63.04. 20箱根予選会・71位
267飯田貴之青学大/4年ハーフ63.10. 19高根沢・1位
270近藤幸太郎青学大/3年ハーフ63.42. 21日本学生・14位
281横田俊吾青学大/3年ハーフ65.21. 19世田谷・22位/1万28.57.28 21年


「初マラソン日本最高」の可能性も

招待選手の8人はいずれも「サブ10」ランナーで、レースの中心になることは間違いない。
が、一般参加選手にも「期待」がかかる選手がたくさん揃っている。
以下に紹介する通り、別府大分では過去に「初マラソン日本最高記録」や「最年少・サブ10」など若手による好記録がたくさん生まれている。

判明している限りのデータではあるが74年(第23回)服部誠(東農大)の2時間13分40秒0(2位)、75年(第24回)小沢欽一(神戸製鋼)の2時間13分10秒4(優勝)、90年(第39回)米重修一(旭化成)の2時間12分00秒(2位)、91年(第40回)森下広一(旭化成)の2時間08分53秒(優勝)は当時の「初マラソン日本最高記録」だった。森下のタイムはその時点での「初マラソン世界歴代2位(歴代1位は2.08.44.)」で、翌92年のバルセロナ五輪では銀メダルを獲得した。
91年東京世界選手権で金メダリストとなった谷口浩美(旭化成)のマラソンデビュー戦も85年(第34回)の別大(優勝)だ。
98年(第47回)には地元・大分出身の清水昭(杵築東芝)が2時間09分11秒で制したが、当時21歳5カ月と1日。91年の森下の23歳4カ月29日より2歳若く、この時点での「史上最年少日本人サブ10ランナー」となった。

「No.251」以下の選手の多くは今回が「初マラソン」のようだが、1万m27分台やハーフ60~61分台の走力で初の「42.195km」に挑戦する。

21年2月28日のびわ湖の前までの「初マラソン日本最高記録」は、現在、中大の駅伝監督である藤原正和が中大卒業間際の2003年3月2日のびわ湖で3位になった時にマークした2時間08分12秒だった。しかし、びわ湖では、作田将希(JR東日本)が2時間07分42秒(14位)で18年ぶりに更新。足羽純実(Honda)も2時間07分54秒(15位)、さらには山下一貴(三菱重工)も2時間08分10秒(18位)で続き、いずれも18年前の藤原の記録を上回った。

「初マラソン日本最高記録保持者」となった作田のびわ湖の前までのベストは、10000m28分21秒50、ハーフ62分28秒だった。1万mの4.503倍、ハーフの2.044倍のタイムで42.195kmを走った計算になる。この倍率は、マラソンをメインとする歴代の上位選手のそれと比較しても非常に小さな数字だ。逆にいうと、マラソンの記録からすると作田は1万mやハーフでもっとタイムを縮められるのかもしれない。

日本歴代の上位選手の平均値では、1万mの4.55倍前後、ハーフの2.07倍前後で走っている。
これから計算すると、その選手のマラソンへの適正や、しっかりとした「マラソントレーニング」ができたかにもよるが、1万m28分00秒の選手ならば2時間07分24秒、ハーフ61分00秒の選手ならば2時間06分17秒で走れる計算になる。

机上の計算通りにいかないのがマラソンの難しいところではあろうが、今回の初マラソン組の1万mやハーフの持ち記録からすると、2時間07分42秒を破る「初マラソン日本最高」が誕生するかもしれない。
以下は、「初マラソン日本歴代10傑」だ。

【初マラソン日本歴代10傑】

・2022年1月30日現在
1)2.07.42. 作田将希(JR東日本)21びわ湖・14位
2)2.07.54. 足羽純実(Honda)21びわ湖・15位
3)2.08.10. 山下一貴(三菱重工)21びわ湖・18位
4)2.08.12. 藤原正和(中 大)03びわ湖・3位
5)2.08.13. 土井大輔(黒崎播磨)21びわ湖・21位
6)2.08.30. 吉田祐也 (青学大)20別大・3位
7)2.08.53. 森下広一(旭化成)91別大・1位
7)2.08.53. 久保和馬(西 鉄)21びわ湖・28位
9)2.09.03. 尾田賢典(トヨタ自動車)11東京・4位
10)2.09.07. 聞谷賢人 (トヨタ紡織)20別大・7位

もうひとつの注目は、青学大勢である。
箱根駅伝で2位に10分以上の大差をつける大会新記録で圧勝したが、その主力となった選手もエントリーしている。
2区・近藤幸太郎(3年/区間7位。1万m28分10秒50・63分42秒)、4区・飯田貴之(4年/区間3位。28分30秒30・63分10秒)が優勝メンバー。そして、箱根本番には出走しなかったが、16人のメンバーに登録されていた宮坂大器(3年/1万m28分34秒23・ハーフ62分26秒)、西久保遼(3年/28分21秒39・62分30秒)、横田俊吾(3年/1万m28分57秒28・65分21秒/出雲大学駅伝6区・区間3位)の計5人が出場予定。当然、全員が初マラソン。

