2026.10.01(木)
【愛知・名古屋2026アジア競技大会】選手コメント/DAY5(9/27)イブニングセッション/女子100mハードルで福部真子が金、中島ひとみが銀メダル!ほか

男子200m・決勝

水久保漱至(宮崎県スポ協)
3位 20秒56(-0.3)(ケガで)練習が詰めていなかった部分が、決勝に出てきてしまった。レースは、しっかり後半で追い上げていく展開を想定していたが、その余力がまだまだ足りなかった。そこに練習ができてなかったところが出てきたのかなと思う。予選・準決勝のダメージも少しあって、うまく走れなかったと感じている。メダルは獲得したが、もっと上の順位を目指していたので、第一の感想はすごく悔しいというものになる。
(19秒88のアジアタイ記録で)優勝したブーンソン選手(タイ)の姿は視界には入っていた。(ブーンソン選手の走りに)世界との差を感じたレースでもあった。ただ、来年の世界陸上では、また争っていかなければならない相手。これからケガしないように、19秒台で走れるように身体をつくっていき、そこ(世界選手権)で勝負できたらと思っている。
まだはっきり決めたわけではないが、できることなら来年は、9秒台というところを目指して100mもやっていきたいと思っている。また、200mの日本記録(20秒03、末續慎吾、2003年)も、練習がきちんとできていてコンディションがよかったら、全然出ないタイムではないと思うので、まずはしっかり一から身体をつくっていきたい。
男子110mハードル・決勝

村竹ラシッド(JAL)
2位 13秒29(+0.8)こうして大きな大会(東京世界選手権、名古屋アジア大会)が、2年連続して日本で開催され、それを見ることができたのは、自分の長い陸上キャリアの中で、すごく思い出に残る景色になった。しかし、レース自体は、「なかなか思い通りにいかないな」というのが正直な感想である。
今日は(ウォーミング)アップの時から全然力入らなくて、まあ、言ってしまえば昨日のほうが調子はよかったかなというふうにも思ったし、(レースで)走っているなかでも、自分が加速したい中盤のところでハードルをよくない当て方をしてバランスを崩し、そこで隣の選手に(前へ)行かれてしまった。技術的には、そこが一番の反省点。力が入らなかった要因が疲労によるものかどうかは、まだ自分ではよくわからない。
今シーズンは、タイムも着順も全く褒められたものではなかったのだが、なんかそれ以上に自分の弱さに向き合った1年だったなと思う。そのなかでも、自分のどういうところが良いところなのか良くないところなのかみたいなことを、本当に見つめ直すことができた。技術とか、競技力とかではなく、精神的な面で成長できた1年だったかなと感じている。結果は全体に良くないものだったが、絶対に無駄にしたくない1年になったと思う。来年は、優勝した中国選手の地元となる北京で世界選手権が行われる。相手のホームで(活躍して)“荒らしてやろうかな”と思うが(笑)、今はひとまず、ちょっとゆっくり休みたい。
男子走高跳・決勝

坂井宏和(センコー)
4位 2m18悔しい気持ちが十割。まだ頭の整理が追いついていない状況だが、何かもうちょっとできたのではないかなという気持ちがある。でも、いろいろな声援があって本当に背中を押されて、「出てよかった」と、今すごく思っている。
調子がめちゃくちゃよかったので、正直、自信もあったのだが、ちょうど(2m)22の跳躍で、自分の前の試技の皆さんが1回でポン、ポン、ポンと跳んだので、それに流れを持っていかれてしまった。自分にプレッシャーをかけすぎてしまったところがあり、そこは甘さが出てしまった。(2m)18の跳躍は、3回とも感覚はよかったのだが、3本目はちょうど1500mと重なっていて、タイマーが動いていたので「行かなければ」と思って試技を始めてしまった。もう少し待って、落ち着いていけばよかったと後悔している。
初めての日本代表として臨んだこの大会では、全部が新鮮に感じた。みんなが自分だけを見ている瞬間があったり、少し動揺するくらいの歓声が上がったりしたことが、すごく自分の背中を押してくれた。この結果は悔しいけれど、皆さんが場をつくってくれた結果でもある。本当に感謝している。

