2021.08.10(火)大会

【東京オリンピック】最終種目男子マラソン、大迫傑が6位入賞!~10日目ハイライト~



東京オリンピック陸上競技の最終日となる大会10日目の8月8日は、北海道札幌市で行われる男子マラソン決勝1種目のみです。前日の女子はレース時間変更の対処がなされましたが、男子に関しては当初の予定通り、午前7時にスタート。日本からは、中村匠吾選手(富士通)、服部勇馬選手(トヨタ自動車)、大迫傑選手(Nike)の3選手が出場しました。
最初の1kmを3分前後(非公式)での入りとなったレースは、5kmは15分17秒(WA公式サイトの発表データによる。以下、同じ)、10kmは30分53秒(この間の5kmは15分36秒)、15kmは46分03秒(15分10秒)、20kmは1時間01分47秒(15分44秒)、25kmは1時間17分24秒(15分37秒)と、ゆったりとしたペースで進みました。この影響もあり、先頭グループは大集団のままで推移しつつも、徐々に我慢できない選手が離脱していく展開に。10km地点の47人が20kmで33人に、さらに25kmでは28人へと減っていく、まさにサバイバルゲームとなりました。





この間、5kmごとの通過地点で先頭となった選手は変動していたものの、先頭集団のペースをコントロールしていたのは、2時間01分39秒の世界記録を持つエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)でした。序盤は集団の前方に位置取り、中間点を過ぎてからは前に出てきてレースを進めていましたが、26km過ぎから“ウォーミングアップは済んだ”とばかりに、同じケニアのローレンス・チェロノ選手、アモス・キプルト選手を従え、30kmまでの5kmを15分07秒に引き上げます。これにつくことができたのは11人と上位争いが一気に絞られることとなりました。キプチョゲ選手は30.5km付近でさらにペースを上げると単独首位に立ち、2位グループとの差をどんどん広げていきます。35kmまでの5kmを一気に14分28秒で駆け抜け、ここでほぼ優勝を決める形となりました。40kmまではややペースは落ちたものの、それでも14分56秒のスプリットをマーク。最後の2.195kmを6分43秒で上がって2時間08分38秒で悠々フィニッシュ。史上3人目となる連覇を果たしました。





日本勢は、この大会を「ラストレース」にすることを表明して臨んでいた大迫選手が、序盤から先頭集団の後方に位置、徐々に中盤付近に上位陣の様子を伺いつつ、レースを進めていきました。集団が一気に絞られた25~30kmでも有力選手が離脱していくなかトップグループに食らいつきます。キプチョゲ選手がペースをさらに引き上げて集団を置き去りにしたあたりで、その2位集団から後れ、一時は8番手に後退してしまいましたが、36km過ぎで2つ順位を上げると、最後まで2位集団の背中を追ってレースを進めました。残念ながら2位集団には届かなかったものの6位(2時間10分41秒)でフィニッシュ。日本勢としては、2012年ロンドン大会の中本健太郎選手以来の入賞を果たしました。
序盤からトップ集団とは別にレースを進める展開を採った中村選手は、序盤は70位前後でレースを進めていく形となりました。75位で中間点を過ぎてからはペースダウンして、25~30kmでは18分台まで落ち込みましたが、終盤で再びペースを持ち直して少しずつ順位を上げ、62位(2時間22分23秒)でフィニッシュしました。一方、服部選手は、序盤は大迫選手とともに先頭集団でレースを進めて20kmは1時間01分49秒で通過していましたが、その後、集団から後れると、後半は大きくペースダウン。35~40kmは22分12秒となる苦しい走りとなりましたが最後まで走り抜き、73位・2時間30分08秒でフィニッシュ。のちに深部体温が40℃以上となる重度の熱中症に陥っていたことが明らかとなりました。
主催者発表の気象状況は、スタート時の気温26℃、湿度80%、終了時点は28℃、湿度72%。暑さの指数を示すWBGT(湿球黒球温度;暑さ指数)は24℃から27℃に変動。これまで行われた競歩や女子マラソンよりは低かったものの、台風接近に伴う強い風や温度変化などの影響もあったようで、レースコンディションは非常に過酷なものとなりました。途中棄権者が出場106名中30名と、約28%にも達するレースでした。

この男子マラソンで、東京オリンピックの陸上競技は全日程が終了。日本は、金メダルの獲得はなりませんでしたが、銀1・銅1のメダルのほか、6位3、7位2、8位2と、メダル2を含めて入賞9という成績を収めました。これは、1992年バルセロナ大会、2004年アテネ大会での「8」を抜いて、戦後最多となる入賞数でした。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト


▶【東京オリンピック】男子マラソン・大迫傑100%の力を出し切り6位入賞!~10日目モーニングセッション選手コメント~
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