大学生は4年生の卒業間際に「初マラソン」に挑戦することが多いが、今回の青学大は3年生の4人がエントリーした。
学生記録は、上述の藤原の2時間08分12秒。青学大記録は、その時点での初マラソン歴代2位で現在も学生歴代2位である2時間08分30秒(吉田祐也/20年・別大3位)。こちらの更新にも期待がかかる。

あとは、7年前の2015年の記録ではあるが5000m13分12秒63、10000m27分29秒74で今回の出場者中最速のトラックの記録を持つ鎧坂哲哉(旭化成)が自身2回目のマラソンでどんな走りをするかにも注目だ。21年11月末にも1万mを27分41秒78で走っていて、そのスピードは7年前と遜色ない。
初マラソンは18年10月のメルボルンでの2時間24分40秒で7位。前半は先頭集団にいたが、30km過ぎから大きく失速してしまいほろ苦いマラソンデビュー戦となった。
19年と20年の東京マラソンはいずれもペースメーカーでの出場。
4年ぶりとなる今回のマラソンで“3度目”ならぬ“2度目の正直”がなるかである。


日本最古のレースとなった別大マラソンの歴史

話は少し横道にそれるが、21年2月28日に「びわ湖毎日」が、同12月5日に「福岡国際」が、70年以上の長い歴史の幕を下ろし、今回で70回目となる「別府大分」が最も長く続く国内のマラソン大会となった。

その歴史を簡単に振り返っておこう。
大分県中津市出身の池中康雄が提唱して産声をあげた大会である。
池中は、東洋大学予科時代の1935年にマラソンで2時間26分44秒の世界最高記録を作り、箱根駅伝には専門部・予科・本科を含め32年から40年まで計6回出場した大分県が生んだ名ランナーだ。40年の東京五輪のマラソン代表となったが、日中戦争のため五輪が開催返上となり「幻の代表」となってしまった。その後、故郷の旧制中学校教員となり、五輪代表コーチなどを務め後進の指導にあたった。
「五輪への道を開くためにも地元で全国大会を開催したい」と創設に尽力し誕生したのが「別大マラソン」だった。

1952年1月20日の第1回大会は別府駅前を発着点とし大分市白木を折り返す35kmで行われたが、52年ヘルシンキ五輪代表候補の合宿中の記録会としてのレースで、37人がスタートし完走者は14人だった。翌53年からは、別府湾に沿って走るシーサイドコースの42.195kmとなった。

当初は、別府市(別府駅前、のちに別府国際観光港前)発着・大分市鶴崎折り返しだったが、83年から大分市陸上競技場発着・別府国際観光港前折り返しに変更。2010年(第59回)から現在の「うみたまご前」をスタートし大分市競技場をフィニッシュにするコースに、さらに16年から高低差がより少ない現在のコースになっている。

46年に始まった「びわ湖毎日マラソン(当時は毎日マラソン)」、47年創設の「福岡国際マラソン(当時は朝日マラソン)」とともに、「日本三大マラソン」と呼ばれるようになった。


当初から、いわゆる「エリートレース」だったが、11年(第60回)からは参加資格記録を「3時間30分以内」に緩和するとともに「女子の部」も設けた。

また先に紹介したように、別大では初マラソンの選手や経験の少ない若手が活躍することが多かった。
大会HPには、
「これまで、谷口浩美や森下広一、足立知弥(いずれも旭化成)らが初マラソン初優勝を飾るなど、『新人の登竜門』と称されることも多い。」
と記されている。

01年(第50回)には世界選手権の代表選考レースにも指定され、05・07・09・11年も「選考レース」として行われた。18年(第67回)、19年(第68回)は東京五輪の代表選手選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場権を得られる「MGCシリーズ」に指定され、4人が出場権を獲得した。そして、21年からの「JMCシリーズ」にも「グレード1」のレースとして加わった。

「福岡国際」と「びわ湖毎日」がなくなった今、日本最古のマラソン大会として、「別大から世界へ」を目指し、さらなる発展を目指している。


「世界最高記録」と「あわや世界最高」も誕生

別大での「エポック」といえるレースは、63年(第12回)と78年(第27回)だろう。

63年は、寺澤徹(倉レ)が2時間15分15秒8(当時は、0秒2単位で計時)の「世界最高記録」をマークし、60年ローマ五輪でアベベ・ビキラ(エチオピア)が出した記録を0秒4破った。日本人選手がマラソンの世界最高をマークしたのは現在まで5回(日本の統治下にあった朝鮮半島出身の孫基禎を含む)。日本国内のレースでは4回(孫を含む)だが、寺澤の記録はその最後の偉業でもある。このレースでは2・3位も従来の日本最高(2時間16分18秒4/寺澤/62年)を上回り、10位までが大会記録よりも速いタイムでフィニッシュし、好記録ラッシュに湧いた。