赤松諒一(SEIBU PRINCE)
7位 2m10思った通りの跳躍ができなくて、「悔しいな」という思いが一番にある。足の痛みというのは今回の試合では本当になくて、そういった意味では安心して臨むことができていた。
今回は、助走に少し変更を加えて臨んだ。これは、外側に膨らみすぎると足の小指側を着くことになるので、そうならないように、いつもより助走を(弧を描かずに)直線的に入るようにした。しかし、その技術的な変更点を、(2m)18の高さで3本以内にまとめることができなかった。それが跳べなかった原因。(2m)18の高さなら、直線的な助走でも跳べるだろうと思っていたのだが、今の自分でできる技術で、その高さを出すことができなかったということである。
助走については、従来のものにだんだん戻していこうと考えているところだが、ただし、今回の試合を終えて足がどうなるのかによっては、もしかしたら今の直線的な助走でいくかもしれない。実際にどうするかは、今の段階ではわからない。
入賞とか、メダルとかを狙って出場した試合で、本当に皆さんにも応援していただいたが、不甲斐ない結果に終わってしまった。来年の世界選手権出場に向けて、これからしっかり鍛え直していきたいなと思う。ただ、(ケガの影響で競技会から遠ざかっていたこの1年は)毎日トレーニングばかりだったので、久しぶりの試合を、今回、地元(岐阜)に近いこの場所で、それも皆さんに応援してもらいながら跳躍できたことは本当によかった。
男子十種競技・決勝

丸山優真(住友電工)
1位 8123点このアジア大会、最初の目標は(自身の)日本記録(8321点)の更新と優勝だったが、右肘にケガを抱えていたので、優勝ということだけを考えてやってきた。達成することができて、本当に嬉しく思う。
2日目は最初の110mハードルから悪くはないスタート…本当は13秒台を出したかった気持ちはあるのだが…を切ることができた。円盤投は少しゴタついてしまったが、その後の棒高跳は自己記録タイで、混成としては自己ベスト。雨のコンディションのなか滑ってしまう危ない場面もあったが、ここで自己タイを跳べたことは収穫だった。やり投は、痛めた肘の状態が一番心配だった種目。1投に懸けようと思って1回だけ投げた。痛みはあったが、(靱帯が)完全に切れたという感じはなかったので、症状を最低限に抑えられてよかった。ここで勝ちにこだわり1回でやめたが、日本記録を出せるペースで来ていたのだけに、もっと記録を伸ばしたい気持ち、悔しい気持ちはあった。しかし、いつでも日本記録は出せることが自分でもわかったので、そこはもう来シーズンへのプラス(材料)と捉え、今大会は勝ちきることを目指した。
最後の1500mは、本当にすごい声援をいただいた。集中していても耳に入ってくるほどの大声援のなか走れたことは本当に嬉しかった。最後はホームストレートでインドの選手と競り合ったが、あそこで差しきれたらもっとカッコよかったのだが(笑)、相手が速くて、それが叶わなかったのが残念である。
満員のスタジアムで、こうやって競技ができることは、日本の十種競技の大会では、ほぼほぼない。このアジア大会は、「これを機に、ぜひ、日本の皆さんに十種競技を知っていただこう!」という思いを持って、たくさんの声援を受けながら、そして僕も(見てくださっている皆さんを)楽しませようという思いで努力しながら競技した2日間だった。ぜひ、たくさんの皆さんに興味を持っていただいて、もっともっと日本の十種競技を広めていけたらいいなと思う。
次に目指すのは来年のアジア選手権でしっかり勝ちきること。エリアチャンピオン枠というのもあるけれど、そこでワールドランキングのターゲットナンバー内に入るような結果を残し、北京世界選手権の出場権を獲得できるように頑張っていきたい。

奥田啓祐(ウィザス)
7位 7230点悔しい。何より悔しいのと、あとは、本当に、本当に、本当に…と何回も言ってしまうくらいに、応援してくださった観客の皆さんのおかげで、2日間やり抜くことができたという思いがある。本当に楽しかったというのが、今の率直な感想である。
2日目は、110mハードルと円盤投で久しぶりにベストが出るなど調子がよく、棒高跳でも試合展開がよい状態で進んでいたのだが、その棒高跳で脛骨に痛みが出てしまった。もともと4年くらい前から、この部位に疲労骨折を抱えた状態でやっていて、ここ3~4カ月くらいは状態がよく、トレーニングも順調に詰めていたのだが、棒高跳をやっているときに変な音がして、脛を見てみたら少し凹んでいる状態になってしまっていた。ドクターからは「開放骨折している恐れもあるから、やめておいたほうがいい」と言われたが、ここまで来たのにやらなかったら絶対に後悔が残ると思ったので、「あと2種目頑張ろう。どんな姿でもいいから、最後1500mでゴールしよう」と続行を決めた。そして、「どんな形でもゴールするから、ゴールで待っていてくれ」と丸山(優真)に言って1500mを走った。
彼の優勝には「本当におめでとう!」という気持ちだが、自分は、まずはこのケガをしっかり治して、来年のアジア選手権に出て、世界選手権出場を実現できるよう頑張っていきたい。
女子200m・決勝

