2017.11.01(水)大会

【レポート&コメント】ジュニオリ、A男子3000mで中学新!


第48回ジュニアオリンピック陸上競技大会が10月27~29日、第101回日本選手権リレーと同時開催する形で、日産スタジアム(横浜市)において行われました。
 2005年の第36回大会から中学生のみを対象とする全国大会にリニューアルされたこの大会は、A(中学3年)、B(中学2年)、C(中学1年)、ABC共通の4区分で競技を実施し、「JO(ジェイ・オー)」または「ジュニオリ」の通称で、中学生アスリートが秋シーズンに目指す憧れの全国大会となっています。今大会は、台風22号が週末に関東地方に接近したため、残念ながら天候が悪化。特に3日目は、強い風雨と低温のなかで競技実施となりました。 

◎石田選手、男子A3000mで圧巻の中学新! JO3連覇を達成!
 最終日に行われた男子A3000m決勝は、激しい雨に競技場内がかすんで見える状態のなかでのレースとなりましたが、その悪条件をものともせず、石田洸介選手(浅川中3年・福岡)が8分17秒84の中学新記録をマークしました。
 石田選手は、スタート後、200m手前の地点で先頭に立つと、そこからは完全な“一人旅”でレースを進めていきました。最初の400mを63秒(以下、ラップは筆者計時による)、次の1周を64~65秒で回ると、その後はややペースを落として1000mは2分41秒(以下、通過記録は場内アナウンスによる)で通過、2000mは5分30秒での通過となりました。この段階で、8分19秒14の中学記録(林田洋翔、2016年)更新はやや厳しくなったかと思われましたが、石田選手はその後も懸命にペースをキープし、最後の1周は65秒を切るラップに上げて、8分17秒84でフィニッシュ。今季2回更新している1500m(7月の福岡県中学でマークした3分53秒54の中学記録を、9月23日の日体大長距離競技会で3分49秒72に更新)に続き、3000mでも中学記録ホルダーとなりました。
 この優勝で、全日中1500m・3000m2冠に続き、今季3つめの全国タイトルを獲得。また、C1500mを制した一昨年、B1500mを制した昨年に続く、ジュニアオリンピック“3連勝”も達成しました。石田選手は、男子の文部科学大臣賞(MVP)に輝いた全日中に続き、この大会でも男子最優秀選手に選ばれました。

◎男子:A・B110mHでも好記録誕生
 男子では、石田選手のほかに、A走高跳で全日中チャンピオンの太田蒼翔選手(磐田竜洋中3年・静岡)が1m98で優勝。また、A・B110mHで好記録が誕生しています。U20規格(ハードルの高さ0.991m、インターバル9.14m)で実施されるA110mHでは、片岡巧選手(塚越中3年・神奈川)が中学歴代5位の14秒39(-0.8)を、全日中で実施される中学用規格(ハードルの高さ0.914m、インターバル9.14m)で行われるB110mHでは、鹿田真翔選手(飯山中2年・香川)が中2歴代2位タイとなる14秒50(-0.3)、大会新記録)をマークして、それぞれチャンピオンに輝きました。このほか、C走幅跳では、井倉大翔選手(函館赤川中1年・北海道)が優勝を決めたあとの最終跳躍で、中1歴代2位となる6m40(-0.7)の好記録をマークして快勝しています。また、向かい風1.0mのなか行われたA100mでは、昨年のB100m覇者の鷹祥永選手(由仁中3年・北海道)が10秒96で“2連勝”。鷹選手はアンカーを務めたリレー(ABC共通4×100mR、北海道が42秒30で優勝)も制し、2冠獲得となりました。