ただ、その3年前の60年ローマ五輪での日本人選手は、31位・32位・46位の成績。同年の世界50傑にも2人(12位2時間20分45秒と39位2時間23分30秒)しか入っていなくて低迷していた。が、63年の寺澤の「世界最高」によって、翌64年東京五輪への期待が大きく高まった。五輪本番での寺澤は15位(2時間23分09秒0)で本来の力を発揮できなかったが、3番目の代表だった円谷幸吉(自衛隊)が、銅メダルを獲得。「マラソン日本」の実力を世界に示し、68年メキシコ五輪での君原健二(八幡製鉄。64年五輪は8位)の銀メダルにもつながった。

78年は、宗茂(旭化成)が世界歴代2位となる2時間09分05秒6で、日本人初の「サブ10」を達成。
宗は、当時としては驚異的ともいえる5km14分台のペースで25kmまでを突っ走り、40kmまでは世界最高記録2時間08分33秒6(デレク・クレイトン/豪州/1969年・アントワープ)のペースを上回っていた。
下記は、宗とクレイトンの5km毎の比較だ。

距離宗茂クレイトン
5km14.51./14.51.△0.09.15.00./15.00.
10km29.47./14.56.△0.19.30.06./15.06.
15km44.36./14.49.△0.41.45.17./15.11.
20km59.29./14.53.△1.01.1.00.30./15.13.
Half1.02.46.△1.03.1.03.49.
25km1.14.19./14.50.△1.22.1.15.41./15.21.
30km1.29.30./15.11.△1.26.1.30.56./15.15.
35km1.45.11./15.41.△1.03.1.46.14./15.18.
40km2.01.15./16.04.△0.40.2.01.55./15.41.
Finish2.09.05.6/ 7.50.6▽0.32.02.08.33.6/ 6.38.6
前後半62.46.+66.21. 63.49.+64.45.
前後半差▽3.35. ▽0.56.

宗は30km以降徐々にペースダウンしたが、それでも40kmではクレイトンを40秒上回っていた。惜しむらくは、終盤で別府湾からの正面からの強い向かい風に見舞われたことだった。
最後の2.195kmを7分18秒4以内(5km換算15分58秒6以内。当時は0秒2単位で計時していた)でカバーできれば「世界最高記録誕生」だったが、7分50秒6(5km換算17分52秒0)を要して「大偉業」を惜しいところで逃してしまった。残念、無念!!

なお、クレイトンのタイムは、国際陸連(現、世界陸連)に正式に認められた記録ではあるのだが、世界の記録の専門家(国際陸上競技統計者協会=ATFS)の間では「(約500mの)距離不足では?」という「???」がついていた。半世紀以上が経過した今となっては確認のしようがないが、もしも距離不足(たとえ1mの不足でも)であったなら、「宗茂が世界最高!!」というニュースが世界中に配信されていたことになる。

63年の寺澤の時と同じく、78年の宗の快走前の日本のマラソンも低迷していた。
76年モントリオール五輪では、宗茂の20位が最高。同年の世界リストでも22位(2時間14分22秒2)が最高順位。翌77年も11位(2時間13分57秒0)・27位(2時間15分00秒1)・39位(2時間15分35秒2)・41位(2時間15分37秒3)が50傑内。が、78年は宗茂の1位(2時間09分05秒6)のあと4位・瀬古利彦(2時間10分21秒0)、5位・喜多秀喜(2時間11分05秒0)と続き7人が50傑内に名を連ねた。80年代の瀬古・宗兄弟・中山竹通を中心とする黄金期につながる「2時間09分05秒6」だったといえよう。

上記の他には、65年(第14回)に上述の寺澤が2時間14分38秒0の「日本最高」。寺澤は63年から66年(第15回)まで4連覇を果たし「別府男」とも呼ばれた。


大会記録と日本人大会最高記録

大会記録は、ハムザ・サリ(モロッコ)の2時間08分01秒(2020年/第69回)。
日本人大会最高記録は、川内優輝(埼玉県庁)の2時間08分15秒(2013年/第62回・優勝)。

5km毎の記録は、
距離大会記録日本人大会最高記録
5km15.03./15.03.15.00./15.00.
10km30.15./15.12.30.19./15.19.
15km45.30./15.15.45.26./15.07.
20km1.00.45./15.15.1.00.47./15.21.
Half1.04.05.1.04.08.
25km1.15.56./15.11.1.16.00./15.13.
30km1.31.07./15.11.1.31.17./15.17.
35km1.46.19./15.12.1.46.27./15.10.
40km2.01.29./15.10.2.01.43./15.16.
Finish2.08.01./ 6.32.2.08.15./ 6.32.
前後半64.05.+63.56.64.08.+64.07.
前後半差△0.09.△0.01.