井戸アビゲイル風果(東邦銀行)
4位 23秒21(-0.2)悔しい。この舞台のためにやってきて、もっと高いところで戦いたかったのだが、それができずに4位だったので、まずは悔しいのと、申し訳ないという思いがある。全体的には自分のレースができたのかなと思っているが、後半の競り合うところで硬くなってしまったこと、また、自分の持ち味だった後半が、こういう国際大会ではまだ通用しないということがわかったので、今後、より自分の長所だと思ったところを伸ばしていきたいなと思う。
予選・準決勝よりは走れていて、勝負はできたのかなと思うけれど、自分がイメージしていた勝負の位置は金メダルだったので、そこに届かなかったことが悔しい。フィニッシュ前の自分の位置も、だいたいはわかっていたのだが、最後の最後で気持ちが先走ってしまった。もうちょっと冷静になるべきだったのかなと今は思う。そこまでは勝負はできていたと思うので、最後の30(m)くらい。そこからがダメだったなと思う。
<銅メダルまで100分の1秒差だったか、そこを埋めるために何をすべきか? の問いに>
金メダルを目指していたので、100分の1秒を埋めたいとは思っていないのだが、金メダルとの差を埋めるとなると、長所をもっと伸ばしていくことが、まずは最優先なのかなと思った。それは国際大会に出て初めて気づいたこと。こういう機会を得たから気づくことができ、まだ来年までには時間があるので、(この経験を)来年のための今日だと受け止めて、しっかり反省して、これからの練習をやっていきたい。
<地元開催のこの大会は、どういう大会だったか、の問いに>
この舞台でしっかり勝ちたかったので、今はまだ申し訳ない気持ちでいっぱいである。でも、本当に楽しくて、たくさんの方が観戦に来てくださっているなかで走らせてもらえたのは、本当にありがたいことだった。これをバネに、必ず強くなりたい。
女子3000m障害物・決勝

齋藤みう(パナソニック)
5位 9分27秒56自己ベスト更新と3位入賞というのが目標だったので、どちらも達成できず悔しく感じている。(序盤から上位選手との間隔が離れる展開となったなか)「できるだけ追って、追って」と思って走ったが、今の自分の走力では、前半から突っ込んで走ることができなかったというのがある。
レースがどういう展開になるのか全く読めなかったので、スローになった場合は自分が(前に)出るくらいのつもりだったし、実際には、ある程度のペースで前が引っ張ってくれていたので、序盤はそこについて後半でしっかり上げていくレースをしたいと思っていた。しかし、最終的には、結局そのままずるずると離されてしまう展開になってしまった。
練習は、(日本記録となる自己記録をマークした昨年の東京世界選手権前と比べると)今年のほうができているという自信があっただけに、なんとなく消化不良という感じがある。今の自分の最大の練習をしてきたし、走力も昨年よりついたと思っていたけれど、一方で試合の駆け引きなどの難しさもあって…まあ、そこが楽しさでもあるのだが…、今の自分の精いっぱいの走りはできたと思うが、やっぱり悔しさのほうが大きい。今年は海外で何回か転戦も経験したが、離されてしまうレース展開が多かった。そこに食らいついていけるような走力と精神力が必要だなと感じている。
このスタジアムは、日本選手権で勝てた縁起のいい場所ので、ここで自己ベストを更新したいというのがあった。ただ、次に日本でアジア大会が開催される機会は、自分が生きているうちにあるかどうかくらいだと思っている。そこで日本代表として出られたことを誇りに思うとともに、世界で活躍する選手になるために、もっともっと上を目指していかなければならないという気持ちになった。

