2018.07.29(日)選手

【男子短距離欧州遠征レポート】参加選手コメント 原翔太(スズキ浜松AC)、染谷佳大(中央大)、山下潤(筑波大)

2020年東京オリンピック男子4×100mRでの金メダル獲得を目指し、強化を進めている男子短距離ナショナルチームが、7月5日から実施したヨーロッパ遠征。ここでは遠征前半に参加した、染谷佳大(中央大)、山下潤(筑波大)、原翔太(スズキ浜松AC)の3選手のコメントをお届けします。




原 翔太(スズキ浜松AC)


<転戦結果>

・7月11日/バルセロナ:200m A決勝7位21秒01(+0.8)
・7月19日/ベリンツォーナ:100m 国内レースA組6着10秒56(+0.3)、国際B決勝5位10秒57(-0.6)

7月7日にマドリッドに入り、マドリッドを拠点として、試合先に行っては帰ってという形で転戦した。自分は、ヨーロッパの転戦自体は何度か経験があるものの、こうして拠点を決めてのパターンは初めて。海外の生活だと、食事をはじめ日常のさまざまな面でいろいろと気をつけなければならないことも多いが、拠点つくったことによって、そこへ帰れば自分の知っている人や店があるということで寛ぐことができた。安心感を持って、試合に向かうことができるのでいい態勢だなと感じた。

スペインでの練習場所となったINEF (Facultad de Ciencias de la Actividad Física y Deporteは、室内練習場がとても充実していた。スペインは、湿度はそんなに高くなかったが、日差しがとても強く暑かったので、空調の聞いている室内練習場があったことは、僕としてはとてもやりやすかった。また、練習自体もきちんとやることができた。

自分は、日本選手権の段階から走りが見えない状態になっていて、その理由が自分でもはっきり突き止められないまま、ヨーロッパにも出発していた。転戦中も、まだ考えながら走っているという感じだったこともあり、記録的には2戦とも悔しさが残る結果となった。しかし、2戦目のスイスのレースを通じて、原因となる部分が把握することができたので、帰国後は、その部分を意識した練習を進めている。

また、こうした海外でのレースでいつも思い知らされるのは、プロアスリートとして取り組んでいる選手たちとの違い。技術的な面だけでなく、競技者としての心の持ち方、生活面すべてに違いがある。自分はプロではないけれど、プロ選手と同じ土俵で戦っていかねばならない以上、負けてはいられないと改めて感じた。さらにステップアップしていけるように、この経験を持ち帰って、しっかりと自分のものにしていきたい。


染谷佳大(中央大)


<転戦結果>

・7月16日/コーク:200m A決勝7位21秒59(+0.9)
・7月19日/ダブリン:100m 予選2組8着10秒75(+0.5)

拠点となったマドリッドには3日間しかいられなかったが、強い先輩方と同じ場所で練習することができた。先輩たちを見ていて感じたのは、オンとオフの切り替えがはっきりしていること。競技に向かっているときと、そうでないときとの切り替えができている。自分は、ずっとオンにしていないとうまく切り替えられないので、見習っていきたいと思った。

競技結果については、今回は、記録自体はあまり重視していなくて、まずはしっかりと走りきることを目標に臨んだ。日本選手権後、1度調子が落ちて、動きはあまりよくない状態だったが、その状態でも走れるようでないと世界では戦えないんだなと、改めて実感した。

こうしたヨーロッパで行われるレースに出場している海外の選手は、みんなプロの選手で生活がかかっている。一緒に走ってみて、「プロとしての意地」というものをすごく感じた。これは日本ではなかなか味わえない雰囲気。「走ることを仕事としているんだな」ということを実感した。また、競技会そのものも、きっちりと進められる日本の競技会に比べると、運動会のようで集中しづらかった。そういう異なる雰囲気でものまれずに、記録をしっかり出していかなければダメだなということを感じた。

今は「いい経験をさせてもらった」と思う。しかし、これが来年も「いい経験」と言っているようではダメ。これからは、海外で結果を出してポイントを稼いでいく必要がある。今回の経験をしっかりと自分のものにして、確実に今後に生かしていきたい。


山下 潤(筑波大、ダイヤモンドアスリート修了生)


<転戦結果>

・7月11日/バルセロナ:200m A決勝5位20秒81(+0.8)
・7月14日/コルトレイク:200m A決勝4位20秒61(+0.7)

今回は、バルセロナ、コルトレイクの2戦に、どちらも200mで出場した。両方とも、日本選手権で出した自己ベスト(20秒46)の更新を狙って臨んでいただが、結果的に、実現することはできなかった。しかし、2戦目でタイムを上げることができたし、それなりに記録的に高いレベルを維持することはできたかなと思う。

こうした形でヨーロッパを転戦することも、数日空けて試合に出るのも初めての経験で、実際にどういうコンディションで走れるかわからなかったので不安もあったし大変な部分もあったけれど、うまくこなすことができたのでよかった。

マドリッドを拠点にして、試合先に行ってはマドリッドに戻るという形で転戦していた人もいたが、自分の場合は最初にマドリッドに入って調整してからバルセロナに行き、さらに次のコルトレイクに移動して、そのまま帰国する日程となった。

このため、マドリッドに滞在した日数は少なかったけれど、現地での練習は、INEF (Facultad de Ciencias de la Actividad Física y Deporte)を使わせてもらった。一番印象深かったのは、室内競技場のトラックの充実。あれだけ大きい走路が室内にあると、天候に左右されることなくやりたい練習がきちんとできるので、本当に素晴らしい環境だと思った。

今回は、自分が最年少で、マドリッドでも、転戦先でも、年上の選手の皆さんと一緒に過ごすことになった。自分からあれこれ話していくというよりは、見たり聞いたりする側だったけれど、練習内容や強度は人それぞれで、かなり違っていた。こういう転戦で、どう調整していったらいいのかなど、参考になったことが多かったと思う。

ワールドランキング制が採用される来シーズンからは、こうした転戦してポイントを獲得していう必要が出てくる。それに先駆ける形で今回転戦を経験できたことは、非常に大きい。この経験を生かせるよう、来シーズンに備えていきたい。



構成・文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:日本男子短距離スタッフ

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