いずれも30kmまでペースメーカーがきっちりと15分10秒台あたりのイーブンペースを刻んでの記録であったことがわかる。

なお、上述した44年前の宗茂の時はペースメーカーのいない中で、自分で引っ張って現在の大会記録や日本人大会最高記録よりも40kmまで速いタイムで走ったのだから、その凄さがより際立つ。


別大マラソンでの着順別最高記録

1)2.08.01.H・サリ(MAR)2020
2)2.08.06.A・ゴザナ(ETH)2020
3)2.08.30.吉田祐也(青学大)2020
4)2.08.53.小山司(SUBARU)2020
5)2.09.03.B・ツウェペーンラブダン(MGL)2020
6)2.09.06.深津卓也(旭化成)2020
7)2.09.07.聞谷賢人(トヨタ紡織)2020
8)2.09.19.湊谷春紀(横浜DeNA)2020
9)2.09.43.O・ルエサム(ERI)2020
10)2.09.55.小林光二(SUBARU)2020
11)2.10.01.大津顕杜(トヨタ自動車九州)2020
12)2.10.19.安井雄一(トヨタ自動車)2020
13)2.10.19.坪内淳一(黒崎播磨)2020
14)2.10.25.佐々木悟(旭化成)2020
15)2.10.32.福田穣(西鉄)2020
16)2.10.50.斉藤翔太(JFEスチール)2020
17)2.11.00.松尾淳之介(東海大)2020
18)2.11.16.奥谷裕一(大塚製薬)2020
19)2.11.58.中村祐紀(住友電工)2020
20)2.12.31.林奎介(GMO)2020
21)2.13.05.J・ムァゥラ(黒崎播磨/KEN)2020
・以上、2時間15分00秒以内。

上記の通り、20年(第69回)がすべての順位において順位別最高記録を独占している。


日本人が「サブ10」で走った大会別・1分毎の内訳

2022年1月27日現在で2時間10分を切る「サブ10」で走った日本人選手は、78年2月5日の別大で2時間09分05秒6をマークした宗茂から数えてこれまで「149人」で「277回」。参考までに世界歴代での「サブ10」は、「1186人」と「3386回」で日本人のシェアは「12.6%」と「8.2%」である。

149人が自己ベストを出したレースを1分毎にコース別にみると以下の通りだ。
なお、「東京国際」には、81年から06年に行われていた「東京国際マラソン」と「東京・ニューヨーク友好マラソン」のデータを統合した。「東京」の表記は07年から行われている現在の「東京マラソン」だ。また、「発着点の標高差が42.195mを超える下り坂コース」と「発着点の直線距離が21.0975kmを超えて離れているコース(片道コース)」に該当するボストンマラソンの記録は除外した。

【2時間09分59秒以内の日本人選手149人が自己ベストを出した大会別内訳】

・2022年1月27日現在
 4分台5分台6分台7分台8分台9分台サブ10合計割合
びわ湖141122226040.30%
東京1361193020.10%
福岡16992516.80%
別大48128.10%
東京国際2242.70%
防府332.00%
広島W杯110.70%
海外2345149.40%
         
合 計1110265358149 

また、149人が277回マークしている2時間09分59秒以内の1分毎の大会別内訳は、下記のようになる。

【日本人選手が2時間09分59秒以内を出した277回の大会別内訳】

・2022年1月30日現在
 4分台5分台6分台7分台8分台9分台サブ10合計割合
びわ湖141129448932.10%
福岡1817356122.00%
東京14916205018.10%
別大615217.60%
東京国際177155.40%
防府662.20%
広島W杯110.40%
愛媛110.40%
海外1258173311.90%
         
合計12113484145277 

このデータからすると日本人の「サブ10」は、自己ベストでも回数でも21年2月に幕を下ろした「びわ湖毎日」がトップ。同じく21年12月に終了した「福岡国際」と合わせると「サブ10」ランナーの自己ベストも回数も約半数に達する。

「別大」は、自己ベストも回数も4番目だが、「福岡」と「びわ湖」がなくなった現在では、「東京」に続き2位に位置する。今回はどんな選手が飛び出してくるか? である。

【記録と数字で楽しむJMCシリーズ】「別府大分毎日マラソン」日本一を決めるJMCランキングの行方は!?」に続く……


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▼オンエア情報(予定)

2月6日(日)生放送
・11:50~14:24 TBS系列28局ネット
・11:50~14:59 RKB毎日放送、OBS大分放送

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