西山未奈美(三井住友海上)
7位 10分11秒39国内で行われる国際レースということで、場の雰囲気をしっかり楽しんで走ろうという気持ちで臨み、雰囲気を存分に味わって走りきることができた。思っていたほど緊張はなく、応援も走りながら聞きとって自分を鼓舞しながら走ることができたと思う。
結果としては、もうちょっと行きたかったという思いはあるが、ここにたどり着くまでに、ケガでなかなか走れない期間があり、レース当日まで思うように走ることができず、ぶっつけ本番のような状態で臨んでいた。本当はもっとしっかりとした結果をお見せしたかったのだが、このジャパンのユニフォームを着たいという一心でここまで取り組んできた。走りきるだけの結果になってしまっことは本当に申し訳ないが、こうした気持ちは絶対に次のステージにつながると思っている。
ケガは、9月の中旬にスピード練習をしたときに、一気に足首にダメージが来てしまった。そこからは走る練習は行わず、バイクトレーニングなどで心肺機能だけは落とさないようにし、身体はしっかりとできていると自分に言い聞かせて今日を迎えた。本当に走るだけになってしまったけれど、会場にはたくさんの人がこの大会を楽しみにして、見に来てくださったり、テレビで応援してくださったりした。その思いに応えたいという気持ちがあったから、今回は走りきることができたと感じている。
女子100mハードル・決勝

福部真子(日本建設工業)
1位 12秒74(-0.2)取れるとは思っていなかったメダルだったので、まだあまり実感が湧かないのが正直なところ。まずスタートラインに立てるかどうかというところから始まっていて、自分1人では絶対に取れなかったメダルの色だったので、本当に今まで自分が取ってきたメダルの中で一番価値のある金メダルである。
今日は、朝起きて、「どんな気持ちで、スタートラインに向かっていこうか」ということをまず考えた。そういうふうに自分を奮い立たせるというか、鼓舞しながらスタートラインに自分を持っていったことは初めての経験で、自分の競技人生のなかで少し成長できた部分なのかなと思う。
レース展開としては、スタートから猪突猛進で入って、自分のペースを崩さないということだけを考えて走った。本当に久しぶりに、自分のレースに集中できたと思う。
(アキレス腱痛対策として)予選で使った中長距離用スパイクのほうがしっかり(地面を)踏めるので、気持ちよく走れたのは予選のほうだったといえる。短距離用スパイクを履いた決勝は、自分の感覚よりも速く地面の反発が返ってくるので、そこにどれだけ自分が意識を途切れさせることなく合わせていけるかが一つのポイントになると思っていた。実際に、しっかりそこに全集中してレースを展開できたことがよかったのだと思う。
<フィニッシュの段階で勝ったことはわかっていたのか? の問いに>
全然わかっていなかった。(優勝争いすることになるであろう中島ひとみ選手が)10台目を越えてからが速いことはわかっていたし、後半強い選手であることもわかっている。でも、今日は、そこをあまり考えることはなく、「とにかく何も気にせずゴールに突っ込むしかない」と思っていた。ゴールした瞬間は目をつむっていて、だからどちらが勝ったかとかも全然わからなくて、スクリーンを見たときに自分が映っていたので、「あ、私(が勝ったの)か」と思った。
実は、今回のアジア大会で引退することも考えていて、自分のなかの集大成として、しっかり走れたら結果もついてくるという思いで臨んでいた。「自分が中学生のころからやってきたなかで得た勝負強さを、最大限引きだして終わろう」というふうに思ってレースをしたことが、今回の結果につながったのかなと思う。引退を考えた背景には、自分が目指すアジア記録(12秒44)に対して、いつ症状が出るかわからず、治療法も解明されていない菊池病の影響で体調を崩し、思い描く練習ができないこと、試合で戦っていきたいのに試合に出ることで精いっぱいという事実があること、思うようにできないことを病気のせいにしてしまう自分を苦しく思う気持ちがある。まだ決断はしておらず、いろいろな方に相談したり、助言をいただいたりしている状況なので、大会が終わってから、じっくり考えていきたい。

中島ひとみ(長谷川体育施設)
2位 12秒78(-0.2)アジア大会で1位を取るということを本当にずっと思い続けてやってきた。自分自身は金メダルを取ることができなかったわけだが、本当に準備をしてきての結果なので、これが実力。素敵な負けでした。
スタートから焦ったりするわけでもなく、最後はちょっとバタついてしまったものの(笑)、自分らしいレースはできた。何の言い訳なく全力を出しきった。
予選が自分のなかのいい動きと遠かったので、決勝は、今できる限りの自分のベストのパフォーマンスをしっかりとやって優勝したいという気持ちで、スタートラインには自信を持って立つことができていた。自己ベストが出たわけでもないし、これがベストのパフォーマンスなのかと言われたら、そうではないかもしれない。しかし、この大会に向けて、本当に、本当に、これ(勝つこと)だけを思ってやってきた。その過程に何も嘘はないし、本当に一所懸命やってきたので「楽しかった」と言いたい。終わったばかりなので、今は先のことを考えられないけれど、でも、この大会をしっかりと次につなげていかないといけないと思うし、何よりも競技日程が変わったりしたなかで、たくさんの方々が見に来てくださって、ファンの方々も期待してくだっていた。きっと、自分の悔しい顔を見るよりも、「楽しかったんだろうな」と思ってもらえる顔を見ることを、皆さんも望んでいると思う。
<今回の銀メダルを、どういう銀メダルだと思うか? の問いに>
うーん、本当にいい銀メダルだと思う。この銀メダルを見て、いろいろなことをまた思い出すだろうし、アスリートとしてこういう気持ちを味わえることは、もうあとは限られている。こういう経験ができるのは、本当に幸せなことだと思う。日本に44年ぶりに金・銀を持って帰れたのは嬉しいこと。日本の皆さんの前で、日本人が金・銀を取れた大会として歴史に残ると思う。
女子走幅跳・決勝

