2017.05.15(月)大会

ダイヤモンドリーグ上海大会 結果レポート

国際陸連(IAAF)が主催するダイヤモンドリーグの第2戦が5月13日、中国・上海市の上海体育場で開催されました。実施された全16種目のうち、ダイヤモンドリーグ新記録となる8m61(+0.7)がマークされた男子走幅跳のほか、男子400mH、女子3000mSCで大会新記録が誕生。男子200m、女子100m、女子400m、女子1500m、女子5000mの5種目で今季世界最高記録がアナウンスされました。 

女子3000mSCとともにダイヤモンドレース非対象種目として行われた男子100mには、日本から、桐生祥秀(東洋大)、ケンブリッジ飛鳥(Nike)、サニブラウン アブデルハキーム(東京陸協)の3選手が出場。自己記録9秒85で、4×100mRではアメリカの第1走者として活躍し、個人でも世界選手権で2大会連続入賞の実績を持つマイケル・ロジャーズ選手(アメリカ)を筆頭に、2003年世界選手権100m覇者で40歳となる昨年に9秒93の自己ベストをマークしているキム・コリンズ選手(セントクリストファー・ネビス)、黄色人種として初めて9秒台をマークするともに、2015年世界選手権100mで決勝進出を果たしている蘇炳添選手(中国)ら、パーソナルベストに9秒台の記録を持つ選手たちと対戦することに。今季、3大会連続で10秒0台をマークするなど絶好調で、シーズンベストでは出場選手中トップにいた桐生選手は、ダイヤモンドリーグでのこの種目初優勝および日本人初の9秒台突入を、今季出場したレースのすべてが追い風参考記録となっているケンブリッジ選手は、まずはロンドン世界選手権参加標準記録10秒12の突破を、昨年この大会のBレースで10秒22の自己記録(当時)をマークしているサニブラウン選手は、課題としているスタートに意識を置いた力試しを、それぞれに目的として、レースに臨みました。
初夏を思わせる陽気となった当日の上海は、日が落ちてからも暑すぎず涼しすぎず、風もホームストレートを緩く追う程度と絶好のコンディション。レースは、サニブラウン選手が1レーンに、桐生選手が7レーンに、ケンブリッジ選手は9レーンに入って、現地時間19時24分にスタートしました。 

しかし、ホームストレート周辺がほぼ満席となった会場は、“オン・ユア・マーク(位置について)”のコールがかかっても鳴り物や歓声で騒然としたままで、“セット”の合図になっても静まる気配が全くない状態。そんななかでのスタートで、桐生選手とケンブリッジ選手の間(8レーン)にいたアイザイア・ヤング選手(アメリカ)が不正スタート(フライング)を犯して失格となってしまいます。
その直後に走高跳で中国選手がクリアしたことで場内は一段と盛り上がり、2回目のスタートは、鳴り物や歓声が響き渡るなかで行われました。しかし、問題なくスタートが切られたかと思いきや、またしても2発目の号砲が鳴りレースがストップ。なんと、ここで桐生選手がフライングを告げられ、失格になってしまいました。3回目でようやくスタートしたレースは、地元中国の蘇選手が中盤から抜け出してシーズンベストの10秒09(+0.1)でフィニッシュ。日本勢はケンブリッジ選手が10秒19で4着、サニブラウン選手は10秒22で5着という結果となりました。 

「(世界選手権参加)標準突破を突破できなくて残念」と振り返ったのは、7・8レーンが失格したことにより、ただ一人離れた位置で走る形となってしまったケンブリッジ選手。「ちょっと全体的に硬さが出たかな」と反省しつつも、ラストで、先行するサニブラウン選手をかわしてフィニッシュし、五輪銀メダリストの意地を見せました。また、走り自体も「状態は悪くない」と一定の手応えは得られた様子。「次のゴールデングランプリに向けて、1週間後、しっかり調子を上げていければいいかなと思う」と話しました。ケンブリッジ選手の10秒19はシーズンベスト。国内初戦となる5月21日のセイコーゴールデングランプリで、参加標準記録突破に挑みます。

大会直前に急きょ出場が決まり、トレーニング先のオランダから上海へやって来たサニブラウン選手は、序盤は先頭争いに絡んでいましたが、終盤で持ち味の強さを見せることができず5着でフィニッシュ。レース後には、「(後半)思うように身体が動かなかった。もうちょっと動く気はしたのだが、(スタートのやり直しで)待っている時間もあったので、(身体が)固まってしまったのかも」と分析していました。また、「フライングで集中力が切れてしまった」ことを明かし、「そういうときでも、しっかり集中力を保っていられるようにしないと」と反省していました。このあと日本へ帰国し、セイコーゴールデングランプリに出場。セイコーゴールデングランプリに向けては、具体的な記録には言及せず、「スタートのところでしっかり反応できるようにしていきたい」という課題を掲げていました。 

見た目にはフライングとはわからなかった桐生選手の失格は、その後、リアクションタイム(号砲が鳴ってから身体が反応するまでの時間)が0.100秒未満であったため、不正スタート判定装置により検出されたことが判明しました。
「自分ではぴったり(のタイミングで出たスタート)だと思っていた」という桐生選手は、2回目のフライングも直後は自分が犯したと思っておらず、スタート地点に戻った際に、テレビカメラが自分に向けられていたことで初めて「オレかな?」と気づいたそうです。また、「(判定)装置がついているので、抗議しても意味がない。そこはもう仕方ないと思った」と、事実を潔く受け入れた心境を明かしてくれました。
その一方で、不完全燃焼に終わってしまった結果には、「緊張もなく、万全の状態で臨めていた。走り的にもめちゃくちゃいい感じだったので、それをパフォーマンスとして出せなかったことは悔しい」と無念の思いを募らせていました。
気持ちを切り替えて臨む次のレースは5月25~28日に横浜・日産スタジアムで開催される関東学生対校陸上(関東インカレ)。桐生選手は100m・200mとリレー種目に出場を予定しています。
「2週間後、楽しみにしていてください」
桐生選手はこう力強く言い切り、ミックスゾーンから去っていきました。 

文/児玉育美(JAAFメディアチーム)

ケンブリッジ選手、サニブラウン選手が参戦する、セイコーゴールデングランプリ陸上2017川崎は、
5月21日(日)等々力競技場で開催!

<チケット発売中!>
前売り券のみ公式プログラム付!!(B席・グループシート以外)
※開催日当日、会場のプログラム販売所でチケットと引換にお渡しします。
◆詳しいチケット情報はこちらから
http://goldengrandprix-japan.com/ja-jp/TICKET


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