2017.06.12(月)大会

第101回日本陸上競技選手権大会 混成競技(2日目レポート)

第101回日本選手権混成競技大会2日目は6月11日、ロンドン世界選手権代表選考会を兼ねて長野市営陸上競技場において開催されました。 



■男子十種競技は中村選手が連覇。世界選手権代表に内定
男子十種競技は、初日を1位で折り返した中村明彦選手(スズキ浜松AC)が110mHで14秒10(+0.5)、円盤投で36m23、棒高跳で4m90と、8種目めまで首位をキープ。その後、2日目に得意種目が揃う右代啓祐選手(スズキ浜松AC)が9種目めのやり投で逆転してトップに立ちましたが、最終種目の1500mで、この種目を得意とする中村選手が再逆転。右代選手との100点の差(距離にして約15秒)をひっくり返し、7873点で昨年に続く連覇を達成するとともに、ロンドン世界選手権代表に内定しました。中村選手同様、すでに世界選手権参加標準記録を突破していた右代選手は7807点で2位。3位には、7579点の自己新記録をマークした清水剛士選手(NTN)が続きました。


■ヘンプヒル選手、6000点突破ならずも日本学生新記録で3連覇
ヘンプヒル恵選手(中央大学)による日本記録(5962点)更新、さらには日本人初の6000点突入が期待された女子七種競技。ヘンプヒル選手は、2日目最初の走幅跳で6m06(+2.6)を跳んで好スタートを切りましたが、6種目めのやり投(45m02)で思うように得点を重ねられず、最終種目の800mに望みを託す形に。これを2分19秒32でフィニッシュし、5907点で競技を終了しました。日本記録にはわずかに及ばなかったものの、自己記録を5900点台に乗せ、自身の持っていた日本歴代2位、日本学生記録を更新しています。
2位は山﨑有紀選手(九州共立大学)で5535点、3位は桐山智衣選手(ヤマダ電機)が5381点で続きました。4位には、高校生の大野優衣選手(白梅学園高・東京)が入賞。高校歴代4位となる5297点をマークしました。
 また、日本記録保持者(5962点、2004年)で、2004年アテネ大会にこの種目で日本人初の五輪出場を果たした中田有紀選手(日本保育サービス)が、4927点で今年も8位に入賞しました。1977年生まれの中田選手は、1996年に初めて出場(6位)して以来、2012年を除き21回の出場(2000年の途中棄権を含む)を果たしている選手。今回の入賞で、2002年から2010年までの9連覇を含めて18回目の入賞となりました。
 

■丸山選手がU20十種競技で今季世界3位! U20日本記録を大幅に更新
 同時に開催されていたU20日本選手権混成では、2日目もU20男子十種競技で丸山優真選手(日本大学)の活躍が際立ちました。6種目めの110mH(U20規格:ハードルの高さが0.991cm)でこの種目単独で日本歴代7位タイとなる13秒64(+1.3)の自己新をマークすると、円盤投で40m38、棒高跳で4m10、やり投で56m98とそれぞれで自己記録を更新。最後の1500mはベスト(4分38秒11)には届かなかったものの4分39秒06で走りきり、今季世界リスト3位となる7790点の高得点をマーク。U20日本記録(7195点)を一気に595点更新しました。
 U20女子七種競技は、1日目でトップに立った橋本春菜選手(筑波大)がそのまま逃げ切って優勝。昨年マークした自己記録(4569点)を更新する4786点をマークしています。
 

【優勝者コメント】
男子十種競技
中村明彦(スズキ浜松AC) 7873点
「苦しい2日間だった。スタートダッシュ(最初の2種目)はよかったのだが、砲丸投、走高跳、400mと噛み合わずに終わってしまった。いつもならここからずるずる行くのがパターンだったし、海外の試合でもそうなることが多いのだが、なんとか2日目でロスを最低限に抑えることができたのかなと思う。
(1日目を終えて)このままでは今までと同じことになってしまう。そういうのを改善するために2週間前にオーストラリアへ試合に行ってきたのだから、ここで切り替えるんだという気持ちで、2日目に臨んだ。大幅なプラスに変えていくことはできなかったものの、まずは上方修正できたのでよかった。これからは初日のロスを少なくすることと、十種競技のなかでベストを出すことを目指していきたい。
(1500mで逆転するためには右代に約15秒の差をつけることが必要だったが)ゴールした瞬間は、“4分20秒を切れなかった。ダメかもしれない”と思った。優勝確定のアナウンスを聞いてホッとしたが、厳しいコンディションだったとはいえ得点がこれ(7873点)なので…。ただ、これから目指すべき記録(日本記録)を持っている右代さんに勝つことができたのは、本当に嬉しい。
記録的な部分や種目の課題という面で、この3連戦(東京混成、ゲツィス、日本選手権)で修正しきれない部分が目立つので、ロンドンで自己ベストが出るよう、これからトレーニングしていきたい。(世界選手権の行われる)ロンドンは、(400mHで出場した)2012年五輪のときに会場で十種を見て感動し、“次は絶対に十種競技で出たい”と強く思った場所。そこで競技できることは本当に楽しみ。ロンドンでは、今回の走幅跳みたいな爆発力とか、ハードルや棒高跳のようにきっちりベスト近くに持っていける種目を増やし、今までとはひと味違う自分を見せられるようにしたい。」