秦澄美鈴(住友電工)
5位 6m39(-0.2)今の心境をひと言にすると、ありきたりかもしれないが「悔しい」というのが率直な思い。
しかし、内容は今季で一番良かったと思っていて、まず、1本目からしっかりと走る助走ができていた。ずっと抱えていた技術的な課題に対しては、すごくいい入りができたと思っていて、その部分は、すごく評価できるポイントではある。ただ、結果的に記録に結びつけることはできなかった。まだあと2段階くらい足りない部分があるのかなと感じている。
後半の4本目以降では、感覚が本当によくなってきていたので、もっと記録を伸ばせる自信を感じていた。この「自信を持って跳躍できる」ということが、まず第一歩だなと思う。また、5本目はファウルに終わってしまったが、その跳躍が本当にここ最近の「走れていない、踏み切れていない」という状態ではなく、「走れている、踏み切れている」という技術的な課題に対しては、かなりいいパフォーマンスをすることができた。これをしっかり記録につなげられたらメダルは獲得できるという思いで6本目に挑んだ。記録は伸ばしたものの(6m39)、メダルには(7cm)届かず、「やっぱりそう甘くはないよな」という気持ちである。
今日は前半から余裕を持って入ることができた。1本目から入りがよかったので、5本かけて修正ができたことは良かったポイントといえる。この感覚をしっかりつかみきって終われなかったことは惜しまれるが、それでも、やっと自分でも納得のいく兆しが見えたかなと感じている。
今年のシーズンベストという記録でみたときに、まだ来年の北京世界選手権に向かうスタートラインに立てたとはいえないし、安定感にも欠けている。今ある課題に対して、これから着実にコツコツと進めていくことが、北京(世界選手権)やロス(オリンピック)につながると思うので、まずはそこを足元から順番に組み立てて、積み上げていきたい。

髙良彩花(JAL)
10位 5m96(-0.2)とにかく、すごく悔しい。今季は、初戦以降、全然うまくいかなくて、でも、ずっとアジア大会を目指してやってきていたので、絶対にいい結果で終わりたいと思っていたし、自己ベストも4年間出ていないので、そこも含めて取り組んできた。しかし、本当にうまくいったりいかなかったりで、まさに山あり谷ありという感じで、なかなか上り調子にしていくことができなかった。ウエイト(トレーニング)とかスプリントとか、部分部分で能力が上がっていることは実感できているのだが、それを走幅跳に落とし込もうとすると、なかなか嚙み合ってくれない。そういうところが今年はすごく出てしまっていて、間に合わせることができなかった。
でも自国開催の国際大会に、現役の時に出られるというのは、一生に一度といえるくらい本当にめったにないことだと思っているので、この雰囲気を味わうことができたことは、すごく嬉しかった。同じチーム(JAL)のラシッドくん(村竹ラシッド、110mハードル)や北口さん(北口榛花、やり投)が活躍しているなかで、私は去年、世界陸上をスタンドから応援する側だった。ずっと同じ舞台に立ちたいと思っていて、今回、やっとその第一歩として立つことができただけに頑張りたかった。まずは、うまくいってない踏み切りの部分をもっと練習して、来年は絶対に自己ベストを跳んで、北京世界選手権に出られるようにしたい。
女子やり投・決勝 ※ダイヤモンドアスリート修了生