◎女子:A砲丸投で日夏選手が貫禄V。女子最優秀選手に
 女子では、3人の全日中チャンピオンが、この大会でも優勝を果たしました。
4kg(一般規格)で実施されるA砲丸投には、全日中砲丸投では史上初の2連覇を達成し、ジュニアオリンピック同様4kgでの実施となる愛媛国体少年Bで13m60の中学最高記録を樹立している日夏涼香選手(大阪三稜中3年・大阪)が出場。大雨のなかでの競技となったこともあり、中学最高記録新はかないませんでしたが、2位に80cm以上の差をつける12m83の投てきを見せて貫禄勝ち。昨年のB砲丸投に続く“連覇”を果たし、女子最優秀選手に選出されました。
 C100mでは1年生ながら全日中200mを制し、10月初旬に11秒98(+1.5)の中1最高記録を樹立しているハッサン・ナワール選手(千葉松戸五中・千葉)が12秒23(-0.2)で、2位に0.44秒の差をつけて圧勝。また、強い雨のなか行われたA3000mでは、全日中1500m覇者の不破聖衣来選手(大類中3年・群馬)が9分27秒46で優勝し、昨年のB1500mとの“2連覇”も果たしました。
 このほか、強い雨足のなか行われたC800mでは、残り50mで首位に立ち、激しく競り合った細谷愛子選手(静岡東中1年・静岡)と有富郁選手(吉備中1年・岡山)が中1歴代5位・6位となる2分14秒00と2分14秒02をマークして1・2位に。3位には、この2人にかわされるまで序盤から先頭でレースをリードした三科文選手(西郷一中1年・福島)が続き、中1歴代8位となる2分14秒40でフィニッシュしました。 

【新記録樹立者コメント】
◎男子A3000m
優勝 石田洸介(浅川中・福岡) 8分17秒84 =中学新記録
「3000mの中学記録を狙える最後のチャンスだと思って臨んでいた。実は、(前日に行われた)予選(8分35秒44で1着通過)で記録を狙っていたのだが、2000m手前あたりで“これは難しい”と感じたので、天気が悪くなるのはわかっていたが決勝にかけるしかないと、ラスト1000mのペースを落としてレースを終えていた。今日は、コンディションはかなり悪かったが、自分のことだけに集中して挑むことができたと思う。
 レースは、最初から自分のペースで行こうと考えていた。めやすは1周66秒。3000m8分15秒のペースで時計をセットしていた。最初は、それを上回るペースで走っていたが、最後のほうは、冷たい雨や国体以降に生じていた疲れなどの影響で身体が動かなくなってしまった。2000mを越えてからはきついのはわかっていたが、一番つらかったのはラスト2周くらいのところ。なんとかペースを持ちこたえて我慢して走れたと思う。最後の1周は、“もう行くしかない。ここで(記録更新を)逃したら後悔しかない”と、とにかく我慢して一所懸命に走った。
 中学生のうちに3000mで林田さんの記録を抜きたいと思っていた。国体(高校1年・中学3年が出場する少年B3000m)で抜けるかなと思っていたのだが、高校生と一緒ではさすがに簡単にそういう展開にさせてもらえず勝負に徹した。ペースメーカーをつけてもらって記録を狙う考え方もあったが、ちょうどジュニアオリンピックで3000mがあったので、最後のこの全国大会に1点集中して、林田さんの記録を破ろうと思って臨んだ。1人で走って(中学記録を)出せたことは、一番(喜びが)大きい。
 今年は、ケガなどもあり、つらいことがたくさんあったが、目標を見失わずに、全国大会優勝とか1500m・3000mで中学記録とかの目標に向かって、頑張ってくることができた。こうして2種目で中学記録を残すことができて本当に嬉しいし、3年間育ててくださった監督や、15年間育ててくれた両親、自分にかかわってくださった方々に感謝したいなと思う。
 高校では、たぶん5000m(への取り組み)が主流になってくると思う。インターハイ入賞などもあるが、高校からは世界大会などもあるので、一番大きな目標としては、世界に意識を向けられる選手になりたいなと思う」

文:児玉育美/JAAFメディアチーム

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