女子七種競技
ヘンプヒル恵(中央大学) 5907点=日本学生新記録
「日本記録を目指していたし、途中まですごく順調で、そこだけを見てやってきたので、(達成できず)悔しい。(日本記録更新を目指して走った最終種目の)800mは、今シーズンも昨シーズンもあまり走れていなかったので、不安があるなかで臨んでいた。気持ちで負けずに最後まで押し切れたことはよかったと思うが、風の影響で1周目をうまく乗り切れなかったことが、(日本新に届かない)このタイム(2分19秒32)につながったのかなと思う。
5907点という自己ベストについては、あまり意味がないというか、できれば、(従来の自己記録と日本記録の)間の記録は出したくなかったというのが正直なところ。でも、今回の試合でいろいろチャレンジできた種目もあるし、改善しなきゃいけないところも見つかったので、その面ではよかった。走幅跳は、助走の感覚がちょっとずつよくなってきているし、ハードルも前半でもっと飛び出せば記録は出るという手応えがあった。あとは投てきだけ。今回も、投てき種目が足を引っ張ってしまった。レベルが上がってくると、ちょっとのミスが最後に響く。改めて、そのことを痛感した。
(2週前の)関東インカレのときはバラバラだったことを考えると、この短期間で、調整なしでの結果としては悪くない。しっかり調整して挑めるアジア選手権が楽しみ。(アジア選手権までには)もうちょっとスピード持久の練習をしたい。また、ハードルについては技術的なところはいじらず、スピードのなかで捌けるようにしていきたい。アジア選手権では、6000点を超えないと優勝できないと思っている。今回よりさらにもう一段階レベルアップして、次こそはちゃんと6000点に乗せたい。」

U20十種競技
丸山優真(日本大学) 7790点=U20日本新記録
「昨日の段階では7500点が出せればと思っていたが、(最終種目の)1500mを走る前の段階で7800点を目標にしていたので、そこに届かなかったのは悔しい。しかし、(関東インカレの疲労の影響で)この大会に出場するかどうかも直前まで決めていなかったことを思うと、そんななかで7790点という記録が出たのは、自分でも大きいと思う。
10種目中8種目で自己ベストをマークしたが、どれも高校時代、高校記録を更新するときに出そうと思っていた記録なので、“やっと出たか”という感じ。でも、それがトータルでこういう結果に繋がっている。総合だけを目標にするのではなく、1つ1つでベストを尽くせば、今回のようにちゃんと記録が出るんだということを実感した。ただ、ベストは出ているが、内容には満足していない。例えば、走幅跳だと普通に跳べば7m60くらいは行くと言われている。そこがちゃんと出せていないので、まだまだこれからかなと思う。
今回の結果から、シニアの十種でも7500点は行けると思う。(棒高跳も)ポールを曲げていない状態で跳んでいるし、砲丸も立ち投げ。走高跳も全助走でなく7歩でマークも置かずに勘で行っている状態なので、これから全カレ(9月の日本インカレ)までにきちんとやっていきたい。
大学での目標は、3年時(2019年)にユニバーシアードがあるので、そのときまでには8000点を超えておきたい。そして、大学4年で迎える東京オリンピックまでに、右代さんや中村さんと勝負できるような選手になって、オリンピックで戦えるよう頑張っていきたい。」

U20七種競技
橋本春菜(筑波大学) 4786点
「この大会が大学に入って初めての混成の大会。昨年8月の全国高校選抜でいったん陸上を引退して、受験勉強をして大学へ入ったので、今回はとりあえず7種目をちゃんとやりきることを考えていた。ただ、入学した筑波大学の環境が本当によく、たくさんの刺激を受けることができていて、(そういうなかでのこの結果に)自分が思っている以上に力がついていたのかなと嬉しく感じた。
走高跳とやり投と800mが自己ベストで、ハードルは混成競技でのベスト。ベストではないが走幅跳も、混成としては悪くはなかった。なかでも走高跳の大幅な自己ベスト(1m61→1m68)が大きかった。
4786点は自己ベスト。最初は、やりきることだけを考えて臨んでいたが、1日目をいい感じ(首位)で終えた段階で、“もしかしたら4800~4900点が見えてくるかな”と思っていたので、そこに届いていたらもっとよかったなと思う。
(5000点という記録は)まだ自分の技術では届かない。環境に恵まれたので、これから着実に力をつけて目指せるようになりたい。」
 

(文:児玉育美/JAAFメディアチーム)

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