北口榛花(JAL)
2位 62m70自分のなかでも期待感があっただけに、すごく悔しいし、何よりも、彼女(優勝した中国の厳子怡選手)を1人旅させてしまった。そこで勝負ができなかったというのが一番悔しいし、自分も日本記録(68m92、9月12日に行われた世界アルティメット選手権を制した際に樹立)のあとも課題がいっぱいあって、もっと投げられる自信があっただけに、このような結果で終わって、すごく悔しい。
アルティメット(選手権)では、助走(のスタート位置)を下げて(距離を延ばし)、自分の投げを完結できるように、スペースを確保した。それがあの大会での収穫で、その投げを70%くらいではあったものの完結することができたからこそ、日本記録が投げられたと思っているのだが、今日は、1回目から止まってしまう部分が多くて、それが自分の力みによるものなのか、雨への対応力がなかったからなのか、あるいは自分の癖が戻ってきてしまったものなのかを、まだ自分のなかでは整理しきれてないのだが、特に1投目から3投目は、思いきり投げることがなぜかできなくて、4投目以降でようやく少し力感を入れて投げられるようになった。
構えもしっかりつくれなかったし、走りも自分では走れていると思っていて、助走距離的にも走れてはいたのだが、「あまり進んでないように見える」とずっと言われ続けていたので、自分の感覚とずれていた部分が、今日は多かったのかもしれない。
アルティメット選手権後、ヨーロッパから帰ってきた関係もあり、疲労感は出ていた。しかし、このアジア大会は、プライオリティを高くして臨んできていた大会。同じようにアルティメットを経て出場していたなかで良い成績を残している選手もたくさんいるので、そこは自分の足りてない部分がたくさん出たのかなと思う。
来シーズンに向けては、冬季のトレーニングも、最初からヤン(ゼレズニーコーチ)のメソッドで、やっていくことにしている。すでにコーチのほうから「あれをやってみたい、これをやってみたい」というようなことをたくさん言ってくれているし、自分もやってみたいことがたくさんある。自分もコーチも伸びしろをすごく感じることができた1年だったので、来年や再来年に成果を出せるようにしたい。
70mという記録は、今の私の実力では、いろいろな条件が噛み合わないと、ちょっと出すことが厳しい状態。厳選手とはタイプが違っているし、なぜ投げられなかったかを答えるとしたら、自分の土台がまだ足りないという言葉に尽きると思っている。
<1回目で、先に70mを投げられたときは、どんな心境だったか? の問いに>
もう彼女は(70m台を)ごまんと投げてきている(笑)から、「はいはい、そうっすよね。投げてくるよね」という感じ(笑)。しかも、次(2回目以降は)投げないことも、もうわかっていたかのようにスムーズに準備することができた。それは、(これまでの)経験値があったからだと思う。
<今季を振り返っての感想を、の言葉に>
(ゼレズニーコーチに師事しての挑戦が)まだ始まったばかりで、その段階で日本記録が出せて、そしてアルティメットという舞台で勝つことができた。去年はケガでなかなか思うような成績が残せなかったが、この結果で「まだ私は世界と戦いたいのだ」という意思表示をすることができたと思う。不安はいっぱいあったけれど、でも、無事にやりきれて本当に安心したし、周りの人も「まだまだ伸びしろがある」と言いながら、今季の結果を見てくれている。必ず70mを投げられるように、次のシーズンから切り替えて頑張りたい。また、私は東京オリンピックも、東京世陸(世界陸上)も全然投げられなくて、自国開催の世界大会で、戦える力はあるのに投げられないという結果が続いた。このアジア大会も記録的にはあまりよくなかったけれど、今回、武本(紗栄)選手と2人でメダルを取れたことは、自分にはすごく嬉しかった出来事。今、日本のやり投は強豪国と言っていいと思っている。日本の選手全体で世界と戦えるように、これからも頑張っていきたい。

武本紗栄(オリコ)
3位 62m15素直にとっても嬉しい。目指していた自己ベスト(62m39、2021年)には届かなかったが、雨が降っていて、皆さんが60(m)を越えて好記録を出してくるなかで、負けずに自分も自分に集中して投げることができたことに成長を感じた。
今日は、(記録が伸びていなかった)5投目までも、あんまり考えすぎずに、自分のやってきたことを信じてやっていたが、そのなかで試合の時に出る新たなエラーみたいなものが出ていたので、修正しながら投げていた。しかし、6投目はもう本当に「最後はもうやるしかない」という気持ちだけで投げた。
投げたときの感触は、「さっきよりはましかな」という感じ。「行ったな」というほどのものは感じることができていなくて、まっすぐにやりが出たので、「60(m)行っていたらいいな」くらいに思っていて、観客の皆さんの声援で「60(m)は越えたな」とわかった状況だったので、まだまだ行けそうな手応えがある。
今日は本当に調子がよく、身体のコンディションもよかった。特によかったのが助走。シーズンの最初から課題にしていた助走が本当にスムーズで、悪い力みもなく(地面からの)反発をもらいながらリラックスして前へ進むことができていた。
私は、アジア大会がどのくらい大きな大会であるかを、よくわかっていなくて(笑)、オリンピックもまだ行けていないし、ここまで本当にステップ・バイ・ステップでここに来ることができたと思っている。メダルは取れると思っては来たけれど、実際に獲得することができて本当によかった。北京世界選手権の参加標準記録(63m40)は近いようで遠い記録と思っていたが、ただ、今回の試合で「今までの感覚よりも、もっとガツンと行っていいんや、もっと思い切って行っていいんや」ということがわかったので、行きそうだと感じている。
男子800m・予選

