さいとうせんせいさん
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- 34歳です。娘がまだ一歳なので、開催3日目に国立競技場周りを抱っこして歩きました。『All my treasures』を口ずさみなが歩いていると自然と涙が出てきました。私の人生は陸上競技と共にあったと。
私が小学生時代、為末大、室伏広治、末續慎吾、高橋尚子、陸上は黄金期と言っても過言ではなかったでしょう。世界陸上は眠い目を擦りながらの初めての夜更かし。日本がメダルを取るなんて夢にも思わなかった200mや400mH。今でもその瞬間を思い出すと鳥肌が立ちます。
努力や才能の壁に悩まされた中学高校時代、大阪で世界陸上がありました。織田裕二の『All my treasures』を聴きながら練習すると、いつか夢に届くのではないかと勇気を貰いました。
大学時代、もう競技ではトップになれないと諦めてしまい、運営の仕事・競技を支える側になろうと思い、関東学生陸上競技連盟の常任幹事として働きました。旧国立競技場で関東インカレ、全日本インカレ、10000m記録挑戦競技会の運営に携わりましたが、どんなに頑張っても会場の席が満員になる事はありませんでした。
2020東京オリンピック、チケットを買い、期待に胸を躍らせていましたが、コロナの影響で無観客。ひっそりと新国立競技場を見に行っても人は誰1人居ませんでした。
そして「東京2025世界陸上」
沢山の人が嬉しそうな顔をして、新国立競技場に来ています。企業のブースや特設ステージ、会場の外まで溢れる声援、それぞれの国旗を持って歩いている海外の方。コロナで行えなかった分を日本中、いや世界中の人々がこの瞬間を待ち望んでいた事でしょう!
妻に懇願し6日目のチケットを購入。仕事帰りに急いで千駄ヶ谷へ。
文字通り『満員の国立競技場』
入場ゲートから近い席だったので色々な人の最初の声を耳にします。
『すごーーい!』
『テレビで見たやつだ!』
『うわ、コレ写真撮ろう!』
『ここでオリンピックやりたかったねー!』
そんな声を聴きながら、日本人選手を大声で応援し、海外の有名選手の活躍に歓声を上げ、私は心の底から思いました。
『あぁ。陸上競技と出会えた人生で良かった。』
帰り道、相変わらずの『All my treasures』を聴いて号泣しました。
そんな想いを秘めながら、今は埼玉県の高校の体育教師として働いています。
素敵な大会をありがとうございました。