2016.09.03(土)選手

【リオ五輪帰国後インタビュー】 第1回 男子4×100mR[山縣選手・飯塚選手・桐生選手・ケンブリッジ選手](その3)

コーナーからのスタートをしっかり準備(山縣)
思いきって行くことを心がけた(飯塚)
絶対に行ける自信があった(桐生)
メダルを取って帰ろうという気持ちに切り替わった(ケンブリッジ)

――それぞれに個人種目を終えたあとでのリレーでした。山縣選手は自己新をマークしていますが、ほかの皆さんは必ずしも満足の行く結果とはいえなかった面もあったと思うのですが、いかがでしょう? 飯塚選手、桐生選手、ケンブリッジ選手は、どう気持ちを切り替えたり修正したりしましたか? 山縣選手は100mのあと、どうリレーに向かったのですか?
山縣:そうですね。僕は、普通に走れば流れはつくれるだろうと、自信をもって臨みました。ただ、直線とコーナーとでは絶対にスタートの感覚が違うと思ったので、そのあたりは抜かりがないように、100mが終わってからの3日間で、感覚を確かめる練習をして準備しました。
飯塚:僕は200mで予選落ちだったのですが、200mはレース前にけっこう考えすぎてしまったんですね。だんだん加速で上げていくようにするつもりだったのが、上がりきらないまま直線に入ってしまって結局何もできないまま終わってしまいました。僕のスタイルだと、無意識で、考えすぎずに走るということが大切だったのですが、2回目のオリンピックでどうしても結果を残したいという気持ちが強くて、それが空回りしてしまいました。なので。リレーは思いきって行くということを心がけました。(メンバーの)3人をすごく信頼していたし、自分の仕事をやれば行けるっていう自信もあったので。思いきってやるように切り替えられたところが、(うまくいった)一番の要素ですね。
桐生:(予選落ちに終わった)100mのあとは、(専任コーチの土江寛裕)先生と、“そろそろ嫌いな練習も取り入れよう”みたいな話をして、寝て、起きたら、もう大丈夫でした。“このまま帰ったらヤバい”というのもあったので、リレーで挽回しないといけないし、最高のメンバーが揃っているので絶対に行けると思っていたので、自信はありました。100mは悔しかったけれど、それは次に繋がるためのあの結果だというふうに考えていました。

――では、リレーモードに、ばちっと切り替えられた?
桐生:はい、たぶん。というか、よく覚えていないんですよね。どうやったのかは。
ケンブリッジ:僕もある程度すんなり切り替えはできたかなと思います。予選が余裕を持って終わって、けっこう手応えを感じていたぶん、準決勝の結果はちょっと残念だったんですけどね。その日はけっこう悔しかったけれど、次の日くらいからは、そのぶんリレーでしっかりメダルを取って帰ろうという気持ちになっていました。

藤光さん、高瀬さんがいたから、普段通りでいられた。
2人がいてくれて、本当によかった(飯塚)

――メダルを取ったのはあなた方4人ですが、ここに至るまでには数々の先輩方の挑戦がありました。また、今回のリレーに関しても、年長者で控えに回った高瀬選手(慧、富士通)、藤光選手(謙司、ゼンリン)の存在が大きかったのではないかと思っているのですが、いかがでしょう?
飯塚:もちろん、高瀬さん、藤光さんがいなかったら、間違いなくここまでこられていなかったと思っています。2人が僕らより年上というのがすごく大きかったです。だって、絶対に悔しいと思うんですよ。でも、アップで一緒に流しをやっているときとかも、絶対にいろいろな思いがあるはずなのに、そういうのを見せず、僕らをサポートしてくれました。それは若い選手だったらできなかったことじゃないかと思うし、2人がそばにいてくれたからこそ、僕らは1つも困ることなく、いつもと変わることなく競技に臨めました。それは、とてもありがたかったです。

――ほかの皆さんも同じ思いでしょうか?
山縣・桐生・ケンブリッジ:(大きくうなずく)
飯塚:決勝の前も、「頑張ってこい」と、いつもと同じように送りだしてくれて、レース後は心から喜んでくれました。あの2人がいてくれて本当によかったです。感謝しています。

100%に近い力を発揮できた一方で、地力の足りなさを感じた(山縣)
これを契機に、それぞれが個人で一気に殻を破るチャンスがある(飯塚)
嫌いな練習もしっかりやります(桐生)
もっと外国選手と戦う機会を増やしたい(ケンブリッジ)

――今回、皆さんはメダルという大きな成果を得られたわけですが、それ以外にこのオリンピックで学んだこととか、課題だと感じたことはありますか?
山縣:100mでは、走るいいイメージがつかめたので、日本に帰ってからの試合につなげられるんじゃないかというのが収穫としてありました。ただ、僕は今回のオリンピックでは自分の持っている力の100%に近いくらいを出せたという自負があるのですが、それでも個人は準決勝で落ちてしまったわけで、地力が足りないことも実感しました。そこはもう鍛え直していくしかないなと思いました。
飯塚:今回は、個人はよくなかったけれど、リレーで銀メダルが取れました。メダルを取れた要因には、バトン技術もだけど、それぞれの走力が上がったということがあると思うので、これをきっかけに、それぞれが個人で一気に殻を破るチャンスがあると思っています。そういう意味で個人種目の可能性への自信になりました。あと、競技以外のことでは、いろいろな場面で開催国のブラジル人の温かみを感じることができました。日本をすごく応援してくれる様子があったので、そういうのは、オリンピックでしか味わえないことなのかなと思いました。
桐生:今シーズンは、スタートがどうしても気になっていたんですけど、100mとリレーを走ってみて、ケンブリッジさんを目がけて走った(リレーの)ほうが速かったので、スタートにこだわるのはもうやめようかなと思いました。あと、さすがに数年間、筋トレとかしていないと、地力が足りないなと気づいたので…。(インタビュアーを見て)…何を爆笑しているんですか?(笑)
山縣・飯塚・ケンブリッジ:爆笑

――笑。失礼しました。身に沁みましたか?
桐生:身に沁みましたね、今回。嫌いな練習もやらなくちゃというのを。今ごろ気づくのも遅いんですけど。

――でも、しっかりやっていこうという気持ちになった?
桐生:はい、なりました。今後は、練習をしっかりやります。

――ケンブリッジ選手はいかがでしょう?
ケンブリッジ:僕は、ある程度、手応えを感じました。“もうちょっとやれるかな”という。今回一番思ったのは、もっと海外の選手たちと戦う機会を増やすことが必要だなということ。海外の選手はいろいろな大会で常にトップの選手同士で走っているので、僕もそういう機会を増やして、こういうオリンピックとか世界選手権とか以外でも、常にそういう人たちと戦って経験を積んでいくのが大事かなと思いました。

――そうした収穫や課題を、次の目標に向けて、ぜひつなげていってください。まずは、これから秋のシーズンですね。一段と注目されることになると思いますが、メダリストとなった皆さんの素晴らしいパフォーマンスを楽しみにしています。
(2016年8月24日収録)

>>リオ五輪帰国後インタビュー 第1回 男子4×100mR(その1)はこちら
>>リオ五輪帰国後インタビュー 第1回 男子4×100mR(その2)はこちら

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◎写真/競技写真:フォート・キシモト、インタビュー写真:高橋将志
◎取材・構成/児玉育美(JAAFメディアチーム)

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