落合晃(駒澤大学)
1組1着 1分45秒90まずは決勝に進むことができて、今はホッとしている。コンディションとしては、この大会に向けて、パークシティ(アメリカ・ユタ州)でしっかり3週間練習を積むことができていて、本当に良い状態で臨むことができた。予選は1組ということもあって、最初はスローになりそうだったので、自分から意識的に前に出てレースを進めた。そういうところを冷静に判断できたこともよかったと思う。
パークシティは、(標高)2000~2500mくらいの高地。そこでしっかりとスピード練習に取り組むことができた。また、ラスト100(m)とかラスト200(m)からの切り替えのところは、本当にしっかり磨いてきたので、すごく自信があった。決勝は、“勝負レース”になる。しっかりと金メダルを目指して頑張りたいと思うし、それについてくる形でタイムが出てくればいいなと思っている。

萬野七樹(関西大学)
3組2着 1分49秒91日本代表として臨む初めてのレース。もちろん緊張はしていたが、それをしっかり楽しみながら走ることができ、自分のなかでもいい走りができたと思っている。プランとしては、2~3番手についてレースを進め、ラスト120mあたりまで(力を)溜めて、あとは自分の得意なところで勝ちきるというレースをしたかったので、その通りに走ることができたと思っている。着順での通過を確信できたのは、ラスト200m付近。その段階で3番手にいたので、「いつも通りのキレを出すことができたら、1人は抜かすことができる」という自信があり、そこで2着で通過できると思った。
これで落合選手(晃、駒沢大学)と揃っての決勝進出となった。決勝では、しっかり2人で競り合いながらいいタイムが出せたらいいなと思っている。1分44秒、43秒といったところを目指して頑張りたい。
男子4×100mリレー・予選

◎日本(多田修平、小室歩久斗、桐生祥秀、小池祐貴)
2組1着 38秒71 =決勝進出
1走 多田修平(住友電工)
ちょっとバトンミスをした部分はあるけれど、1着で通過できたので、ホッとしている。ミスというのは1・2走で離れてしまったところがあった点。そこは修正して、決勝で改善したら、まだまだタイムは上がると思う。あとは、まだまだ個々の走力を上げることができると思っているので、そこを意識して頑張りたい。決勝進出できなかった100mからは1日空いたので、その1日は落ち込んで、リレーは本当にやるしかないので、気持ちをしっかり切り替えて挑んだ。今回は、悪条件なのでタイムは考えていないけれど、やっぱりみんな、金メダルしか見ていたいので、決勝は、ひたすらそこを目指して頑張りたい。
2走:⼩室歩久⽃(中央⼤学)
このメンバーで走り始めたのが今年の7月くらいで、1~2走のところのバトンというのは、けっこう修正の必要なレースが多かった。今回のレースも、ちょっと遠い形になってしまったが、明日の決勝にはしっかり修正できるような内容だと思うので、そこは決勝でしっかり走りたい。自分の走りに関しては、(ウォーミング)アップの段階から調子がよかったので焦らずに走ることを心がけた。前にタイのブーンソン選手(100m・200m2冠)がいたのだが、焦ることなく、しっかりついていくことができたのではないかと思う。決勝は、さらに2段階くらいギアを上げて、最高のパフォーマンスができるようにしたい。3走:桐⽣祥秀(⽇本⽣命)
明日(の決勝)になれば、小室(歩久斗)とのバトンは、たぶんもっと思いきり出ないといけないなと思う。今日は1~2走のバトンがちょっとうまく行かなかったところで、スタートが気持ち緩くなってしまったかもしれない。ただ、明日はもっと行かないと優勝という部分では、もっと違った感じになるはず。そこはしっかり行きたいなと思う。<オーバーハンドパスの取り組みはどうか? の問いに>
中国も日本も今、38秒台ということは、もうたぶんバトンパスがどうこうというより全体的な走力の問題。日本が37秒台を出しているときは、ハキーム(サニブラウンアブデルハキーム)が9秒台で、ほかの3人も10秒0台から1台だった。そのくらいでまとめないと37秒台は出ないし、それはバトンどうこうの問題ではない。明日の決勝もバトンがどうというより、みんなの走力を信じて臨むことが、金メダルにつながるのかなと思う。
4走:⼩池祐貴(住友電⼯)
バトンの部分は映像が見られていないのでよくわからないが、桐生(祥秀)くん曰く、詰まったそうなので、出(自身のスタート)は後れていないと思うし、予選は安全に行ったところがあるのでまあ狙い通りかな、と。手をしっかり止めて、しっかり(バトンを)受けるところができたのでよかったっていうのと、あとは(バトンを)もらって、コーナーを抜けて顔を上げた段階で前(先頭)にいることがわかったので、スピードを維持するだけで抜かれることはないかなという感じで走らせてもらった。100mとリレーの走りでは、技術的に違うところがあるので、リレーはリレーとして事前に練習してきた通りにやって、そのなかでどういう加速ができるかということを予選でチェックした。(大型スクリーンの)映像を見る限り、そんなに悪くなかったと思う。決勝は、このまま気合を入れるだけでいいのではないかと思っている。
女子4×100mリレー・予選

