2018.09.03(月)大会

【アジア大会】監督総括コメント

日本選手団は8月30日夜、アジア大会の全日程を終了。金メダル6、銀メダル2、銅メダル10を含めて全部で46の入賞を果たしました。
麻場一徳監督(強化委員長)は最終種目の男子4×400mRレース後、競技会場で囲み取材に応じ、全体を総括しました。コメントの要旨は以下の通りです。


◎アジア大会を総括して
麻場一徳日本選手団監督(日本陸連強化委員会強化委員長)

個々に見ると物足りない選手もいたかもしれないが、全体としては、今回、選手たちは非常によく自分たちの力を発揮してくれた。また、選手の頑張りはもちろんだが、情報共有や共通認識など、スタッフ間の横の連携がとてもうまく機能していた。この大会は、運営面において今までにはないくらい、さまざまな場面で問題が多発したが、そんななかでもうまく対応していくことができた。これはチームとして戦ううえでは、非常に大切なことだと思う。

日本は当初、4つの金メダルを目標に掲げて臨んだが、結果は6つとなった。
この6つのうちで想定していたのは、男子のマラソン、50km競歩、十種競技、4×100mR。これに加えて、男子200mと男子棒高跳で獲得したわけだが、男子200mに関しては、最近進境著しい小池祐貴(ANA)が、この大舞台でも力を発揮して、結果を残してくれた。彼の今後にとっても大きな収穫だったと思う。また、棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)に関しては、若いときに世界選手権で入賞する(2013年モスクワ世界選手権)など結果を出していたが、その後、ちょっと伸び悩んでいるところがあった。しかし、小林史明コーチの指導のもと、海外に積極的に出て修行を積んだことが、今回の成果につながったのではないか。それらが、想定していた4プラスαとして、プラス2の結果が得られた要因だと思う。

メダルの総数についていえば、前回の仁川大会は金3、銀12、銅8だったが、今回は金6、銀2、銅10という結果となった。銀メダルは全体の数としては減っているが、そこは皆さんも見ていただいたように、アジアのレベルが非常に上がっていることが理由の1つとして挙げられる。もともと強かった中国のほか、中東だけでなく、インドなどもパフォーマンスを上げているし、タイやベトナム、韓国、台湾などにもいい選手が出てきており、そんなに簡単に勝たせてはもらえなくなってきている。そのなかで金メダル6というのは、評価に値するのではないかと思う。ただ、「世界大会でメダル」ということを考えたときには、アジアの大会では「金」というところをきちんと押さえていけるだけの力をつけなければならない。そういう意味では、前回よりも3つ増えたということは、来年の世界選手権、そして、再来年の東京オリンピックに向けての道筋を考えるうえで、第1ステップしてはいい形で踏み出せたのではないかと考えている。

一方で、メダルにあと一歩となる4位、5位が多く見られたことは、今後の課題の1つになる。また、銅メダルは10個獲得したが、その銅メダルのなかにも、健闘して、それこそ本来は4・5位が妥当となるところを3位までもっていくことができたものもあれば、逆に本当は金が取れたはずだったのではないかというものもある。そのあたりは、帰国後、きちんと精査したい。
いずれにしても、今後は、成果が上がった、そのところを基準にして、そこに合わせていくことになる。それができれば、確実に来年、再来年につながっていくと思っている。

女子の最高成績はマラソンの銀メダル。金メダルも含めて男子に比べて全体的に結果が出せていない。前回から比べると、個人名を挙げてしまうが、前回、前々回で金・銀複数のメダルを獲得している福島千里(現セイコー)が今回は故障の影響で結果が出せなかった。また、2010年広州大会優勝など、これまでエースとして成果を残してきたやり投の海老原有希(スズキ浜松AC)が昨年引退したことが影響している。これに続く、あるいはこれに代わる女子の柱となる選手が育っていない点は否めない。福島については、今回たまたまアキレス腱に支障が出て途中離脱を余儀なくされたもののまだ若い。心機一転して頑張ってくれているし、今回、話をしたなかでも意欲をしっかり持って今後を目指してくれていることを感じたので、必ずやってくれると信じている。できれば、その福島とともに、日本女子の柱となる選手が育ってきてくれたらなと思う。
育てていくことを考えたとき、これは陸上競技の特性なのかもしれないが、1つは何かのきっかけでポンと出てくるケースと、地道に積み重ねて力をつけていくケースがあると思う。この大会でも、中堅、あるいは若手から中堅になろうという年代で、頑張っている選手たちがいた。ポンと強くなってくる選手のほかに、そうした選手たちにも、もうワンランク上がっていってほしい。その2種類で活躍する女子アスリートを増やしていってくれたら…と思う。

また、この大会に向けては、故障などで思ったように力を出せない選手が何人か見られた。コンディションチェックというのは当然やっているが、今後は、特に、最終選考会のあとのコミュニケーションを、もう1回見直していく必要はあると思っている。
東京オリンピックを考えたときに、今回は、それに近い気象条件下での競技会となった。マラソンに関しては、すでに報道していただいている通り、暑熱対策に関して一定の成果は上がっていると考えている。全体の傾向はだいたいつかめてきているので、今度は、1人1人の特徴が違うなかで、そのあたりにどうアジャストさせていくか。その点が、これからの課題になってくると思う」

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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