2017.08.10(木)大会

【世界選手権】デイリーハイライト(Day6:8月9日)

男子200m、サニブラウンが準決勝を突破!
ボルトを超え、この種目史上最年少ファイナリストに

 10日間の会期の終盤戦最初の日となる大会6日目の8月9日、ロンドンは朝から強く冷たい雨に見舞われる1日となりました。この日もイブニングセッションのみの開催でしたが、気温は15℃にとどまり、日本の晩秋を思わせるような寒さのなかでの競技となりました。
 この日の決勝は、女子砲丸投、男子400mH、女子400mの3種目でしたが、男子5000m予選に地元イギリスの人気選手、モハメド・ファラー選手が出場することもあり、悪天候にもかかわらず、観客席はほぼ満席となっていました。
 日本勢は、男子200m準決勝に、サニブラウン・アブデルハキーム選手(東京陸協)と飯塚翔太選手(ミズノ)が出場しました。全3組で行われる準決勝の通過条件は各組2着+2。2003年パリ世界選手権で銅メダルを獲得した末續慎吾選手(当時、ミズノ)以来の決勝進出に挑みました。
 1組8レーンに入った飯塚選手は、予選の課題を払拭する走りを展開しましたが、終盤で上位陣に突き放され、20秒62(+2.1)で5着。残念ながら準決勝敗退となりました。サニブラウン選手は2組目の9レーンでスタート。序盤から好走し、ホームストレートに出てからもよく粘り、20秒43(-0.3)・2着でフィニッシュ。日本選手としてこの種目で14年ぶりとなる決勝進出を果たしました。
 男子200m決勝は、8月10日21時52分(日本時間11日5時52分)のスタート。この決勝を18歳157日で迎えることになるサニブラウン選手は、世界記録保持者(19秒19、2009年)のウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が2005年ヘルシンキ大会で達成した18歳355日を抜き、この種目史上最年少でのファイナリストとしてレースに挑みます。
 なお、この男子200mでは、前日の400mを制したウェイド・バンニーケルク選手(南アフリカ)も決勝に進出。また、オフィシャルホテルで拡大した感染性胃腸炎にかかったために200m予選を棄権し、優勝候補の一角として挙がっていた400m決勝も欠場を余儀なくされたアイザック・マクワラ選手(ボツワナ)が、その救済措置として、この日の競技開始前に単独で予選レースに臨み、7日に行われた準決勝進出ライン(20秒53)以内となる20秒20(+1.4)をマークして準決勝に進出。準決勝では20秒14(+2.1)で2着となり、決勝進出を果たしました。

 
【選手コメント】
◎飯塚翔太選手(ミズノ)
男子200m準決勝 1組5着 20秒62(+2.1)
「ちょっと光が見えたかなと思う。60mくらいのところで、意外と(後ろが)来ないなと感じた。(曲走路の)抜けのところで一気に内側からガーンと行かれて、結果的にトップとは0.4秒くらい差がついてしまったので、そこはまだまだだと思うが、それでもだんだんよくなってきている。早く(次の)試合に出て、よい結果を残したい。
 今日は、予選よりも楽に行くことができた。本当に、楽に純粋に、前に前にという感じ。予選より力は入っていないのだが、1歩1歩しっかり走るみたいな感覚で、思ったより進んでいるイメージだった。
 意識したのはスタートを低く出ないようにするということ。低すぎると脚の動きが小さくなってしまい、そこから最後までチョコチョコしてしまうようなイメージだったので。あとは、走りがどうとか気にせずに、がむしゃらにゴールに向かって最後まで走った。今まで綺麗に走るという意識があったが、気にせずに好きなように、まるで小学校の運動会みたいな気分で走った。楽しかった。
(過去に走った準決勝レースに比べると)レースの輪に少し入れたかなという感じ。モスクワの世界陸上(2013年)は組で7着だったが、最初から置いていかれたので、それよりはちょっとよくなったかなと思う。
(決勝に進めなかった)悔しさはあるけれど、今はすっきりしている。なんかちょっと前に進んだかなと思う。準決勝を走れて本当によかった。
 普段日本で戦っているライバルであり、仲間でもある(サニブラウン選手の決勝進出は)刺激になる。すごい。準決勝でもすごく楽しいので、決勝はきっとたまらないと思う。僕も立ってみたい。頑張ります。」


◎サニブラウン・アブデルハキーム選手(東京陸協)
男子200m準決勝 2組2着 20秒43(-0.3)=決勝へ
「ラッキーという感じ。後半は誰も来なかったので、このまま行けるかなと思いながら走った。今日は最初の100mに集中した。最初の100mでいつも遅れるので、そこを意識すれば、直線に出てリズムに乗れば、そのまま刻めるので。いい具合で出られたので、そこがよかったと思う。決勝になったら、もっとラスト100mで脚を回すようにするのだが、(準決勝は)若干流れていた。そこをしっかりまとめて、もうちょっとタイムを上げていきたい。
(ファイナルを決めた実感は)あまりない。タイムもタイムだし、行っただけではなく戦えるように、ここからしっかりもう一段階上げていければと思う。
(予選から1日空いたが)昨日は、ほとんどベッドから動いていない。起きて、ご飯食べて、寝て、起きて、ご飯食べて、寝て、ちょっとストレッチして、また寝てみたいな感じで過ごした。でも、そのおかげで身体が休まった。今日もまたしっかり寝て、明日の決勝に合わせていければなと思う。
(ウサイン・ボルトを超えて最年少ファイナリストとなったが、との問いに)そうなんですか? まあ、でも、最年少で決勝に出たところで、戦えないと意味がないので。そこはしっかり戦えるように、今日は休んで明日に合わせていきたい。
 2年前の(北京世界選手権の)準決勝も、一番外(のレーン)だったが、みんなに途中からガーッと行かれて何もできなかった。今年は、タイムはあまり変わらないが、内容的にはマシな走り方ができたので、少しは成長したのかなと思う。
 決勝では、しっかり先頭集団に食い込んで、メダルのラインに身体を叩き込めればなと思う。」

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォートキシモト

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