◎日本(青木益未、三浦愛華、壹岐あいこ、御家瀬緑)
2組2着 43秒65 =決勝進出
1走:⻘⽊益未(七⼗七銀⾏)
理想は、予選で日本記録を出して、決勝で42秒台を出すことだったが、思ったよりもバトンがうまく流れなかった。ただ、決勝でしっかりバトンがつながれば、日本記録は絶対出せると思っているし、予選が終わったあと、みんなでそう話していた。決勝では、日本記録はもちろんのこと、42秒台を目指して頑張りたい。1~2走のバトンパスでは遠かったのと、2回くらい空振りをしてしまって、本当にぎりぎりで渡る形となった。やはり(ウォーミング)アップとレースとでは違う。決勝では、(三浦)愛華ちゃんがもっとうまく加速に乗れるよう、バトンが遠くなりすぎないように調整して、スムーズに走れるようにしたい。2走:三浦愛華(愛媛競技⼒本部)
自分の走りは、悪くはなかったと思うので、あとはバトンの部分。1~2(走)の受け渡しにちょっと気になるところがあったので、そこをしっかり改善して、決勝は日本記録を最低ラインで狙っていきたいと思う。2走の役割は、1走からの流れをしっかり3走につなげていくこと。これは、リレーの流れとしては重要なところではあるので、自分が思っている以上の走りを出さなければいけないなと思っている。2~3走のパスは、動画を見ていないので正確なところはわからないけれど、私的には悪くはなかった。再現性を高めて、このくらいのバトンパスを決勝でもやっていきたい。3走:壹岐あいこ(⼤阪ガス)
昨日の200(m)はすごく不甲斐なくて、帰ったあとも、情けないし、恥ずかしいなという気持ちだったが、リレーはリレーとして、日本チームに貢献したいという思いが強かったので、それを体現できた走りだったのではないかと思う。3~4走は少し遠くなってしまった。原因はいろいろ考えられるが、まだ動画を見ていないのでよくわからない。動画を見たり、周りの人の意見を聞いたりして、明日の決勝に向けて改善していきたい。4走:御家瀬緑(住友電⼯)
(リレーの)1本目ということで、まだまだ改善できるとこがあるとそれぞれが思っている。伸びしろのある結果だったのではないかと思う。私自身は、100mが終わってから、しっかり疲労を抜いて、まだ力が入りそうな余地がある。決勝ではもっと力強い走りができればと思っている。3~4走のバトンが遠くなってしまったが、練習と本番では身体の動きがやはり違う。そのことが予選のこの1本でわかったので、決勝での足長をどのくらい縮めるかとかは、これからコーチと相談していこうと思う。まだまだ加速のところは、うまくいきそうな感じがある。決勝では、日本記録の更新と優勝を目指して頑張りたい。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:©AINAGOC、アフロスポーツ、フォート・キシモト
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「第111回日本陸上競技選手権大会
兼 北京2027世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考競技会」
開催日:2027年6月11日(金)~6月13日(日)
会場:大阪・ヤンマースタジアム長居
特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/jch/111/
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