2017.11.10(金)大会

【MGCシリーズ】岩出選手「最低限MGCは取りたい」、吉田選手「MGCを意識しつつ頑張りたい」/さいたま国際マラソン招待選手記者会見

11月12日に開催される第3回さいたま国際マラソンの招待選手記者会見が11月9日午後、さいたま市内のホテルにおいて行われ、チェイエチ・ダニエル選手(ケニア)、シャーロット・パデュー選手(イギリス)、岩出玲亜選手(ドーム )、吉田香織選手(TEAM R×L)の4名が登壇しました。



◎海外招待選手:連覇目指すダニエル選手、パデュー選手は上り調子をアピール

前回、25km過ぎで独走態勢を築き、2位に2分40秒の大差をつけて2時間23分18秒で優勝しているダニエル選手は、「この大会に向けては、ロンドン世界選手権後、3カ月くらいトレーニングを積んできた。コンディションはいい。去年、この大会に優勝したことが、その後、パーソナルベストの更新(2時間21分22秒:パリマラソン)や世界選手権の走り(4位)につながった。今回もよい結果を残して、今後の自分のキャリアにつなげていきたい」と、連覇に向けて抱負を語りました。

パデュー選手は、1991年生まれの26歳。ジュニア時代はクロスカントリー中心に取り組み、欧州クロスカントリー選手権では優勝(2010年、U20の部3.97km)の経験も。世界クロスカントリー選手権にも複数回出場している実績を持っています。シニアになってからロードへ移行して、2016年のロンドンマラソンでマラソンデビュー(2時間32分48秒・16位)。今年はロンドンマラソンで2時間29分23秒の自己記録をマークしたのちに、地元ロンドンで開催された世界選手権にも出場し、13位(2時間29分48秒)の成績を残しました。今回のさいたまは、今季3回目、マラソン通算5回目のレースとなります。「レースの期間があまり空いていないので、前回からの調子を維持しつつ、長距離走を少なくして、少し短い距離の練習をしてきた」と振り返ったパデュー選手は、「マラソンではないが先月の大会では2位になった(注:10月1日にグラスゴーで開催されたハーフマラソン。1時間12分18秒で2位に。ちなみに、このレースの優勝者はダニエル選手で1時間10分17秒をマークしています)ので調子は上がってきている。日曜のレースではトップ、上位に入れるように頑張りたい」と、上り調子にある様子をうかがわせました。

◎国内招待選手:「最低限MGCは取りたい」(岩出選手)、「MGCを意識しつつ頑張りたい」(吉田選手)
日本勢にとって、この大会は、第101回日本選手権と2018年ジャカルタ・アジア大会日本代表選考会を兼ねるほか、2020年東京オリンピック代表選考に向けた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ2017-2018」の指定競技会でもある重要なレースです。2時間29分00秒以内で日本人1~3位、あるいは2時間28分00秒以内で日本人4~6位の成績を収めれば、2019年9月以降に開催が予定されているMGCの出場資格を獲得します。

2020年東京オリンピックに向けてマラソンに専念するため、本年5月にドームへ移籍した岩出選手にとっては、今回が新たな環境でマラソントレーニングに取り組んで初めてのレースとなります。この夏は、北海道で合宿を積み、9月末から11月1日までは、アルバカーキ(アメリカ)で初の高地合宿にもチャレンジ。この8~10月に長い距離を踏めたことに自信を見せるとともに、「高地トレーニングの成果が楽しみ」と話しました。
レースに向けては、「外国人選手に、1mでも1秒でも長くついて、挑戦していきたいという気持ちのほうが強い。速いタイムを持っていても、それで世界大会を戦えるかというとそうではない。こういうタフなコースでマラソンをしていくことで、“強い”選手になっていけるのではないか感じる」と述べ、「タイム、タイム(ばかりにこだわる)というのではなく、1つのいい経験にしたい」と言いつつも、「タイムはわからないが、しっかり3位以内には食い込んでいきたい」「最低限MGCは取りたい」と強気なコメントも。初めて挑むコースについても、「下見をした感じは、名古屋(ウィメンズマラソン)や大阪(国際女子マラソン)に比べるとアップダウンはあるように思うが、流れに乗っちゃえば走れるんじゃないか。そう思えるくらいの練習はやってきた。流れに乗って走りたい」と、頼もしい言葉を聞かせてくれました。

吉田選手は、第1回から3回連続での出場です。昨年度は長野マラソン、北海道マラソン、さいたま国際マラソン、大阪国際女子マラソン、名古屋ウィメンズマラソンのすべてに出場することを目標とし、「それをクリアして、けっこう身体的にも疲れたかなというのがあったので、今年は4~6月をオーバーホール期間としてポイント練習を少なめにし、身体を休めつつ過ごした」とのこと。他方で「新しいことを取り入れたいと思ったので、今回は、トレイルランニングのレースに出場した」と、ハセツネ30K、TOGA天空トレイルランなど、30km前後のトレイルランレースを取り入れながら仕上げてきたことを明かしました。「状態は普通という感じだが、第1回、第2回と遜色ないくらいには仕上がっている。今年も、トップあるいは上位を目指して、自己ベストも目指し、MGCを意識しつつ頑張りたい」と話しました。

また、MGCによる2020年東京オリンピック代表選考について感想を求められると、「とてもわかりやすく、タイムもはっきりわかるし、選手にとっても取り組みやすいシステム」と述べた吉田選手。東京オリンピックに向けて、「自分が心身ともに走れる状況にある今、数年のうちに行われるということはありがたいことだし、チャンスだと思っている。しっかり目指して、そこを目標にして頑張っていきたい」と意欲を示しました。
海外・国内の招待選手が出場する「代表チャレンジャーの部」は、11月12日、午前9時10分に、さいたまスーパーアリーナをスタートします。

▼マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)特設サイトはこちら
http://www.mgc42195.jp/

文:児玉育美/JAAFメディアチーム

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